配管をする中でインパクトドライバーを使ったことがない! という人が果たしているのでしょうか。
そのくらいインパクトドライバーというのは、よく使う電動工具の1つですよね。
しかも、単純にドライバーとして使うだけでなく、様々なビットを利用することによって、ナットを締付けたり穴を開けたり削ったりと、用途は多彩ですね。
この記事では、そんなインパクトドライバーを配管で使うシーンを総まとめします。
具体例を挙げつつ解説していきますので、インパクトを使う方はぜひチェックしておいてください。
ビスを打つ・ネジを締める
最も一般的な使い方と言えば、ビスを打ったりネジを締付けたりすることでしょう。
プラスや六角のビットがメインになるかと思います。
インパクトの場合、トルクが大きくなってくると「ガガガガッ」と打撃するようになりますから、その分しっかりとした締付けが可能です。
ただし、その分ビスの頭が飛んでしまったり、本体側が割れてしまったりする可能性があるので、加減には注意が必要です。
特に最近の製品はパワーが上がっているので、いきなりフルパワーはやめた方が良いでしょう。
回転数やパワーを設定できる製品も増えてきていますから、最低な設定を見つけながら作業してみてください。
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参考:【保存版】壁にビスを効かすための全手順!コンクリート・木・ボード対応
バンドのナットを締める
配管でよく使う支持金物と言えば、吊りバンドや立てバンドですよね。
これらは、ナットを締付けて固定することがほとんど(蝶ネジタイプもある)ですから、数が多い場合はインパクトを使うべきでしょう。
一つ一つバンドレンチで締めていたのでは、とても時間がかかりますから。
しかも太物になってくるとナットのサイズが17㎜〜になるので、ラチェットで締めるのは一苦労です。
ただし、これも締付けすぎに注意が必要で、10㎜ではボルトが折れてしまったり、材質がステンレスの場合かじりついてしまったりします。
使用するビットは、やはりユニバーサル(首振り)の長めのタイプがおすすめです。
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MDのナットを締める
排水や通気配管で使用するMD継手は、インパクトで締付ける代表的な作業でしょう。
ただ、管径によってナットの大きさが違うため、複数サイズの配管を行う場合は、その分ビットを用意する必要があります。(下写真を参照)
※ダイドレのカタログより抜粋
また、締付け加減には十分注意する必要があります。
なぜなら、40Aなどの細物で締付け過ぎればフランジが割れる可能性がありますし、逆に200Aなどの太物では締付け不足になる可能性があるから。
なので締付け加減を調整したり、最後はトルクレンチやメガネで締付けたりと言った対応が必要になってきます。
フランジのナットを締める
ここで言うフランジは、ねじ込み配管の相フランジや、加工管のフランジです。
ビットさえあればあらゆるサイズの締付けが可能ですが、太物は“仮締め”だと思った方が良いでしょう。
目安としては80A以上ですかね。
締付け能力的に、インパクトドライバーではその程度が限界です。
なのでMDフランジと同様に、大きめのモンキーやメガネで増し締めしてあげてくださいね。
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様々なナットを締める(架台・器具など)
ハヤウマやアングルで架台を作成する時にナット(ボルト)を締付けることは多いですよね。
これはインパクトが非常に役に立ちます。
特によく使う3分のナットが17㎜なので、17㎜のボックスビットは多用しますね。
ただ、ビットもモノによってはナットに通すネジ部が長いと、届かないことがあります。
なので、本体部分が長いユニバーサルタイプがおすすめです。
アンカー打ち(主に雄ねじタイプ)
天井配管を吊る場合、アンカーに雄ねじタイプを使うことが多いです。
以下は代表的なQCアンカーの施工動画です。
雄ねじタイプのアンカーは六角部を締付けて頭を切り飛ばしたり、規定トルクまで締付けて施工するものが多いです。
そこでもちろんインパクトの出番になります。
ただ、QCアンカーの4分(ステンレス製)などになると、頭を切り飛ばすのに結構なパワーが必要で、14.4Vでは煩わしく感じるかもしれません。
なのでその辺はパワーの高いタイプ( 18Vなど)を使うか、電池の充電を常にフルパワーで保つなどの対応が必要かもしれません。
全ネジを回す(ナットを外す)
全ねじを回す専用のビットを取付ければ、ナットやアンカーに挿入することができます。もちろん外すこともです。
軽量屋さんがよく、天井下地用の全ねじを吊るのに使っているイメージがあります。
配管では、レベルバンドのナットを外したり、全ねじ切断分のバリを取ったりする時にも使えますね。
私がおすすめするのは断然、タジマ製の全ねじソケット。
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なぜなら、インパクトに挿入する部分が、単独の短いプラスビットとして取外しできるようになっているから。
これなら万一折れてしまったとしても、安価な軸部分だけ交換できます。
また、13㎜の板ラチェットなどに取付けて使えるのも意外に便利だったりします。
内面カッターを取付けて切断する
配管を床や壁の面一(つらいち)で切断したり、もしくはさらにその奥で切断したりする際には、内面カッターが重宝します。
サンダーに取付けるタイプよりはパワーは劣りますが、操作がしやすいので、ミスや怪我のリスクが低いです。
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注意したいのは、インパクトに挿し込む軸部分の、挿し込み不良と折れ。
どちらにしても、立ち上がり配管の切断中に外れれば(折れれば)、そのまま配管の中に落下して悲惨なことになります。
なので、本体をしっかりと挿し込むことと、変な角度で無理な力をかけないことは徹底してくださいね。
ブラシを取付けて掃除する
特に改修工事の話になりますが、古い配管やトラップを掃除することがあります。
例えば、浴室のワントラップを掃除してエポを塗り直したり、古いねじ込みを外してねじ部を掃除したりするわけです。
その際にもちろん手作業でやっても良いのですが、掃除ができるビットを取付ければ、ある程度楽に掃除ができます。
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注意したいのは、汚れの付いたブラシを回転させるとその汚れが飛び散ることです。
周りを汚したくないケースが多いと思いますから、養生や本体の取扱いを慎重に行いましょう。
穴開け(木・ボード・鉄板)
ホルソー(ホールソー)を取付ければ、あらゆる材質のものに穴を開けることができます。
もちろん充電式のインパクトを前提としてますから、開けられる種類や径は限られます。
メインとなってくるのは、以下のようなものでしょうかね。
- 洗面化粧台の背壁や床板
- 流しの背壁や床板
- 石膏ボードの壁や天井
- コンパネ程度の厚みの板
- バタ角程度の木材
- 流しの水切り(ステンレス)
- 軽量材
コンクリートや厚みのある鉄板は厳しいですし、大口径は無理でしょう。
上記にあげた例の通り、器具付けで使うのがメインになってくるかと思います。
ヤスリを取付けてバリを取る(全ネジ・パイプ)
インパクトはバリ取りにも使えます。
全ねじに関しては専用のバリ取りビットが売っていますし、砥石やダイヤモンドビットを取付ければ配管のバリ取りも可能です。
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大口径はキツいとは思いますが、50A程度までなら内面も外面も取ることは可能です。
ただし、もちろん配管のバリ取り専用ではないため、慣れるまではやりにくさを感じるかもしれません。
砥石のビットなら安価なものが多いため、ひとまず手軽にバリ取りがしたい場合にはおすすめです。
大量に配管を加工する場合には、面取り専用工具を用意しましょう。
参考:面取りって奥深い!?配管になくてはならない面取り工具9つを徹底解説!
補足:頻繁にビットの付け替えが発生する時のアイテム
最後に、ビットの付け外しに関する便利なアイテムをご紹介します。
種類の違うビットを頻繁に付け替える作業ってありませんか?
例えば、ボード面に金物を取付ける時に、「ボードアンカー用の下穴開け→ビスでの固定」を繰り返すため、穴開けキリとプラスビットを使います。
小さなキリやプラスビットを頻繁に付け替えるのは非常に煩わしく、他の道具も一緒になると失くしてしまうこともしばしば。
そんな煩わしい作業を補助してくれるアイテムをご紹介します。
それが「ワンタッチビットジョイント」です。プラスのような両頭ビットとその他のビットをジョイントできるアイテムです。
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何が便利かというと、プラスのビットに片手で他のビット(下穴用のキリなど)を付け外しできること。
通常は片手で本体を持って、もう片方の手でジョイント部を操作しなければなりませんから。
ただ、1つだけ注意しなければならないのは、付け外しが容易になったということは、それだけ“外れてしまいやすくもある”ということ。
なので、持ち運び時は十分に注意してくださいね。
今回のまとめノート
インパクトドライバーは、配管作業において非常に使用頻度の高い電動工具の1つです。
本当に様々な使い方があり、全てを把握しているという人はそうはいないでしょう。
今回ご紹介した内容は配管に特化した内容になりますから、ぜひ作業時に参考にしていただけるとありがたいです。
では、良い配管工ライフを!
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