あなたは今使っているスケール(コンベックス)、気に入ってますか?
こだわって選びましたか?
配管工(職人全般)にとって、スケールはマジでなくてはならない道具ですよね。
配管工になってからこれまで、スケールを全く使わなかったのは、2、3回だと思います。
そんなスケールの中で、私が特に気に入っており職人の心をくすぐる機能が盛り込まれている商品を多数販売しているのが、「タジマ」さんです。
これまでに何十個というレベルでスケールを使い倒して、特徴や選ぶ際のポイントが分かってきたので、まとめて共有したいと思います。
スケール選びにぜひお役立てください。
目次
タジマのスケール選びで重視したいポイント


まず、スケールを選ぶ際にどんなポイントを重視すべきでしょうか。
色々意見はあるとは思いますが、何十個というスケールを使ってきた私が、「ここは絶対に重視すべき!」というポイントをお伝えします。
- テープの強さ
- バネの強さ
- マグ爪の有無
- 長さ
- 本体の材質
順番に見ていきましょう。
テープの強さ
テープとは、実際にに引っ張り出して長さを測る部分のこと。いつもは内蔵されたバネによって本体内に巻き取られた状態になっています。
実際に長さを見るテープの強さは何よりも重要です。
なぜなら、テープは最も酷使する部分であり、テープが破損するとスケールは使い物にならなくなるから。
テープ部分が弱いと、すぐに亀裂が入りテープ自体が引き出せなくなったり、捻れてしまって引き出した時にすぐに折れてしまったりします。
こうなるわけです。↓↓


これを養生テープで貼ったりして頑張ろうとするのですが、そのうち出てこなくなるんですよね・・・汗
タジマのスケールはテープ部分にかなりこだわっていて、その特徴によってもシリーズが分かれています(詳細は後述)。
配管作業では毎日何百回とテープを出し入れしますから、テープが強いに越したことはないのです。
ちなみにテープの幅にも種類がありますが、ハッキリ言って25㎜(27㎜もある)一択ですね。
19㎜とかだと、本体が軽いのは良いですが伸ばしたときにすぐ折れてしまい、非常に使い勝手が悪いですから。
バネの強さ
スケールのテープは内蔵されたバネによって巻き取られます。
このバネが壊れたらどうなると思います? そう、テープ巻き取りません、テープ出てきません。
なので、バネの重要性は分かるかと思います。
ただ実際のところ、バネが完全に壊れる前にテープの方が破損することが多く、出てこない(戻らない)というよりは、手で押さないと戻らないとか、出すときにちょっとキツいみたいな感じになると思います。
墨出しや高所で長く引き出したテープが戻らないとか、すごくウザいのでバネが強いに越したことはないです。
マグ爪の有無
マグ爪とは、テープの先端に磁石が付いているか否かです。
磁石が付いていると、デッキ・鉄骨・軽量材などに先端がくっついてテープが安定するというメリットがあります。


高所から落としてしまったり狭小箇所に落としてしまったりしたナットやワッシャーなどを、テープの先にくっつけて拾い上げることもできますね。笑
その一方で、砂鉄やビスなどのゴミが先端に付いて、微妙に寸法が狂ってしまうことも。
個人的にはマグ爪に慣れているので、たまにマグなしを使うと非常に使いづらく感じます。
それでも、タジマのマグなし爪には焼きが入っているタイプもあり、マグ爪より曲がりに対しての強度が高くなっていますよ。(シリーズによる)


長さ
ほとんどのスケールは測れる長さが5.0m前後です。
タジマのラインナップを見てみると2.0m〜10mと幅広いですが、やはり5.0mや5.5m辺りが主力になってきますね。
人によっては長く出して使いたいから7.5mあった方が良いと思うかもしれません。この点は完全に好みの問題になります。
長ければ、それだけ大きさも重さも増しますからね。
本体の材質
スケールの本体はほとんどが樹脂製ですが、シリーズによっては弾性樹脂で保護されているタイプもありますし、アルミ製もあります。
弾性樹脂で保護されていればそれだけ衝撃に強いので、落とした時や管材をぶつけてしまった時などに壊れにくいです。
ただ、弾性樹脂による保護があるタイプと無いタイプのどちらも使った私からすると、強度というよりはどちらかと言えば“持ちやすさ”の方が大きいですね。
弾性樹脂が付いていて表面に凹凸があれば、軍手などで持っても滑りにくいということです。
ちなみに、タジマにはアルミ製のシリーズ(後で紹介します)もありますが、コレは見た目重視なので、実用性を考えたら優先度としては高くは無いでしょう。
「安全セフ」について
タジマ製スケールの安全セフとは、専用のホルダーにカチャっとハマるようになっていて、落下しない仕組みになっているタイプのこと。
スケール本体とホルダーがセットで販売されています。


ボタン(黄色い部分)を押せばサッと取り外せるので、使い勝手としては抜群です。
逆に安全セフではないタイプは、昔ながらのクリップのような形式(ベルトクリップ)になっていて、ベルトのどこにでも付けられるメリットはありますが、落下はしやすいですね。


個人的には腰道具への収まりや安全面を考えて、セフを選択すべきだと思います。
ちなみにホルダーは単品でも購入できますよ。ほぼ壊れないので新しく買う度に余っていくんですけどね。笑
もし買うなら、おすすめは後付けができるメタルタイプです。
ベルトを通さずに装着できて、メタル製なので耐久性が格段にアップしていますよ。
タジマ (TAJIMA)セフ後付ホルダーメタル【品番:SF-MHLD】
この記事で紹介するタイプについて
各シリーズの最後に購入リンク付きで商品を紹介しますが、基本的には安全セフ・テープ幅25㎜以上、マグ爪・メートル目盛のタイプです。
これは、私が散々使い倒してきた中で、ベストなチョイスだと思うからです。
では次章から具体的な商品をご紹介していきますね。
タジマ製スケールのスタンダード『ハイロック』


タジマのスケールの中でも最もポピュラーなシリーズが「ハイロック」です。
長さやテープ幅の種類がかなり多く、その組み合わせは数十種類になりますが、現場での実用性があるのは25㎜幅の5.5mあたりでしょう。
非常にシンプルな作りで、余計なものは一切ついていないため、使い勝手は可もなく不可もなくと言った感じ。
マグ爪のラインナップが無いので、マグ爪好きには向きませんね。
価格が安く軽量なので、予備として持っておいたり、器具付け用にバッグに入れておいたりすると良いかもしれませんね。
テープ幅が狭いタイプにはストラップが付いていませんが、落下防止ワイヤーは取付けられます。
タジマの代表的スケールシリーズ『剛厚』



スケールで最も重要ともいえるテープの強度を増したのが「剛厚シリーズ」です。
従来品と比べて1.3倍(ステンテープ)〜1.5倍の剛性力があります。


テープが折れにくいということは、長い寸法を測りやすいということ。
この剛厚テープが採用されているシリーズが豊富なので、1つずつ特徴を説明していきますね。
剛厚コンベ
剛厚シリーズのスタンダードです。


シンプルなタイプ(上写真)と弾性樹脂に覆われたタイプがあります。
弾性樹脂に覆われている方が滑りにくいのと、爪の部分がガードされているのはありがたいですね。もちろん衝撃にも強いです。



もう一つ特徴的なのが、本体の底部にも強力磁石を搭載した「Wマグ」タイプがあること。
本体底部にもマグネットがついていて、鉄管・鉄骨・軽量・高所作業車などにくっつけることができます。


ちょっとつけておくのには転がらないので良いですし、鉄管にくっつけて罫書きをするのには役立ちます。
ただし、重量が増えるのと、ビスやら道具やらがひっついてくるので、その点は注意してください。
ちなみにこのダブルマグは、後から紹介する「G3ゴールド」「剛厚ステン」シリーズでも展開しています。
Zコンベ
剛厚シリーズの中でもオーソドックスな形で、バランス型の商品です。


本体・爪部ともにラバーでガードされていて、滑りにくく落下時の衝撃にも強くなっています。
最大の特徴は本体下部に設置された「減速ボタン」。


テープが勢いよく巻き取られた際に、手指を切ってしまうのを防げますね。
マグ爪のラインナップが無いので注意してください。
G7ロック
全体的に丸みを帯びた、ラバーで覆われた特徴的なデザインの商品です。


全体的に滑りにくく、その丸い形状は非常に持ちやすいです。ちょうどボールを掴んでいるような感覚ですね。
面白いのは、長さが5.0m以外に6.5mというラインナップがあること。
5.0mじゃ物足りないけど7.5mはいらない、という人には「かゆいところに手が届く長さ」かもしれませんね。
色が黒以外にも個性的な白もありますよ。
剛厚スパコン
スパコンという水気に強い設計のシリーズ(後述)に剛厚テープを採用した、良いとこどりのシリーズです。


見た目的にかなり奇抜なカラーですが、これは元々のスパコンから引き継いだもの。
水場での仕事に特化するために以下の2つの大きな特徴があります。
- ナイロンコート(剛厚)テープ
- ステンレスバネ
この2つを実現しているシリーズは他に無いため、水場での仕事が多い配管工にとってはハマる性能でしょう。
本体のラバーコーティングなどは一切無いため、衝撃に弱いように思いますが、実際に使ってみると特に他と遜色なく頑丈です。
テープの長さが5.0mのラインナップのみなので、その点はご注意ください。
以前にレビューした記事がありますので、興味ある方はどうぞ。
シグマストップ
特徴的な形をしており、墨出しがしやすいように置いた時に自立しやすいようになっています。


最大の特徴は、テープのロックシステム。
普通のスケールはテープを引き出して手を離すと巻き取りますが、このシグマストップは自動的にロックされます。
その後、解除ボタンを押している間だけ、テープが巻き取られる動作となっています。


この動作は結構特徴的なので最初は違和感があるかもしれませんが、慣れると意外と使い勝手が良いんですよね。
例えば片手が離せない時に顎や何かに引っ掛けてテープを出しても戻ってしまわないし、強烈に巻き取られて指を切ってしまう危険性も少ないです。
この動きは慣れれば気に入る人も多いと思います。
かく言う私も、現在使っているのがコレです。
剛厚ステン
テープ、バネ共にステンレス製なのがこの剛厚ステン。


その価格にも驚かされますが、テープもバネもステンレス製ですから、腐食には驚異的な耐性があります。
特に水場(汚い水は錆びを呼びやすい)での作業が多い配管工にとってはとても助かりますよね。
特徴的には先にご紹介した「剛厚スパコン」に似ていますが、比較すると以下のような違いがあります。
- テープがステンレス製
- 弾性樹脂に覆われているタイプがある
- ダブルマグのラインナップがある
私も少し前にこの剛厚ステンのダブルマグを使用していまして、詳細な使いごごちをレビューした記事がありますので、狙っている方は是非読んでみてください。
→タジマのスケール『剛厚セフGステンロックダブルマグ25』を徹底レビュー!
タジマのスケールで剛厚ではないシリーズ


ここまで剛厚シリーズを紹介してきましたが、テープが剛厚では無いシリーズもあります。
剛厚が注目されがちですが、現場で使うにしても何ら問題のないクオリティです。それぞれ特徴をお伝えしていきますね。
Gロック
テープのロック機能を備えたオーソドックスなシリーズですね。


弾性樹脂による本体の保護、爪部分のガード、落下防止対策は万全で、機能としては申し分ないでしょう。
丸みを帯びたフォルムが握りやすく手になじみます。
タジマのスケール使ってみようかな、という人が最初に使ってみるものとしても良いかと思います。
G3ゴールド
名前の通りゴールドを基調とし、厚めの弾性樹脂でカバーされたモデルです。


見た目がカッコいいのはもちろんですが、ボディの耐久性や持ちやすさは他のシリーズと比較しても高いレベルでしょう。
このシリーズで特徴的なのは、テープ幅が27㎜のラインナップがあること。
27㎜幅は剛厚テープなので、「剛厚+幅広」の効果で、テープの折れにくさはタジマのスケールの中で最強です。
ただし、その分大きく重くなる(+70gくらい)ので注意が必要です。
ステンロック
テープとバネがステンレス製の腐食に強いシリーズです。


ステンレスが錆に強いというのは、言うまでもないですね。水場での作業にも重宝します。
このステンロックの形が大きく3種類に分かれてまして、それが以下の3つ。
- G3ゴールドの形
- Gロックの形
- ハイロックの形
外見は大きく違いますが、中身はほぼ一緒ですから、この辺りは元々使っていた形や好みの問題になってくるでしょう。
ちなみにこのステンロックにはマグ爪のラインナップがありませんのでご注意ください。
ロックプラス
強烈な赤色のデザインが珍しいシリーズです。


テープは普通ですが、バネは腐食に強いステンレス製を採用しています。
弾性樹脂に覆われていないタイプでも爪をガードする「フックガードバンパー」がついているのが特徴的です。


機能というよりはデザインで選ばれるタイプのスケールかと思います。
その他タジマの特徴的なスケール
最後に、これまでに出てきていないシリーズで特徴的なものをご紹介します。
かなり個性の強い商品ですよ。
アルミニスト
アルミダイカストのケースに包まれた、非常に高級感のあるシリーズです。


とにかく見た目がめちゃくちゃカッコいいのですが、定価で10,000円を超すその価格にも驚かされます。
アルミだから軽いのかと思いきや、逆に他のシリーズよりは若干重たいです。
ステンレスバネを採用していて、爪にも焼が入っていますから、寿命や強度に関しては申し分ないでしょう。
マグ爪のラインナップはありません。
ハードな現場で使うのには、もったいないと感じてしまうほどの一品ですね。
スパコン
砂や水に触れることの多い、屋外現場向けに特化した機能があるシリーズです。


テープはナイロンコーティングされ、ステンレスバネを採用していますから、サビによってテープが巻き取りにくくなったり出しにくくなったりが起きにくいです。
個人的には先にご紹介した剛厚テープを採用した「剛厚スパコン」をおすすめしたいですが、重量が若干軽く金額も少しリーズナブルになっています。
長さが5.5mなのも嬉しいところですね。
今回のまとめノート


今回タジマのスケール(コンベックス)について、各機種を比較しおすすめできるポイントをお伝えしました。
現行のタジマ製品についてはほぼ網羅していますから、ぜひお気に入りの道具選びの参考にしていただければと思います。
では、良い配管工ライフを!
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