職人にとって「安全靴」はほぼ毎日履く、履き慣れた靴ですよね。
つま先の部分が先芯と呼ばれる硬い素材で守られており、靴裏も滑りにくくなっているハードな現場作業に欠かせない靴です。
この安全靴を履かないと現場に入れない(作業できない)のは職人の常識ですが、何を基準に選んでますか?
毎日のように履くものですから、それはもうこだわって選ぶかと思いきや、意外ともらったもので済ませたり、値段で選んだりしてしまう人も多いようです。
足の裏は「第2の心臓」と言われるくらい重要な部分ですし、足が気持ち悪いと作業にも集中できませんから、足に合ったものを履いた方が良いに決まっています。
そこで今回は、自分の足に合った安全靴を手に入れるための3つのポイントをご紹介します。
今まであまり気にしたことがなかった人は、この記事をきっかけにぜひ最高の1足を手に入れてください。
安全靴は必ず履いてみる
最近はネットで何でも買えるようになりましたね。
昔は服や靴を通販で買うなんて信じられませんでしたけど、私もここ数年でいくつか購入しました。
ただ、安全靴に関しては、もし通販で買うにしても、同じものを実際の店舗で必ず履いてみることをおすすめします。
なぜなら安全靴は、通勤で使ったり車の運転をしたりするだけでなく、ハードな現場で普通では考えられないような動作・負荷・衝撃が加わるものだから。
現場に出る限りは毎日履くもので、デコボコした色んなものが落ちている場所を歩いたり、重量物や鋭利な工具がぶつかったりと、その衝撃は計り知れませんね。
そんな靴ですから、靴ズレしたり先芯の部分が甲の骨に当たって痛かったりすると、気になって作業に支障が出ることもあります。
これでは、足を事故から守るはずの安全靴が事故の原因になってしまう、なんてのはおバカな話になりかねません。
もし全く同じ商品がお店になかったとしても、同じメーカーの靴を履いてみるだけでも違います。
なぜなら、メーカーによって「全体的に細身」「足先が幅広」などの特徴があり、大体の感覚は分かるから。
なので、とにかく億劫でも店舗に足を運んでくださいね。
作業区分による種類の違いを確認しておく
安全靴には実に様々なタイプがありますよね。素材の違いや丈(長さ)の違いを始め、メーカーもデザインもとても充実しています。
普通にカッコいいスニーカーとしても履けるくらい。
そんな安全靴が、作業の種類によって規格が分かれるって知ってました?
規格とは、「日本工業規格(JIS)」とJIS規格と同等の業界標準である「JSAA規格」のこと。
JIS規格では、作業を重作業・普通作業・軽作業の3つに区分しJSAA規格では普通作業・軽作業の2つに区分しています。以下のページが分かりやすくまとまっています。
で、それを踏まえて選ぶ際に重要なのは次の点です。
- 大手の現場では軽作業用は使用不可なケースが多い
- 自分がやる作業に適切なものを選択する
例えば、鉄骨屋さんは重作業ですし、私のような配管工は太物専門でなければ普通作業に入るかと思います。
自分が入る現場や作業を見直し、必要とされる種類を選択するようにしてください。
現場のルールについて
作業区分とは異なるのですが、現場によって安全靴に関するルールが決まっているケースがあります。
ルールとは例えば以下のようなこと。
- 先芯は鉄製であること
- 足袋履の禁止
- 軽作業用は禁止
- かかとが踏めるタイプは禁止
- 足カバーをしないならハイカットにする
- ソールが鉄板入り
ほとんどは普通のものを履いていれば問題ないですが、中には「買い換えなきゃダメかな?」と思うルールもあります。
例えば、ソールまで鉄板が入っている靴は多くありません。
ただ、この場合踏み抜きインソールを入れることで対処できますよ。
高いものではないので、1つ持っておいても損はないでしょう。
メーカーやデザインにこだわり過ぎない
安全靴選びに関しては、自分が今履いているものの特徴や、気に入っている点・イマイチだと思う点などを、よく覚えてくと良いと思います。
なぜなら、現状で不満がある点を補うようなものを探していけば、間違いなく最高の一足に近づくからです。
つまり、最初に履いて少し歩いてみて、その時に足に合っているというのはもちろん大事なのですが、毎日履いて色んな作業をしていると、その靴の良い点・悪い点が分かってくるということ。
そして色んなタイプの安全靴を履けば履くほど、自分の中でデータが蓄積されて行き、より良いものが感覚的に分かってくるのです。
誰しも身に覚えがあると思うのですが、靴って実際に買って使ってみたらちょっと足が痛くなったとか、長く履くことで足に馴染んできたってことがありませんか?
やはり、完全に自分の足に合っているかを見極めるには、ある程度の期間、作業で履いてみるしかないんですよね。
なので、メーカーやデザインにこだわり過ぎず、出来る限り多くのタイプを試すことをおすすめします。
次々に買い替えるのではなく履き潰しましょう。
ちなみに私は、かなりの数を試した結果、「アシックスのローカット・メッシュタイプ・マジックテープ」が1番のお気に入りです。
価格が高い以外は何も不満は無く、もう5年くらいこれしか履いていません。
まとめ
安全靴が足に合っているかどうかは、実際に履いてみることでしか確認できません。
長く履くことで足に馴染んでくることもあるので、そう簡単ではないかもしれませんが、このページのポイントを気にしていれば必ず最高の一足を選ぶことができますよ。
- 必ず履いてみる
- 作業区分による種類の違いを確認しておく
- メーカーやデザインにこだわりすぎない
では、良い配管工ライフを!
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