【配管を固定する支持金物】バンド類からビスやアンカーまでを全網羅!

配管は、継手とパイプだけあればできるものではなく、どんな時でも「支持金物による固定」が必要になってきます。

接続された配管がなんの支持もなく存在しているというのは、まずあり得ないことなのです。

 

そんな配管に必須の支持金物について、今回は総合的にまとめます

バンド類からそれらを止めるビスやアンカーまでを網羅しますので、施工時の参考にしてください。

 

配管の固定に必須な支持金物

配管では継手と管を接続するだけでなく、支持金物で固定することも大事な作業の一つです。

これは冒頭でお伝えした通りですが、もう少し細かく言うと、以下のような理由。

  • ただ繋いだだけでは、配管自体の重みや重力でその形を維持できない
  • 水が流れただけで動いてしまう
  • 排水のための勾配を確保することは不可能
  • 地震などの揺れに対応できない
  • 器具付けの時に器具の位置が決まらない、うまく接続できない

 

まあとにかく直感的に分かるかもしれませんが、支持がしっかりしていないと、配管というのは成り立たないんですね。

というわけで、次章から具体的な支持金物をご紹介していきます。

天井配管には必須「吊りバンド」

天井に配管を吊るためのバンドです。

建設現場ではメインで使うバンドですが、DIYや住戸内では使う機会は少ないでしょう。

 

なぜなら、給水管・排水管ともに床下に収まっていることがほとんどだから。

もしくは階数のある集合住宅では、排水管は下階の天井内ということも多いですから、改修することが難しいのです。

他人の家(下階)に入って天井を壊して配管なんて、普通はできませんからね。

 

取付けには、主にショートアンカー(後述)を天井に打って、そこから全ねじをぶら下げて固定します。

こんな感じです。

 

ショートアンカーは躯体(コンクリート)面に潜り込むため分かりにくいですが、写真の吊りバンドは全てアンカーから吊られています。

他にも吊り方は色々ありますので、下の関連記事から確認してみてください。

 

転がし配管に便利な「レベルバンド」

床面に少しの空間を開けつつ、這うような配管(転がし配管)の際に、配管を乗っけて固定するタイプのバンドです。

特に排水配管に必要な勾配をつけることができるので便利です。

 

両サイドのネジになっている棒(全ネジと呼ぶ)の長さと、上下のナットによって高さを調節できる仕組みです。

そして土台の左右の小さな穴にビスを打って固定します。

 

全ねじを交換することもできるため高さに上限はありませんが、さすがに200㎜を超えると強度が下がるのでおすすめはできません。

竪管の支持に「立てバンド」

その名の通り、配管を立てるようなルートの時によく利用します。

単体で使うことはできず、後ほど紹介するT字脚や羽子板を使って固定します。以下のような感じです。

※写真は「1つ穴」を使っています。こういうタイプもありますが強度は落ちます。

 

私たちの現場では、基本的に3分(「さんぶ」と読み、約10㎝の長さを指す)の雌ねじになっているアンカー(つまりショートアンカー)を打ち、そこに羽子板をねじ込んで固定します。

羽子板のねじ部分を好みの長さに切って使えますし、強度もありますからね。

床や壁を這うように固定できる「サドルバンド」

床や壁面に密着して這うように固定できるのがサドルバンドです。

両サイドの穴にビスを打って固定します。こんな感じです。

 

床や壁面に沿っているため、コンパクトにできるのが大きな利点。

高さの取れない床下や壁の中での配管に適していますし、バンド単体(全ねじやT字足がいらない)で固定できるのはメリットですね

 

出番が多いのは勾配を気にしない給水配管の方です。

振れ止めなど鋼材を使って固定「Uボルト・Uバンド」

アングル材(断面がLの字になっている鋼材)やハヤウマ(アングルに穴があいているもの)などに固定して使います。

以下のように色んなバリエーションがあります。

 

そもそもアングルやCチャンなどの鋼材をコンクリート面などに固定しなければならないため、DIYで使う機会は少ないかもしれません。

しかもハヤウマは元々穴があいているので良いですが、アングル材はパンチャーやドリルを使い自力で穴をあける必要がありますから、個人宅では現実的ではないでしょう。

以下のようなものがハヤウマです。

 

もちろん、現場では頻繁に使いますよ。

現場では主に、「振れ止め」と呼ばれる配管を揺れないようにするための固定や、竪管の固定、高さのある転がし配管などに使用されます。

鋼材を使った配管支持の材料・道具・レパートリーのまとめ

T字脚・羽子板

T字脚はその名の通りTを反対にしたような形をしていて、先に紹介した立てバンドを取付けて固定します。

脚の部分の2箇所にビスを打って固定します。以下のような感じです。

 

高さが50㎜や100㎜など種類があるので、必要に応じて使い分けることができます。

これがT字になっておらず、羽子板をねじ込めるようになっているのが、ねじ込みT字脚。

 

本体をビスで取付け、そこに羽子板をねじ込んで固定します。

使用するバンドはやはり立てバンド。

 

羽子板(ターボ羽子板とも)はねじ部の長さに種類があるので、壁や床からの距離に応じて切断してねじ込みます。

ポイントは単にねじ込むだけでなくナットを1つ入れてあげること。これによって、より強固に固定することができますよ。

竪管の落下を防止「床バンド」

竪管のスラブ(上下階を隔てる躯体)貫通部に、スラブに密着するように取付けます。

これにより、竪管の荷重を支え、落下も防止することができます。

 

スラブ貫通部は通常モルタルによる穴埋めをするため、不要とされるケースもありますが、穴埋めを待たずに配管を伸ばしていくようなケースでは取付けた方が安全でしょう。

後から穴埋めをする際は、邪魔になるので一旦外した方が良いですよ。

配管の固定に使うビス

T字脚やサドルバンドの固定にはビスを使います。

使用するのは太さ4×長さ2532㎜くらいが一般的。

 

取付け面が木ならば木ビスやコーススレッドと呼ばれるタイプ、金属板ならドリルビスやテックスビスと呼ばれるタイプを使います。

 

また、コンクリートの場合はコンクリートビスを使いますが、これには下穴をあける必要があります。

 

具体的なビスの打ち方につきましては、それだけでもマニュアルが1つ書けてしまいますのでここでは割愛させていただきますが、以下の記事に詳しくまとめてありますよ。

参考:【保存版】壁にビスを効かすための全手順!コンクリート・木・ボード対応

アンカー類(コンクリート・石膏ボード)

床や壁がコンクリートなら、アンカーを打って支持金物を固定する場合が多いです。

なぜなら、アンカーでないと配管を固定するための強度を得られないことがほとんどだから。

 

また、石膏ボードは脆いので、専用のボードアンカーを使用します。

どちらも基本的には下穴をあけて打ち込むのですが、コンクリートは硬いのでハンマードリル(もしくは振動ドリル)が必要になります。

 

ショートアンカー(3分)

全ねじや羽子板をそのままねじ込める、雌ねじのアンカーです。

ハンマードリルとキリ(ビット)さえあれば、施工はさほど難しくありません。

穴あけ時に粉塵が出るので、保護具の着用と必要に応じて養生をしてくださいね。

 

オールアンカー

雄ねじタイプのアンカーで、鋼材を固定するのが主な使用用途です。

下穴をあけた後に本体を挿し込み、頭のピンを叩き入れることで打設が完了します。

その後、ナットで鋼材を締付けて固定するのです。

 

ポイントとしては、ピンを叩き入れる時に真っ直ぐ打ち込むこと

途中でピンが曲がって最後まで入らなければ、規程の強度を得られません

 

また、間違って打ってしまった場合に、雄ねじの部分が出てしまうので、ハンマーで何回も叩いて折ったりサンダーで切断するなどの処置が必要になるかもしれません。

参考:オールアンカー打ち込み5倍速!

 

QCアンカー(雄ねじアンカー)

重量のある配管を吊るような場合に多く使用されるのがQCアンカーです。

下穴をあけた後に挿入し、インパクトのソケットビットやラチェットレンチを使用して六角部を締付けていきます。

すると写真左部の小さくくびれた六角部が折れるので、それが打設完了の目印です。

 

ハンマードリル以外にもインパクトドライバーを使うので、施工としては少し面倒ですが、強度面では信頼がありますから施工の機会は多いでしょう

中にはアンカーは全てQCという現場もあるくらいですから。

 

アリゲーター

ボードにあらかじめ仕込んでおくことで、ビスの強度を確保するボードアンカーです。

こちらはインパクトドライバー(もしくはドリルドライバー)で施工が可能です。

ボードは柔らかいので、やろうと思えば手作業でもできますよ。

 

今回は私がアリゲーターを気に入っているので紹介しましたが、別のボードアンカーじゃダメというわけではないので、色々と探してみてください。

今回のまとめノート

配管は接続して終わりではなく、支持金物による固定も大事な仕事です。

今回はバンド類だけでなく、固定に使えるビスやアンカーまでを網羅してお伝えしました。

 

「支持をしない配管は無い」と言っても過言ではありませんから、基礎知識として頭に入れておいてください

では、良い配管工ライフを!

 

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