天井配管においては、吊りピッチが重要になってきます。
適切な位置で吊りが確保できていないと、配管がしにくいだけでなく、強度が確保できず、最悪の場合配管のたわみ・変形・脱落などが起こってしまいます。
具体的な基準
基本的な吊りピッチは、現場によって決まっている事がほとんどですが、公共工事の基準は厳しいですから、それを満たしていればまず間違いはないでしょう。
以下の表は、公共工事の仕様書より抜粋したものです。
※公共建築改修工事標準仕様書(機械設備工事編)より抜粋(P.41付近)
継手近辺の吊り
直線部の吊りピッチは良いとして、注意が必要なのは継手近辺の支持です。
現場によっては、継手から300㎜以内など明確なルールがあるケースもありあますが、ほとんどの場合、施工する人に委ねられています。
つまり、継手近辺の支持に関しては施工する人のセンスと力量が問われるわけです。
ではどのような位置に取るか
感覚的な話にはなってしまいますが、13A〜65Aは継手の端から100㎜〜150㎜程度、75A〜200Aは150㎜〜300㎜程度かと思います。
☑継手が近いケース
継手間の距離が近い場合には、中央にしたり、配管方向に見て継手の手前に取れなければ直後にするなどの対応も必要になってきます。
継手に近い方が良いと言うのは事実ですが、のり付けや締め込みの邪魔になってはいけませんので、その点は使用する継手を考慮して位置を決定します。
☑イレギュラー対応
それから、天井の形状や他の配管などとの絡みで、配管の直上から吊れないと言う事も少なからず発生します。そのような時には、あまり考えすぎず少しずらした位置から全ねじを曲げて吊れば大丈夫です。
※あくまでも吊りが確保出来ているという事であり、横方向の力が加わったりする可能性もありますから、振れ止めなどの処理は適切に行う事が前提となります。
このように、配管の支持と言うのは、吊りの位置一つとってもとても奥が深いです。現場経験を重ね、時間をかける事なく適切な吊りの位置を判断できるようになりたいですね!
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継手近辺の支持に注意が必要な理由は何なのでしょうか。
前田さん、コメントをありがとうございます。
継手近辺には吊りピッチに関係なく指示が必要ですよね。
例えば、場合によっては以下のような注意が必要になってきます。
・継手から〇〇㎜以内とシビアに指定される現場
・真上に障害物があればネグロスや鋼材を使うなどの対応が出てくる
・施工(接続)の邪魔にならない位置にする
これらを考えて吊らなければならないため、注意が必要とさせていただきました。
よろしくお願いします。
ご返信ありがとうございます。
継手近辺に支持が必要な理由も教えていただけますか。
ど素人ですみません。
前田さん、コメントをありがとうございます。
継手近辺に支持をとる理由は主に以下の3つです。
1.継手の重量を支える
2.配管に荷重がかかった時に継手で回ってしまわないようにする
3.配管をしやすくする
継手近辺に支持がない状態での配管はかなり厳しいものになります。
また、ねじ込み配管で継手近辺に支持がなければ、人が負荷を掛けたり配管の重みでネジが回ってしまうこともあり得ます。
宜しくお願いします。
土中埋設給水排水配管での吊り金物支持は全て必要ですか。
小坂定さん、コメントをありがとうございます。
土中埋設配管の吊り金物支持ですか?
結論としましては「状況による」だと思います。
例えば、1階の軒下を雨水配管やドレン配管が横引いて行くなら、まず配管を軒下に吊り込んだ後に埋設という流れになるるかと思います。
他には私が経験したケースですと、ピット内の埋設配管で、吊りバンドをちょうど1階の土間コンを打った時に全ネジの先端が埋まるように仕込む、ということもありました。
ただ、基本的に外溝では吊り支持などしようがありませんから、必須ということは無いと思います。
以上です。
的を得た回答でなかったら申し訳ありません。
よろしくお願い致します。