蛇口からの水量・水圧が弱い場合に確認すべきこと大全集

改修工事の通水時や器具交換した後に、水圧が弱いとか水量が少ないと感じる(お客さんからクレームが入る)ことはありませんか??

新築工事ではしっかりと水量計算を行いますし、全てがピカピカの新品のはずですから稀なこと。

 

ですが、改修工事となると20戸に1戸くらいはそんなケースが出てきます。何棟もある団地などになれば、それだけ数も増えてくるもの。

ただ、水圧が弱い・水量が少ないということの原因は、実はほぼ決まりきってきます。ですから、簡単なことから順に確認していけば良いということ。

 

今回は、そのための具体的な確認内容を網羅しますので、ぜひ参考にしてください!

 

蛇口からの水量・水圧についての基本的な確認

まずは、しのごの言う前に確認したい基本的な内容です。

特別な工具を使うわけでもなく、目視やちょっとした調整で確認できるレベルのもの。簡単な順に挙げていきますね。

 

他の器具の確認

まず最初に何が問題かを判断するために、他の器具(蛇口)についても水を出して確認を行います。

全ての器具で水量がなければ、元の水圧が弱いことや配管径が足りないなどの問題が考えられます。

 

逆に特定の器具だけなら、その器具がどこかしら悪いということになりますね。

 

メーターバルブの確認

ごく稀に、メーターバルブをわざと絞って流量を抑えていることがあります。

この考えられる理由としては、止水栓の無い器具があり、メーターバルブを全開にすると水圧が強すぎるケースなど。

 

その場合は、他の器具との兼ね合いを見たり、止水栓で調整したりしながら可能な限りバルブを開いてあげましょう。

 

止水栓の調整

まさかそんな単純なこと!? と思うかもしれませんが、止水栓がほとんど閉じていたなんてこともあり得ます。最初に確認しましょう。

もし、止水栓が硬くて回らないことで調整できないケースがあれば、以下の記事が参考になりますよ。

参考:止水栓が硬くて回らない場合の対処方法

 

ホースの折れなどがないか

洗面台や台所の蛇口は、配管とホースで繋がっているケースが多いです(下写真)。ホースは接続が簡単な反面、無理な角度だと折れてしまうことも

折れていると当然のことながら、水は正常に出ません。

蛇口の「つまり」が悪さしている場合

水の出が悪くなる原因第1位と言っても過言ではないくらい多いのが、「ストレーナーのつまり」です。

ストレーナーの形状は、器具や蛇口の種類によって様々ですが、作りは同じで網目状のフィルターがゴミを取り除く仕組みになっています

 

このフィルターの目づまりが水量に影響を及ぼすことになり、その要因として主に以下の3つが考えらます。

 

  1. 長期間の使用
  2. 改修工事の影響
  3. 地震や他の工事

 

順に説明していきますね。

 

長期間の使用

チリも積もれば山となる、「500円玉もコレに貯めればいつかは100万円になる!笑」というコトワザがあるように、長年使えば小さなゴミも溜まりに溜まってフィルターをつまらせます

5年では微妙なところですが、10年も使うと結構つまると思います。

 

改修工事の影響

配管を更新する改修工事においては、少なからず新規配管にゴミが入りますから、必ずフラッシング(ゴミを流すため十分に水を出す)をしなければなりません

コレを怠ると、まったくつまり無く通水を終えられることはありません。特にトイレのフラッシュや流しの泡沫などはすぐつまりますね。

 

地震や他の工事

大きな地震や本管の移設などの影響を受けることがあります。そのほとんどは泥や砂・サビです。

ちょうど今現在、私の家の近所で地盤対策工事の一環で給水管の移設(交換)を行なっており、水道水にサビが混じることがあります。下写真の通り、なかなかイカツイ量のサビです。



その他特殊なケース

ここからは少し特殊なケースをご紹介します。特殊ということで、イレギュラーパターンだと思ってください。

ですから、最初に確認して潰してしまうのもアリです。

 

海外製の“オシャレな”蛇口を使っているケース

「Made in Japan」の大手メーカー製であれば、日本の規格に合っていますから、器具自体の作りが問題になることはほとんどありません。

しかし海外製となると、そうはいきません。正直、なんじゃこりゃというものも多いです。例えば以下。

※水栓以外の情報は隠しています

 

確かに独特のデザインでおしゃれだとは思います。が、全開にしてもペヤングの湯ぎりくらいしか水量が出ません・・・

この時メーカーに電話で確認したところ、「元の水圧が弱いとのではないか」という回答しか得られませんでした。

 

「そもそも接続のホースが外径で8㎜程度しかなくて、日本製の2倍くらい長いしコレのせいだろ」と思いながらもどうにもできなかったわけです。

お客さんにはこの蛇口をまともに使うならメーターシャフトに加圧ポンプを入れるしかないと説明しました。(だって他の器具からは普通の水量で出るんですから)

 

メーターバルブにゴミがかんでいるケース

メーターバルブがゲートバルブの場合は、1度閉めて再度開ける時にゴミがかむことがあります

このゴミを取り除くにはあまり有効な手立てがなく、外からバルブを軽くコンコン叩くくらいしかできません(もしくは数回開け閉めする)。

 

ですが、それでほとんど解決しますし、現に私も数回現象に出くわしましたが、叩けば大丈夫でした。

大事なのは、“各器具の水量が総じて弱い”場合に、この可能性に気付けるかだと思います。



今回のまとめノート

蛇口から出る水の水圧や水量が少ないという現象は、ある程度配管工をやっている方なら1度は経験したことがあるはず。

その原因となることは、ほとんどが決まりきった内容ですから、この記事の内容を頭に入れておいていただければ、いざこの現象に遭遇した時に迅速な対応ができます。

 

逆にこの記事の内容で解決できなければ、大掛かりな改善が必要になると思われます。(メーターシャフトに小型の増圧ポンプを設置するなど)

ぜひ日々の作業に役立てていただければありがたいです。

では、良い配管工ライフを!

→コスパ最強!オンラインで1番売れているグリーンレーザーとは?

 

Twitterでもコアな情報発信しています。フォローしてもらえると泣いて喜びます!

 

5 件のコメント

  • いつも楽しく拝見してます。
    同業ではないですが、似たような仕事なので、
    勉強になります。
    ブログ続けて下さい。

    • だいすけさん、コメントをありがとうございます!
      とても嬉しいです。私もまだまだ勉強の毎日です。
      これからも、より良い情報発信に努めます。

  • こんばんは!新築の現場をまとめてやっていて器具付け待ちなのですが水圧テストは終わっているのですがまだ通水が出来てない状況なんです。。フラッシングの良い方法教えてください泣

    • マリオさん、いつもコメントをありがとうございます!
      器具付け待ちということは、部屋内の配管のフラッシングですね。もしメーターの一次側まで水が来ているのであれば、よくやるのは代用管を入れてどこかの末端からフラッシングする方法です。
      末端はどこでも良いのですが、長めのフレキやホースを繋いで、ベランダや共用廊下に流します。
      もし水が来ていないとなると厳しいので、例えば器具をつけ終わった後に洗面など1番当たり障りのない器具から、じゃんじゃん水を出すというのはたまにやります。
      竪管のフラッシングをしてあれば、そこまで大きなゴミは無いはずです。
      よろしくお願いします。

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です