部屋内の改修工事をやっていると、「止水栓が固くて回らない!」ということがありませんか?
古いマンションや団地の場合には、かなりの確率で止水栓が回らないことがあります。特にマイナスを使って回すタイプに多いです。
このタイプは力まかせに回そうとすると、マイナスの部分が欠けてどうにもならなくなってしまうことがありますから、注意が必要です。
そこで今回は、止水栓が固くて回らない! という場合に、どのように対処すれば良いかをまとめます。
このページの内容を把握していただけば、“完全に壊れている止水栓”以外は回すことができるようになります。
では順番に見ていきましょう。
ハンドルがあるタイプの止水栓
洗面台や流しに多く採用されている、蛇口と同じハンドルがついているタイプの止水栓です。
このタイプはハンドルがありますから、いくら固くなってもほとんどの場合は思いっきり回せばなんとかなります。
ごく稀にびくともしない時がありますが、その場合はグランドを緩めて(または完全に外して)回るかを確認しましょう。
その際に三角パッキンやコマパッキンの状態を確認し、傷んでいるようなら交換した方が良いです。
もしグランドから完全に外す場合には、メーターから水を止めての作業となりますので、以下リンクの「メーターから水を止めることについて」をよく確認しましょう。
マイナスタイプ(回す部分が出っ張っている)の止水栓
トイレに多く見られるのが、回す部分が出っ張っているマイナスタイプの止水栓です。
回す部分がつかめる(上写真のマイナス部分)ことから、マイナス以外の道具でも回すことができます。例えばプライヤー(カラス)やペンチ類など。
ただ、プライヤーなどでつかむとメッキに傷がつきますから、ウエスを当ててつかんだり、下製品のようなつかみが傷つかない形状になっているものを使ったりすると良いでしょう。
プライヤーを使って1度回すことができれば、後はマイナスで回すことができるようになりますよ。
マイナスの使い方について
マイナスで回すタイプ共通の内容として、回す道具の種類と使い方についてまとめておきます。ご紹介するのは以下の4つ。
- グリップのいいマイナスドライバー
- 水栓ドライバー
- ウォーターポンププライヤー(カラス)の持ち手部分
- 止水栓回し(オマケ)
グリップの良いマイナスドライバー
一口にグリップが良いと言っても難しいですが、VESSEL製のボールグリップはオススメです。
持ち手側の部分をグッと押しながら回すと、しっかりと力を入れることができます。
持ち手のグリップが良ければ他の製品でも問題ないですが、長さが150㎜以上のものや、先端が薄いものは止水栓を回すのには不向きです。
水栓ドライバー
先ほどご紹介した普通のドライバーとは異なり、先端が幅広になっている特殊な形状のドライバーです。
その特殊な形状から、この後ご紹介するマイナス部分が凹むタイプや樹脂のタイプにも使うことができます。
長さが2種類あるのですが、先端が見えやすい長いタイプがおすすめです。
ウォーターポンププライヤーの持ち手部分
持ち手の先端がマイナスになっているプライヤーを使うこともできます。
普通のマイナスドライバーよりも若干幅広になっています。力の入れ方が難しいので、どうしてもマイナスドライバーがない場合などに使いましょう。
止水栓回し
よく蛇口の取説にオマケとして付いているものです。
コンパクトなのでポケットなどに忍ばせて簡単に持ち運びできる点は便利です。
ただし、お察しの通り力は入りませんから、先端を押し付けておいてモンキーで回したり、プライヤーでつかんで回したりと工夫が必要です。
マイナスタイプ(回す部分がへこむ)の止水栓
今回1番お伝えしたかったのがこのタイプです。その理由は以下になります。
- マイナスの部分が1番回しにくいこと
奥に入り込んでいるため、幅狭(オーソドックスな幅)のものでしか操作することができません。 - ストレーナーが付いていてつまりやすいこと
水道水の不純物を取り除く役割があります。長年使っていれば当然つまってきますから、掃除する必要があります。
シャワー水栓にはほとんどこのタイプが付いていますから、どの家にも1つはあるということになります。
もし固くて回せないときは以下の順番で確認していきましょう。
①「マイナスの使い方について」の通りに道具を使いましょう
②ストレーナーを外して掃除しましょう
ストレーナーの掃除方法
蛇口の種類によって違いはあるものの、仕組みとしてはほとんど同じですので、掃除方法の一例をまとめておきます。
写真を見て分かるように、ストレーナー部分もマイナスの形状をしており、ここを回すことで取り外せます。
ただ、止水栓部分と溝を合わせる必要があり、今回は止水栓が回らないことが前提ですから、よほどの偶然でもない限り溝は合わせられません。
そこで、出っ張っている止水栓と同様に、ウォーターポンププライヤーを使ってつかんで回すことができます。この場合も傷には注意してください。
外すと以下のようになっています。明らかにつまっていることが分かります。
大きなゴミを取り除けば分解ができますから、さらに細かいゴミも取り除きましょう。
綺麗になれば、間違いなく止水栓はスムーズに回ります。
ストレーナーを外す際はメーターから水を止める必要があることを忘れないようにしましょうね。
マイナスタイプ(回す部分が樹脂)の止水栓
マイナスタイプの中でも特殊なものとして、回す部分が樹脂になっているものもあります。
そしてこのタイプはマイナス部分が大きくなっています。
樹脂はそこまで固くなることはありませんが、性質上“柔らかい”ですから、ちょっとした力で欠けてしまいます。
ですから、先にご紹介した水栓ドライバーのように先端が幅広なものを使いましょう。
今回のまとめノート
古い止水栓は水に含まれる不純物などが原因で、固くなり回らなくなることがあります。
その時に無理な力をかけてハンドル(マイナス)部分を壊してしまったら、取り返しのつかないことに。
このページの内容を試していただけば、そんな固い止水栓も回せるようになるはずです。
改修工事では固い止水栓に遭遇することも多いですから、ぜひ参考にしていただけるとありがたいです。
では、良い配管工ライフを!
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