職人のように肉体労働をする人の体で、一般の人と明らかに違う部位はどこでしょうか?
業種によっても違うとは思いますが、やはり腕周り(特に前腕)だと思います。
私も配管工を始めてから久々に友人に会うと、「あれっ? お前なんか腕めっちゃ太くなったな」と言われることがあります。
業種にもよりますが、職人は手を本当によく使いますから当たり前かもしれませんね。
そしてこの前腕の筋肉こそが、実は疲れにくい体を作るためのヒントとなっているのです。
と言うのも、前腕をよく見てみると細い筋肉が多く脂肪が少ないと思いませんか?
前腕は作業中フル稼働していますから、ちょっとやそっとで疲れていては使い物になりません。
そこで、疲れにくい持久力のある筋肉、いわゆる遅筋という細い筋肉が多いのです。
逆に持久力はないけれどパワーの大きく太い筋肉が速筋と呼ばれます。
前置きが長くなりましたが、今回はこの速筋と遅筋について「疲れにくい体をつくるにはどちらの筋肉が重要か?」という点について考えてみます。
疲れにくい体を作るには「遅筋」が重要
結論を言いますと、疲れにくい体を作るのに重要なのは「遅筋」です。
ただし、速筋とのバランスは重要で、この点については3章で詳しくお話します。
遅筋は筋繊維は細いですが、持久力があります。
例えばマラソン選手が細くてガリガリに見えるのは、脂肪が少ない上に遅筋が多い体質(そして持久力がある)だからですね。
逆に短距離選手は筋骨隆々で、筋繊維の太い速筋が多いのが分かります。
つまり、「疲れにくい」という視点で考えると、持久力のある遅筋が重要だということ。
考えてみれば、日常生活で頻繁に使う筋肉は、特に意識しなくても遅筋が多くなっていますよね。
例えば冒頭で挙げた前腕、上腕二頭筋(力こぶ)、首回りなど。
そして遅筋は意識的に鍛えることができますから、トレーニングによって疲れにくい筋肉、体にしていくことも可能なのです。
鍛え方については3章で触れたいと思います。
肉体労働でも爆発的なパワーを使う作業はそんなにない
遅筋が重要とはいえ、速筋を軽視していいわけでわなく、バランスが大事です。
そこで、私のような配管工に関して、速筋を使いそうな作業つまり、1発の爆発的なパワーを使う瞬間を考えてみました。
すると、正直なところあまり思いつきません・・・
配管に関して言えば、接続時に一瞬配管をあおっておくとか、のり付けが入らない時に押すとか、重い管を持ち上げる時くらいしかありません。
そしてパワーはあるに越したことはないものの、どちらかといえば道具をうまく使い、力を最大限に引き出す方が重要です。
日々行う作業というのは、荷揚げ・ねじ込み・配管加工など同じ作業を淡々とこなすことの方が多いもの。
1人で持てないモノは2人で持てばいいし、人が持てないモノは機械を使うのです。
むしろそうしないと怪我や事故につながってしまいます。
そういった意味でも、爆発的な力よりも連続して作業をこなせる遅筋に軍配があがります。
遅筋の鍛え方とバランスの問題
どちらかといえば遅筋の方が使うということは、トレーニングするなら遅筋に効く方法で行う必要があります。
鉄則は「低負荷 × 高回数」です。
器具でも自重でも、同じ動作を20回以上はこなせる程度の負荷で行うわけです。
余計な(見た目重視)筋肉をつけないためには自重を使ったトレーニングで十分効果はありますし、肉体労働を毎日やっていれば、自然に必要な筋肉はついてしまいますね。
タイトルで「肉体労働が最強」と言っているのはそれが理由です。
何せ毎日“疲れる仕事”をこなしているわけで、デスクワーカーに比べると500Kcal以上消費カロリーが多いと言われていますから。
自重とマシン
自重トレーニングは、腕立て伏せ・上体起こし(腹筋)・懸垂・スクワットなど気軽にできるものが多い反面、負荷を変えにくい・腰痛や膝痛をかかえてる人には動作がキツいなどのデメリットもあります。
簡単に取り入れることができますが、筋肉を意識するのが難しいのも事実です。
その点、ジムのマシンやダンベルなどのウエイトを使えば、負荷を自由に変えられ、腕や脚を片方ずつ鍛えることもできます。
もちろん、ジムに行ったり自宅に器具を置いたりしなきゃなりませんが、ダンベル1つでも有ればトレーニングの幅は広がります。
どちらが正解とかではありませんので、この辺りは自分の好きな方を選べば良いでしょう。
速筋と遅筋のバランスとは
一口に「バランス」と言っても非常に曖昧で分かりにくいですが、具体的に心掛けたい点は1つです。
それは、大事なのは見た目ではないということ。
速筋は太いので、鍛えれば見た目的にはメリハリがついてカッコイイ体つきになります。
大きい筋肉は代謝を上げて太りにくい体になるなどのメリットもあります。
ただ、大きい筋肉はそれだけでパワーを消費しますから、その分燃料を補給してあげないと枯渇してしまいます。アメ車のようなものです。
また、私のような配管工だと、狭小箇所での作業にも支障をきたす可能性もあります。
もちろんパワーがあれば、作業中にもいざという時に踏ん張りが効きますから、不要というわけではないですよ。
見た目を重視せず、持久力をつけるのが求められるバランスだと言うことです。
肥満は百害あって一利なし
疲れにくい体を作るために、いくら遅筋を意識してトレーニングに励んだとしても、全く意味をなさないケースがあります。
その原因は「肥満」です。つまりデブじゃダメだということ。
なぜなら、余計な脂肪は体重を増加させるのでその分疲れますし、内蔵にもかなりの負担がかかっていると思われるから。
ちょっとイメージしてみてください。
肥満(太っている)人って、すごく汗をかいていたり、ちょっと階段を昇っただけでぜーぜーはーはー言ってませんか?
もしくは、毎日10Kgのウエイトスーツを身につけて仕事をしてたら、超疲れますよね?
実際、肥満てそういうことです。
太っていればそれだけで疲れると思ってください。
なのでもし肥満の自覚がある方は、まずは体脂肪率を下げることを優先した方が良いかもしれませんよ。
参考:【腹筋を割る方法の全て】誰でも100%腹筋が割れる4つのステップ
今回のまとめノート
今回は疲れにくい体を作るためには、速筋と遅筋のどちらが重要か?という点についてお伝えしました。
1日作業しても疲れにくい体を作るという点については「遅筋」を鍛えるべきです。
もちろん速筋もバランス良く鍛えた方がパフォーマンスは期待できますよ。
では、良い配管工ライフを!
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