ある程度規模の大きな建物になると、外壁がALCパネルの場合があります。倉庫や工場、ショッピングモールなどに多いです。
ALCは軽量で断熱性が良い上に加工が容易であるため、使い勝手が良いのだと思います。
外壁や間仕切りにALCが使用されているということは、配管時にも少なからず穴あけや器具の設置、支持金物取付などの作業が発生するということ。
そこで、ALCへの穴あけ・指示金物の取付け・穴埋めと補修について、簡単にまとめておきたいと思います。
ALCへの穴あけ
ALCは比較的柔らかい素材ですし、専用のホルソーもありますので、穴あけに関してはさほど苦労することはありません。
以下の記事にて、ALC用を含めた様々なホルソーを紹介していますので、参考にしてみてください。
冒頭写真のように、100㎜間隔などで鉄筋(2分程の柔らかいもの)が入っているのですが、ホルソーでそのまま切断することが出来ます。
※基本的に鉄筋の切断は強度が落ちるためNGですので、やむを得ない場合です。
また、石膏ボードと同様に穴あけ時の粉塵がかなり出ますので、穴あけの際には養生やマスクの着用を徹底しましょう。
参考までに、80㎜の穴があけられてハンマードリルで使用できるタイプ(SDSシャンク)をご紹介しておきます。
高価なものですので、よほど頻繁にALCに穴あけする方以外はコンクリート用と兼用で良いかと思います。
ALCへの器具・支持金物の取付け
ALC面に器具や支持金物を取付ける際には、アンカーを打つか専用のビスを使用することがほとんどです。
そのまま打ち込めるタイプや下穴をあけるタイプなど、いくつかご紹介しておきますね。
トリオン
金属製のアンカーで、ハンマーで打ち込むだけで施工が完了する、施工性に優れたALC用のアンカーです。
3分の雌ネジになっていますので、全ネジやボルトを使って固定できます。
施工の際に気をつけていただきたいのは、古いALC面だとハンマーの衝撃によって全く関係のない部分が壊れてしまう可能性があるということ。
施工は楽ですが、ALCの状態を見極めて使ってください。
ALCプラアンカー
下穴をあけて打ち込んで使用する樹脂製のアンカーです。
トリオンに比べると一手間かかりますが、ALC面に大きな衝撃を与えることなくしっかりと固定することができます。
樹脂製なので腐食に強いというメリットもありますね。
ALC用ビス
ALCはコンクリートに比べると柔らかく脆いですので、専用のビスを使った方が良いです。
木用やコンクリート用などと同じく、太さや長さに種類がありますから、取付けるものに応じて選択しましょう。
入りきった後に回し続けてしまうとALCが削れて効かなくなってしまいますので注意してください。
他にもALC用のアンカーは様々な種類がありますが、コンクリート面と比較すると強度は明らかに弱いので、支持方法やピッチをよく検討した施工を行ってくださいね。
ALCの穴埋めと補修
ALCに関しては、配管貫通部の穴埋めや補修については、専用のものを使用します。
普通のモルタルが絶対にNGというわけではありませんが、質感も材質も全く違ってきますから、できるだけ専用のものを使いましょう。
施工要領はドライモルタルなどと変わらず、水を加えて練るだけ。
モルタルに比べると若干パサつきを感じるかもしれませんので、バックアップ材や複数回に分けて埋めるなどの処置が必要かもしれません。
今回のまとめノート
ALCは商業施設や大規模な倉庫などを初め、戸建ての壁や床などにも幅広く使用されています。
ですので、配管においても穴あけや固定をする機会が意外と多いのです。
施工時にはぜひ今回の記事を参考にしてみてくださいね。
では、良い配管工ライフを!
はじめまして。ALCの貫通穴補修を検討しております。
そしてこのブログをみつけました。
店舗退去後のALC100mmの換気口穴を塞ぎたいです。
私は素人なので業者への依頼を考えてます。
業者は、左官屋さん、塗装屋さんなどのどの業者さんに依頼すればよろしいでしょうか?
誠さん、ご質問ありがとうございます。
100mmとなると結構大きいですね・・・
結論から言いますと「左官屋さん」になるかと思います。
念のため専用の補修材で埋めてもらうようお願いしておいた方が良いと思います。
ただ、もし他の工事もあり付随作業としてやってもらうなら良いのですが、それだけの為にお願いするとなると、少々割高になってしまいます。
(知り合いの職人さんでもいれば別ですが)
それから、埋めた跡は必ず残りますので、露出箇所で綺麗に仕上げたい場合には、やはり別途塗装の必要があるでしょう。
個人的には、“埋まっていればよい”のであれば、自分でやることをお勧めします。
必要なのはALC補修材・バケツ・左官ゴテ・オカメ・バックアップ材で、ホームセンターで全て揃います。
ポイントとしては、“ラス網”と言われるバックアップ材を中に入れ、少し硬めに練った補修材を中の下の方から何度かに分けて埋めることです。
(1度に埋めようとすると補修材自体の重さで崩れてきます)
最後は左官ゴテで擦りつければ素人でもそれなりに仕上がります。
参考になれば幸いです。
上記記載の オカメってなんですか? グーグルで調べてもでてきません。
よろしくお願いします。
材料を鏝に移すおかめ面状の物
又はオカメ鏝=煉瓦鏝だと思います。
OKAYANさん、コメントをありがとうございます。
煉瓦鏝!そうですね!
情報をありがとうございます。
私たちの仲間内ではみんな「オカメ」としか言いませんが、
それが正式名称ですね。
ALC工法の住居なのですが(厚さは10cm)、30年経っています。過去に3回塗装をしております。1年半前に全塗装とベランダの柵を全取り換えしてもらったのですが、アルミ製の柵に付け替えた1番端の部分がALCの壁にねじ止めされています。それが抜けていたので補修の方法を教えて頂けますか?一応ALC用のねじは買ってあります。補修の際に下地にALCに何かを詰めた方がよろしいのでしょうか?
「DIY好きおばさん」さん、お問い合わせありがとうございます。
ALCにねじ(ビス)で固定されていた柵のねじが抜けてしまったのですね。
そうすると、元々ねじが入っていた穴は広がってしまっていると思われます。
本来であれば、別の箇所にALC用ねじで止めるのがベストですが、それは厳しいでしょうか?
もし元の穴にねじで固定するのであれば、おっしゃるように詰め物をするか、穴より太いねじを使用するかになります。
詰め物ですが、腐食を考えて樹脂(プラスチック)製が良いです。木でも可能ですが、外部ならおすすめできません。
ただ、ALCはそもそも材質的に柔らかいため、詰め物をしてもしっかり効くとは限りません。
なので、万全を期すのであれば、コンクリートボンドやコーキングなどを穴に注入またはねじに塗って止める手があります。
求められる強度や見た目を考慮し、ご検討頂ければと思います。
よろしくお願いいたします。
お返事ありがとうございます。コンクリートボンドを持っていましたので、穴にコンクリートボンドを入れALCねじで固定しようと考えていたので、お返事を頂いて確実性が持てました。ありがとうございました!!
ALC床に木下地を打ち12ミリベニヤの床補修なんですがコースレット長さ90で固定しても大丈夫ですか?
見習いさん、コメントをありがとうございます。
申し訳ありませんが、率直に申し上げて、おっしゃる内容で大丈夫かは分かりません。
なぜなら、状況の詳細が不明ということもありますが、私自身がALCに対しての床補修をしたことがないからです。
給湯器や配管の支持金物を取付けた経験は多々ありますが、床となりますと全く状況が異なります。
お力になれず申し訳ありません。
初めまして。低温倉庫の防火区画壁ALC(100mm)に消火栓の露出配管(白65A)をブラケット固定を検討中ですが通しボルトで2mピッチで取り付けようと思うのですが耐荷重は問題ないでしょうか?
yuaさん、コメントをありがとうございます。
ALC面への配管支持ですね。
結論としましては、率直に申し上げて、いただいた情報から明確な判断をしかねてしまいます・・・
と言いますのも、荷重に関しては他にも様々な要素が関係してくるからです。
例えば、ALC面からの距離・ブラケットの形状(鋼材の幅や厚み、三角ブラケットかなど)・通しボルトでの固定方法・ALCの状態(改修なら劣化度合いなど)・湿式か乾式か、などです。
65Aの鉄管なら、支持ピッチとして2mは妥当ですが、ALCに不安を感じるようでしたら、1.5mなどもう少し間隔を狭めても良いかと思います。
参考になれば幸いです。
よろしくお願いいたします。