建設現場で働く配管工という立場で、肉体労働に従事しておよそ10年。
IT企業でデスクワークをやっていた頃とは、生活リズムも仕事に対する考え方もガラッと変わりました。
それは、肉体労働について「やってみて分かった3つの事実」によるもの。
今回はその3つを共有しますので、今後の働き方を考える参考にしてもらえればと思います。
肉体労働はデスクワークより健康的である
肉体労働はご存知の通り、体を動かす仕事です。
一方のデスクワークはと言えば、驚くほど動きません。
1日のうちで、自分のデスクと会議室やトイレを数往復しただけ、みたいな日ばかりです。
通勤で駅まで歩いたり数フロア階段を登ったりするかもしれませんが、そんなのは運動のうちには入りません。
にも関わらず、ランチはボリュームのある定食を食べたり、夜は飲み会や遅く帰宅してからの夕食だったり。
これではメタボまっしぐらですよね。
肉体労働はデスクワークよりも平均して500Kcalほど多く消費しているそうです。きつい職種になれば2倍、3倍ということもあり得ます。
そして朝は早く、休憩時間や業務時間が規則正しいので、生活リズムが崩れにくいのです。
ただ、食事という点については弁当にカップラーメンを必ず食べる人もいますし、お酒好きも多いので、あまり関係ないでしょう。
体を動かすのでしっかりとお腹が空くとか、食べた物を消費しやすいとは言えると思います。
それから、職人は喫煙率が多いという点は否めませんが、これは各個人の問題なので職種にはよりませんね。
総じて、「規則正しい生活リズムで、常に体を動かすことで体力や筋力の維持に貢献し、それに伴って内臓の動きも活発化する」ことがデスクワークよりも健康的であるということです。
肉体労働とはいえ超頭を使う
肉体労働は「頭を使えないヤツがやる仕事」みたいなイメージを持つ人もいますが、それは完全に間違っています。
なぜなら、高所や狭小箇所などで怪我と隣り合わせの作業をすることも多く、常に高い集中力・完璧な段取り・より速く正確に施工するための頭の回転などが求められるからです。
デスクワークで「寝ぃ〜」と言いながらあくびをし、仕事と思いきやネットサーフィンをしている、なんてことはあり得ないわけですよ。(実際に私がリーマン時代はそういう時もありました。汗)
それでいて、10代で多くの職人をまとめる立場だったり、ただでさえタイトな工程で日々噴出する問題を次から次へ処理していかなければ間に合わなかったりで、本当に脳みそがフル回転。
もちろん、言われたことしかやらない(やれない)人もいるのは事実ですが、私の仲間内の職人はみな頭がきれる人ばかりです。
過酷な作業環境でも重たい材料を運搬したり私のように配管をしたり、建物という形あるモノを作っていかなければお金になりません。
つまり、常に安全面に配慮しながらも作業効率をアップさせることを考えなければならないのです。
そういった意味で、頭を使わなくていいなんてことは絶対にないですね。
肉体労働は稼ぎ方としては非効率である
デスクワークから肉体労働になったことで、いくつかの「給与体系」を経験してきました。
サラリーマンの時は月給制で、ボーナス・退職金・その他手当があり、年収としてはサラリーマンの平均(年代別)くらいでした。
で、肉体労働(建設現場で働く職人)になってから給料がどう変わったかと言うと、最初は月の手取り額が増えました。
普通は見習いの職人なら給料には全く期待できないのですが、最初から手取り額が増えたのは以下のようなカラクリ
- 厚生年金、社会保険ではなくなり国民年金、国民健康保険になった(自分で支払う)
- 住民税が普通徴収になった(自分で支払う)
- 出勤日数がサラリーマンの時に比べて増えた
つまり、手取り額は増えたものの、払うものは払わなきゃならないため、実際に手元に残るお金は減ったというオチです。
しかもこの後、雇われ先が個人事業主から株式会社に変わったため、更に給料としては減りました。
参考:配管工の勤務先が個人事業から株式会社に変わるとどうなる?【暴露】
稼ぎ方として非効率である理由
ここまでデスクワーク時代と肉体労働になってからの給料についてお伝えしましたが、言いたいのはその違いではなく、「肉体労働の稼ぎ方が非効率である」ということ。
なぜなら、私のように建設現場で働く職人の場合、「日当×現場に出た日数=月の給料」なので、普通にバイトをしているのと変わらないから。
この日当は1日あたりの給料なのですが、どんなに腕の良い人でも経験年数があっても上限というのは分かっています。
また、現場に出てモノを作らなければ1円にもならず、“それ以上”のことはやりようがありません。自分はひとりですし、手足を増やすこともできませんから。
そうなると、死に物狂いで頑張ったとしても稼げる額が目に見えていますし、自分が怪我や病気で動けなくなったらいきなり収入はゼロだということ。
自分の能力ではなく時間を売って稼ぐスタイルは、最も非効率なのです。
大きく稼ぐことを考えるなら?
では肉体労働をする職人でいる限り、大きく稼ぐことはできないのでしょうか?
そんなことはなくて、簡単ではありませんが可能です。
例えば、以下のような選択肢も考えられます。
- 雇われる立場ではなく独立(自分が親方になったり会社を起こしたりする)して現場を請負う
- 規模の大きな会社で上層部まで上りつめる
- 画期的な施工方法・材料・安全具などを開発して特許を取る
ぱっと見で簡単ではないことが分かるとは思いますが、決して不可能ではありません。
職人として大きく稼ぎたいという強い意志があるのなら、頑張ってみる価値はあると思います。
私の本音としては、配管工という仕事は好きですが、それに依存することはリスクであり複数の収入源を持つことが最強だと考えています。
詳しくは以下の記事にて。
参考:配管工だけに依存せず経済的に独立して自由に生きる方法を考えてみた
今回のまとめノート
デスクワークから肉体労働になったという人はそういないと思います。
今回は私が実際に経験し感じた内容を、正直にお伝えしました。
おさらいすると、デスクワークから肉体労働になって見えた3つの事実は以下。
- 肉体労働はデスクワークより健康的である
- 肉体労働とはいえ超頭を使う
- 肉体労働は稼ぎ方としては非効率である
仕事だけでなく、人生を考える上での参考にしていただければと思います。
では、良い配管工ライフを!
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