【転がし配管】レベルバンド(フロアバンド)を使った支持のコツ6選

“この記事では?”
転がし配管を「レベルバンド(フロアバンド)」を使って支持する際のコツが分かります。

 

レベルバンド(フロアバンド)といえば、転がし配管には欠かせない支持金物ですよね。

レベルの調整が簡単なため、特に勾配を要する排水配管では重宝します。

 

今回はそんなレベルバンドについて、これまでの施工経験で培ってきたコツを6つ共有させていただきます。

レベルバンドを使った施工に携わる方は確実にチェックをお願いします。

レベルバンドの基本的な使い方

「使い方」というほどのものでもありませんが、レベルバンドの基本的な施工方法について記載しておきます。

 

上下で半円になっている部分で配管を挟み、ナットで締め付けることで固定します。

上側の部分が真ん中で分かれるようになっているタイプもありますが、ナットで締め付ける点は変わらないです。

 

レベルバンド本体は、床や壁などにバスやTピンで固定(後述)します。

基本的にはこれだけです。次章から施工時のコツをご紹介していきますね。

全ネジの長さを調整する

まずは基本中の基本であるレベル調整について。

両サイドの全ネジ部にてナットを上下させることによりレベルを調整するわけですが、当然ながら全ネジの長さ分までしか高く出来ません

 

これを踏まえると、まず注意が必要なのは注文時(購入時)です。

50㎜刻みで注文できるのが普通ですが、長すぎれば多く切断しなければなりませんし、短すぎれば全ネジを交換する必要が出てきます

 

この辺りは配管のレベルを事前に見極めた上で、程よい長さを注文するのが理想です。(だいたい100〜200㎜が多い)

ただ、材料屋さんが持っている在庫というのは限られていますから、数が多い場合や長いものが必要な場合などは「納期」を気にしておきましょうね

 

ちなみに、全ネジを交換する際にはインパクト用の全ネジ回しがあると便利ですよ。

参考:全ねじソケットを利用した小技

ベースが管径や保温しろより大きいことを考慮する

配管ルートを決める際に、給水配管や冷温水配管ならば「保温しろ」を考慮しますよね。

それがもしラッキングするような外部配管ならなおさら。

 

それで、レベルバンドは管を固定している半円部分やベースの部分が、当然管径や保温しろより大きくなっています

つまり、この大きくなっている部分を考慮したルート選定が大切だということ。

 

例えば、壁ギリギリに寄せたらベースが固定できなかったとか、ベースは固定できたけど結局半円の部分が他の配管の保温にぶつかるなどがあり得るわけです。

この辺りを頭に入れてルートを決めましょう。

上のナットだけ締め付けると若干低くなる

レベルバンドの固定は上下のナットで金物を挟み込んで固定する仕組みです。

なおかつ、配管がガッチリ固定されるように、管径よりも若干小さくなっている場合がほとんどです。

 

なので、「まず配管を下の金物に乗せて高さを合わせ上側のナットのみを締め付ける」という手順を踏んだ場合に、若干レベルが下がります

特に塩ビ管など、軽くて柔らかい配管はそれが顕著です。

 

なので、ほんの少し上げ目で下のナットを調整しておき、そして上のナットを締め付けるというのがコツです。

様々な固定方法(ビス・Tピン・コーキング)

レベルバンドのベース部には、左右に一つずつ固定用の穴があいています。

基本的にはこの穴を利用して固定するのですが、それを含め状況に応じて以下のような固定方法があります。

  • 4㎜程度のビスで固定
    ノンプラグビスやコーススレッドなどで、長さは25㎜〜32㎜程度が一般的
  • 4㎜程度のTピンで固定
    打ち間違えると外しづらくなるので注意が必要
  • ミラクル5などのコーキングで固定
    厨房や屋上などの防水面には穴をあけられないため、採用されることが多い
  • ベースを使わずに全ネジを直接アンカーやねじ込みT字足などで固定
    壁際でベースが入らない場合などに便利

 

これらを状況に応じて使い分けるのが理想ですが、特に指定がなければビスが無難でしょう。

それぞれで施工スピードや必要な道具も変わってくるので、その辺りは事前に仕様を確認してくださいね

効率的な順序を考える(先にルート上に固定してしまう・最後に固定する)

実際に転がし配管をしていくに当たっては、大きく分けて2つの方法があります。

それが、レベルバンドを先に固定してしまう方法と、配管しながら置いていき後からまとめてベースを固定する方法

 

その時々で最も効率的だと思われる手順を選択できると良いです。

なので、それぞれどんな時に有効かをまとめておきますね。

 

あらかじめ全てのバンドを固定してから配管する

最初に配管ルート上にレベルバンドを全て固定してしまう方法は、以下のような場合に適しています。

  • 戸数の多いマンションの部屋内配管のように、同じ配管が繰り返しある
  • 障害物が少なく配管ルートの墨出しが容易である
  • 配管のピース数が少なく、比較的小スペース内での配管である
  • 支持金物と配管材の納入タイミングがズレている

 

このようなケースでは、配管ルートを墨出ししレベルバンドを固定してしまえば、配管自体が楽なのはもちろん、事前にほとんどのピースを加工しておくこともできます

また、「墨出し・固定の係」「配管の係」などの作業分担もできます。

 

ただし、障害物が多かったり複雑なルートで1回こっきりの配管などの場合には不向きです。

 

配管と同時にレベルバンドを置いていき最後にベースを固定する

どちらかと言えばオーソドックスなのがこちらの方法でしょう。

配管を進めると同時にとりあえずレベルバンドを置いていき、最後(または要所要所)にベースを固定する方法は以下のような場合に適しています。

  • とにかく早く配管を進めたい
  • 障害物が多く、ルートを考えながら配管する場合
  • 部屋や壁をまたぐなどで行ったり来たりが面倒な場合
  • とにかく早く材料を消費していきたい

 

範囲が狭く1回こっきりの配管なら、わざわざルートを墨出ししたりレベルバンドを全て固定したりする必要はありません。

ただ、道具を全て持ち歩きながらの配管になるため、作業場所がゴチャつく可能性はあります

 

どちらの方法が良いかはケースバイケースなので、自分がやりやすいやり方で施工してくださいね。

デップのレベルバンドは無い

ステンレス鋼管の支持をする場合、吊りバンドやUボルトには「デップつき」を使うことが多いかと思います。

配管に触れる金属部分に絶縁の被覆がついているやつですね。(以下はデップのUボルト)

 

が、このデップつきのタイプがレベルバンドにはありません

なので、もしステンレス鋼管をレベルバンドで支持したければ、金物が当たる部分に防食テープを巻くか、防振用を使うなどの処置が必要になります(絶縁のため)。

 

見た目・機能・コストなどを考慮して何を使うか決定してください。

今回のまとめノート

転がし配管の支持金物として重宝するレベルバンド。

今回はその施工に関する6つのコツをお伝えしました。

 

知っておいて損はない内容ばかりですので、ぜひ頭に入れておいてください。

では、良い配管工ライフを!

 

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