お気に入りの工具、使ってますか?
私のような現役職人にとって、工具は手足と一緒ですし毎日使うものですから、強いこだわりがあります。
これまでに、こりゃ金をドブに捨てたようなものだ!というものから、思わず職人仲間にすすめたくなるものまで、数々の工具を使ってきました。
今回はその中から、絶対的な自信を持っておすすめできる最高に便利な「買ってよかった工具10選」をご紹介します。
ぜひ工具選びの参考にしてくださいね!
タジマ 全ねじ用ビット交換式ソケット 【TSK-ZN30RA】
タジマ製の全ねじソケットは、インパクトや差替えドライバーヘッドに取付けて使うことができる、全ねじ回しです。
全ねじの先端に挿し込み、傷付けずに回すことができます。
実は配管では全ねじを回す機会が結構あるんですよね。
例えば、吊りバンドを吊る時やレベルバンドの全ねじ部や、短い全ねじを使って支持金物を固定するなど。
そんな時に、プライヤーを使って回しても良いのですが、傷つきますし回ししろが無いこともありますから、この全ねじソケットが重宝します。
その他の特徴としては以下のような点があげられます。
- ビットホルダーにぶら下げておいて必要な時に使える
- 差替えドライバーヘッドに取付けて使える
- ビット(軸)が折れたとしても簡単に交換できる
- 13㎜の板ラチェット(12角)に取付けてラチェットレンチのように使える
- 普通の全ねじ回しに比較して“回ししろ”が小さいため狭小箇所での使用に向いている
これを使うと、他の全ねじ回しを使うのが嫌になりますね。
これを使った小ワザもあります。以下の記事にて紹介していますよ。
トップ工業 ショートエコワイドモンキーレンチ【HY-38S】
ボルト・ナット・止水栓やバルブなどの六角部分などを締め付けるのに使う工具といえば、モンキーレンチですね。
実に様々な種類がありますが、私はあらゆる大きさのものを試した結果、トップ工業製の「HY-38S」に落ち着きました。
名称にショートとつくだけあって、持ち手が短くて力が入れにくい点は否めませんが、その分軽いですし何よりもこのサイズで「8〜38㎜」まで対応できるのはありがたいですね。
それを含めて便利な特徴をあげておきますね。
- 本体が小さい分、軽量
- 持ち手にカバーが付いていて握りやすい
- 8〜38㎜まで対応しているワイドな口
- 口の部分に指を当てやすい独自の形状
- 最大に開いた際アゴが出っ張らないため狭小箇所に向いている
よほど力が必要なボルトナットの締付けなどでなければ、ほとんどの作業をこれ1本で対応できるでしょう。
トップ工業製のモンキーは本当によく考えられていて、このHY-38Sを含めて4つの商品をレビューした記事がありますので、読んでみてください。
→配管工が本気でおすすめするTOP工業製モンキーレンチBEST4
スエカゲツール ラピッドスプラインギアレンチ 17㎜
締付けが簡単なラチェットレンチの中でも、狭小箇所で使用できるのが板ラチェットです。
両側ラチェット・首振り・ショートなど色んな種類がありますが、特におすすめしたいのが、ラピッドスプラインギアレンチ。
このレンチがまずとにかくタフで、かれこれ5年以上ハードな現場で何かをぶっ叩いたりしてガシガシ使っていますが壊れる気配がありません。
それ以外に、主な3つの特徴をご紹介します。
ラチェット部の特殊形状
ラチェット部がスプライン形状という特殊な形になっています。
この形状により、一般的な六角ナットはもちろん、トラクスやスプラインといった特殊形状にもフィットするようになっているのです。
まあ実際のところそれらの形状を扱うかは微妙なところなのですが、普通より凹凸が深くなっているため、よりガッチリとナットを掴めます。
しかも、バカになりやすいラチェット部が、ハードに使っても全然壊れませんし、カラビナにぶら下げておいても凹凸がすり減ることもありません。
たまに回りが悪くなりますが、ちょっと油をさせばすぐ戻りますよ。
スパナ部の特殊形状
スパナ部は片方向のみ締付けられる形状になっています。
同じような作りのものは結構あるのですが、両方向とも回ってしまったり機能しなくなってしまったりすることも。
これは割と大きく開いているので、うまく機能してくれます。
この形状は好き嫌いが分かれるところかもしれません。
デザイン
ラチェットってほとんどがシルバー(メッキ仕上げの色)ですが、コレはシックなブラックメタリックなんです。
正直、この見た目だけでもカッコよくて、1番お気に入りのポイントかもしれません。笑
これも好みが分かれるところですかね。
ちなみにサイズは私の場合、使用頻度が高い17㎜(3分のナットサイズ)を腰道具に常にぶら下げています。
VESSEL ボールグリップ ビット差替グリップ【No.220W】
差替えドライバーと言えば、色んなビットを差替えて使える便利なドライバーです。
プラスやマイナスをはじめとして、先にご紹介した全ねじソケットやその他ソケットなどを取付けて使うわけですが、重要なのはビットが挿し込まれる側のグリップ選びです。
とにかく握りやすいのが大前提で、私の中でダントツで使いやすいのがVESSELのボールグリップというシリーズ。
その名の通り握る部分がボールのような形状をしていて、めちゃくちゃ手に馴染むんですよね。
差替グリップはクールなマットブラックで、価格もリーズナブルなのでおすすめです。
トップ工業 吊バンドレンチ 【PHW-1013-3】
配管作業で多用するバンド類に特化したレンチが吊りバンドレンチです。
いくつかのメーカーから販売されており、形状も微妙に違ってきますが、抜群に使いやすいのがトップ工業製の吊りバンドレンチ。
最も個性的で使いやすいと感じるのは、持ち手の末端についたタンバックル回しです。
これがタンバックルのナット部にしっかりとハマるため、回しやすいですしハマっていれば手を離しても落下しません。
また、非常に頑丈で、色んなものを引っ叩いているのですが、動作は全く問題ありません。
難点はちょっと高いってことですかね。汗
タジマ 安全帯 胴ベルト用【B1VR150-TL2】
安全帯は高所作業に必須です。
大手の現場なら、高所作業を100%しないと分かっていたとしても、必ず装着しなければなりません。
安全帯と言えば、昔は単純なロープタイプでしたし、ショックアブソーバー(衝撃緩衝装置)がついた巻取り式のタイプは横幅があるので、つけられる腰道具が限られるデメリットがありました。
それが数年前にタジマの縦型が出たことで、安全帯がかなり省スペース化できるようになったので、腰道具に入れられる道具のレパートリーが増えました。
2022年からは新規格となりましたが、この縦型は健在で、見た目もカッコいいですし、私の周りでもかなり使っている人は多いです。
同形の製品でロック装置無しのタイプもありますが、落下距離を最短に抑えられるロック装置ありをお勧めします。
タジマ 剛厚スパコン【GASFSPM2550】
これまでに数十個のスケール(コンベックス)を使ってきた中でいくつかおすすめがあるのですが、どれか1つを選べと言われればこれになります。
タジマ製の「剛厚スパコン」です。
なぜなら、スケールにおいて1番重要であるテープが、普通より厚く作られていて丈夫なのに加え、ナイロンコーティングされていてサビや摩耗に強いのです。
ちょっと考えてみて欲しいのですが、スケールが壊れる時って、ほとんどテープがダメになりませんかね?
例えばサビて目盛りが読めなくなったり、亀裂が入り出たこなく(戻らなく)なったり。
しかも私のような配管工は特に水場での作業が多いですから、サビは大敵なんですよ。
それからこの剛厚スパコンは、内部のバネがステンレス製ですから、バネがサビて巻き取りがスムーズにできないなんてことはまずあり得ません。
弾性樹脂(ゴム)で覆われたタイプは無いのとカラーが奇抜ですが、逆に私はこのシンプルながらも主張してくる見た目が好きです。
タジマ製のスケールに関しては、剛厚スパコン以外のシリーズも網羅したまとめ記事がありますので、他の商品も比較したい方は読んでみてください。
→タジマのスケール(コンベックス)完全攻略!おすすめ機種の特徴を比較
グリーンレーザー
建設現場での作業において、レーザーの必要性は言わずもがなでしょう。墨出しをしたりレベルを確認したり、配管の通りを確認するのにも使えますね。
そして最近はスタンダードになっているのが、従来の赤いレーザーに比べて見えやすくなった「グリーンレーザー」です。
レーザー最大の難点とも言えるのが、価格が高いこと。名の知れたメーカー品なら1ヶ月の給料が吹っ飛ぶのもざらです。汗
最近では海外製の安価な商品も多数出てきましたが、オモチャみたいなものや精度が全く確保できていないものが多いのも事実。
そんな中、常識を覆すようなコスパを実現したのが、VOICEというメーカーのグリーンレーザー。
詳しいレビューは以下の記事にまとめてありますので、興味のある方は確認してみてください。
MAX ハンマードリル【PJ-R266A-B2C/2540A】
天井配管用のバンド吊りや架台の取付けなどでアンカーを打つ機会は非常に多いです。
その際に必ず使用するのがハンマードリル。
アンカーとなると、メインは3分や4分でしょうから、コンクリートビスの下穴あけとは訳が違います。
つまり、パワーがあり電池の持ちが良い機種が重宝するわけです。
加えて、パワーがあったとしても重たすぎるのは使えませんね。あとはやはり充電式が身軽で良いです。
こんなワガママな要望に応えてくれるのが、MAX製の充電式ハンマードリル。
マキタ・日立・パナソニックなどの同等製品も使うことがありますが、MAX製はそのパワーが群を抜いています。
デッキ面でもバリバリ穴あけできるのはもちろん、ちょっとした斫りやロングビットでのアンカー打ちも難なくこなせますよ。
重量も決して重くはなく、回転/回転打撃の切替・強/中/弱のモード切替・自動点灯/消灯LED・ブラシレスモーター搭載など、機能的には申し分ないでしょう。
価格はそれなりにしますが、ハードな現場でも数年は使えるますから、作業効率を考えれば安いと思えます。
アシックス 安全靴
安全靴は毎日使うものですから、自分の足に合ったものを選ばないと、作業に即影響が出てきます。
何しろ、立つ・歩く・しゃがむ・階段を昇るなどの基本動作に関わってきますから。
人の足は千差万別ですから、こればかりはどこのメーカーが良いと限定することはできませんが、個人的にはアシックスがおすすめです。
おそらくは歴史のある日本のメーカーで日本人の足を知り尽くしているのと、スポーツシューズに特化しているため、日本の職人には合うのだと思います。
アシックスも最近では「Boaシステム」という、ダイヤルとワイヤーで簡単に締付けや緩めができる機構の商品が増え、かなり人気があるようです。
実は私も1足持ってまして、その使いやすさに惚れ込んでいます。
詳しく知りたい方は以下の記事を読んでみてください。
参考:アシックスの安全靴「Boaシステム」を4ヶ月履いた感想を辛口レビュー
また、ゼロから自分に合ったお気に入りの一足を見つけるためのポイントは、以下の記事にまとめてありますので、興味のある方は読んでみてください。
→【安全靴】最高の一足を手に入れるための選び方(3ポイントを紹介)
今回のまとめノート
今回ご紹介した10の道具は、10年の職人経験や先輩などへのヒヤリングをもとに選りすぐった、本当に買って良かったと思えるものです。
もちろん使い勝手やデザインには好みもあるでしょう。
それでも、どれも自信を持っておすすめできますから、道具選びの際にはぜひ参考にしていただければと思います。
では、良い配管工ライフを!
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