配管工に限った話では無いのですが、何かを成す上で最も大切なのは「マインド」です。
なぜなら、全ての行動の源になるのはマインドだから。
例えば漏水事故があったとして、「あーあ、漏れた、最悪だ・・・」と思う人もいれば「いやー、これだけの被害で済んでラッキーだ、勉強になった」と思う人もいます。
面倒な作業を指示された時に、「うわ、何でそれオレがやらなきゃダメなの」と思う人もいれば「よっしゃ!早く終わらせて驚かせてやる!」と思う人もいるわけです。
どちらの方が配管を楽しいと思えるか、成長が早いかについては言わずとも明白ですよね。
ただ、全てを前向きに捉えるなんてことは厳しいので、ここだけは押さえおくべきというポイントをお伝えします。
未経験のことに積極的になる
職人をやっていて常々感じるのは、「同じ現場は2度とない」ということ。
これは実に当たり前の話なのですが、見方を変えれば「常に未経験の作業が出てくる」わけです。
そこで、立場や現場に入っている人数にもよるかとは思いますが、とにかく率先して未経験の作業をやってみるということが、ものすごい経験値のアップに繋がります。
ちょっと思い出してみて欲しいのですが、小さい頃から勉強してきた内容でも「基礎と応用」ってありますよね。
で、基礎問題・応用問題みたいなのがあって、この基礎問題はできるのに応用問題ができない人って結構多かったりします。
いわゆる応用力が無いってやつです。
仕事に関しても応用ができない人がいて、言われたことしかやらず未経験のことからは逃げてきたような人は、そうなってしまいます。
例えば、塩ビ管の配管は普通にできるのに、耐火二層管になると途端に配管スピードが落ちるとか、自分が悩んでも絶対に答えが出ない内容(監督が把握している図面や工程に関することなど)をずっと考えているなど。
配管スピードを遅くする大きな原因の1つに「悩んでいる時間」があります。ルートはどこを通そうか、どこから配管しようか…悩むことは判断力や発想力向上になると思いますが、単なる時間のムダになることも。例えば図面や工程など監督が把握してる内容や、隠蔽配管の見た目を過度に気にするなどです。
— どんゴリ@配管工のお役立ちノート (@dongori_momoki) July 5, 2020
未経験のことに積極的になっていると、少し想定外のことが起こっってもすぐに機転をきかせることができますし、新たなことをするのが楽しくなってきます。
そうすると、益々現場での対応力が身につくという好循環が生まれるわけですね。
作業の効率化を考える
「作業を効率的にやるべきだ」ということは誰しも頭の中で分かってはいても、それを意識して実行している人は少ないものです。
なぜなら、人間は基本的に「めんどうくさがりや」だから。
本当にアレコレ考えながら安全にも気を使いながら施工するのって面倒臭いですよね。ただでさえ肉体労働で体を酷使しているのに、その上頭もフル回転しなきゃならないなんて。
でもですね、最初はそれがスゴく面倒臭いと思っていても、続けているとそれをしなきゃ気持ち悪い状態になってくるものなんですよ。いわゆる慣れというやつ。
とは言っても、効率化って何か抽象的で分かりにくいので、具体的にどんな風に考えたら良いのかヒントをあげておきますね。
- できるだけ同じ性質の作業をまとめて行う
例えばパイプの加工が10本あるなら、「罫書き→切断→面取り→接続」という作業を1本ずつやるのではなく、過程ごとにまとめてやる - 壊れている道具を使わない
電池の切れたヘッドライト、刃がサビているカッターなど - 適材適所
材料ではなく人の適切な配置のこと - “ついで”にできることはやる
例えば加工場から配管場所、現場から詰所へ行く時などに手ぶらではなく材料やゴミなどを持って行く
こんな感じで効率化を考えていると、どんどん作業スピードが速くなり、気持ち的な余裕も持てるようになりますし、結果的にはその分お金も儲かることになります。
素直でいる
「職人気質」という言葉があるように、職人は実直で誠実な仕事をする分頑固者が多いとも言われていますよね。
自分の中にブレない軸があるのは良いことですが、他人の意見を受入れられなくなるのは非常にマズいです。
なぜなら、自分が明らかに間違ったことをしているのに気づけなかったり、より良い方法を選択できなかったりするから。
自分一人で考えられることなんて、たかが知れているんですよ。
現場が大きくなるほど、配管する量はもちろん使う道具や材料や携わる人間も増えますから、一人でそれを全て把握して最善策を考えるなんてことは絶対にムリなのです。
それにも関わらず、経験を積めば積むほど自分の中で固定観念が出来上がっていき、他人の意見を素直に受入れられなくなる人が多いようです。
私の同僚にもまさにそんな人がいて、やはり親方から成長が止まったと評価されてしまっています。
経験年数15年になるうちの職人で、親方に「あいつはある時から成長が止まった」と言われてる人がいます。理由を考えていたのですが、すぐに分かりました。それは「他人の意見を受け入れられない」こと。何か指摘されるとムスッとしたり反論したり。どれだけ経験を積んでも素直さは忘れたくないですね。
— どんゴリ@配管工のお役立ちノート (@dongori_momoki) February 26, 2020
私が職人になる前に身を置いていたIT業界でも、理系出身でPC経験がある人よりも文系の方がSEになってからの成長が早いと言われていました。
それはもちろん、変な固定観念が無い分、教えてもらったことを素直に受入れられるからですね。
人間の成長においては「素直さに勝る武器は無い」と言われるくらいですから、どれだけ技術や知識を身につけたとしても、素直さだけは忘れないでください。
今回のまとめノート
人間が行動の源は全てがマインドです。
何も考えずに動いているように感じることがあったとしても、日頃の考え方の積み重ねによるものです。
つまりは、今回お伝えした3つのマインドをあなたの中に形成することで、自然と成長するための行動を積み重ねることができるということ。
配管工として、人間としてぜひ意識してみてください。
では、良い配管工ライフを!
いやー,素晴らしい啓発を得ました!
ありがとうございます。
「ほかの何よりも,あなたの心を守れ。
命は心に懸かっているから」
と言う聖書の言葉を思い出しました。
内面の成長に限りはないですね!
ぴかっとさん、こちらこそありがとうございます。
お言葉とても嬉しいです。
同じ現場や人に対しても、考え方や気持ち次第で見え方が全く異なってくると感じております。
私の中では、「初心」と「楽しむ」ということを大切にしています。
「内面の成長に限りなし」
まさにおっしゃる通りです。