改修工事を何現場かこなし色んな職人さん達を見ると、要領の良い人には共通点がいくつかある事に気が付きます。その中でも今回は養生に的を絞ってみたいと思います。
出来る人の養生をよく観察してみると、汚れががっちりガードされているのもさる事ながら注目すべきはそのスピードです。いつの間にこんなに養生したんだ!?と思ってしまうくらい速くかつ丁寧にされているわけなのですが、何人もの養生風景を見て確信したのは「養生材を切るスピードが格段に速い」という事でした。
※養生材についてまとめた記事がありますので参考にしてください。
⇒よく使う養生材 「敷く」編
⇒よく使う養生材 「敷く以外」編
養生材を何で切るか
養生というのは簡潔にまとめると、ブルーシートやマスカーなどの養生材を適度な大きさに切り壁・床・家具などを覆うことになります。つまり、”切る”という作業は必ず、しかも何回も行われることになりますから、この動作を以下にスムーズに素早くこなすかは大変重要になってくるのです。
もしこの切るという動作を切れ味の悪いカッターのみで行っていたら、自分も周りの人もイライラしてしまうでしょうし、作業効率も非常に悪くなります。ですから、ある程度の養生をすると分かったら、新しいカッターの刃とよく切れるハサミを必ず用意しましょう。
そして注意したいのが、切る養生材によってカッターとハサミを使い分けることになります。個人的に担当をまとめると以下のようになりました。
- カッター担当
ピラマット、ブルーシート、ブルーガード、厚手のポリフィルム、プラベニ・・・など - ハサミ担当
マスカー、薄手のポリフィルム、ウエス、クッションシート・・・など
中でも、マスカーはハサミで切る事を強くお勧めします。マスカーはテープ部分を貼りながら切るので、どうしても片手で切らなければならない場合がほとんどですから、ハサミの方が断然切りやすいです。他にもどうやったら切りやすいか現場で色々と試してみましょう。
お勧めのカッターとハサミ
カッターに関しては、何枚か替刃を内蔵出来る特大サイズの物がお勧めです。特大サイズは替刃も高く入る腰袋も限られる上に重いなどの難点はありますが、割と厚手の物でも安定して切る事ができ刃も折れにくいため、ハードな使用が求められる現場仕事に向いていると思います。
ハサミについては、紙を切るような一般的な物ではなく、「ラシャ鋏」と言われている形状の物がお勧めです。このハサミは本来、裁ち鋏として布を切るために使用され、匠の技が結集された伝統工芸的な物が多いです。そのためハサミとしてはかなり高額ですが、切れ味は抜群ですので1つは持っておいて損はないと思います。
ちなみにこのハサミを現場で使う際に特に気を付けたいのが、硬いものをすごい力で切ろうとしたり、細い鉄線(保温材など)を切ったりしない事です。これをやってしまうと歪みや刃こぼれを起こしてしまい、せっかくの切れ味が台無しになりますから注意してください。
改修工事で毎日養生を行う現場などが発生した際には参考にして頂けるとありがたいです。
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