給水のメイン管は通常、埋設やピット内配管となります。管種は鋼管、SUS管、ポリ管など様々で、建物の規模や用途、設計者の判断によって選定されます。
管種が鋼管(給水用ビニルライニング鋼管)の場合には、埋設用にあらかじめ被覆された鋼管(VD管)が使用されます。
VD管の施工は、オーソドックスな鋼管(白ガス管・VB管)とは異なる部分がありますので、今回はその点についてまとめます。
管と継手
VD管は青色の被覆が付いており、被覆以外は通常の鋼管(VB)と何ら変わりませんが、外径が被覆分だけ少し大きくなっています。ねじ込みによる接続となり、ねじ切りの要領も特に変わりません。
出典:KYOSEI
継手には特徴があり、ねじ部を保護するためにツバが付いていて全体的に一回り大きくなっています。内部はPQ継手のようにコアが入っています。
出典:KYOSEI
施工方法とポイント
接続はねじ込みですので、基本的な事項については割愛させて頂き、ポイントを挙げていきます。
☑ねじ調整
埋設用の継手はツバが付いていますから、ねじ込んだ際に入り具合を確認することができません。
管端から100㎜などと決めてマーキングをしておくのも手ですが、ツバなしの継手などを利用してねじ調整を確実に行いましょう。実際にねじ込んだ後には芯芯(芯先)寸法を測って確認しておくと更に良いです。
☑ねじ込み後
継手にはツバが付いているものの、管との間には隙間がありますから、そこから土や水が入ってしまいます。ですので、専用のゴムリングを先に通しておくか、防食テープを巻くなどして隙間をふさぎます。シールを打つケースもあります。
この点は現場によってルールが異なると思いますので、監督によく確認してから施工しましょう。
☑ツバへの対応
ツバがあるという事は、その分エルボ返しなどの最小寸法が大きくなるという事です。よってルート取りやねじ込みの際にはその点を十分に考慮しましょう。もちろん、角ニップルのような管は使えませんので、どうしてもというケースではツバを切り落とす事も考えられます。
☑指示金物
VD管は被覆の分外径が大きくなっていますから、当然のことながらVB用のバンド類は使用できません。この点は材料拾いや注文時によく確認するよう心がけましょう。よく間違えるのはやはり吊バンドやUボルト(Uバンド)でしょう。
VD管は新築工事でも改修工事でも、未だに配管する機会が結構ありますから、頭に入れておくと良いでしょう。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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