ラチェットレンチのギア数

吊りバンドやMDのボルトナットなどを締め付ける際に、何気なくラチェットレンチを使っている方も多いと思いますが、ラチェットレンチの「ギア数」を気にした事はあるでしょうか?

正直言って私もこの仕事を始めた当初は全く気にしていませんでした。が、実はこのギア数が現場では結構物を言うのです。

市販工具のギア数

一般的な配管作業で使うラチェットレンチと言えば、吊りバンドレンチ・両口のもの・平たい形状の板ラチェット・トルクレンチなどになるかと思います。具体的なギア数は、24・36・64・72などになり、私が知る限り最大のギア数を誇る工具はKTCネプロスのラチェットレンチです。

ギア数がなんと90と細かいのですが、正直なところ配管作業で使うかと言われれば微妙なところです・・・やはり一番よく使うのは吊りバンドレンチや板ラチェットでしょう。

吊りバンドレンチ

ギア数が重要となるシーンは?

さて、ラチェットレンチのギア数が重要となってくるシーンといえばどんな時でしょうか?それはズバリ「狭小箇所での締め付け作業」です。配管工としての経験が長い方ならすぐに思い浮かぶと思いますが、狭小箇所で締め付けを行っていると狭すぎてラチェットが効かない事があります。これは柄の部分の振り幅がラチェットを効かすのに必要な角度に達していないということです。

例えば、ギア数が24であれば「360度➗24=15度」ですから、最低でも柄を15度振ることが出来なければなりません。
ラチェットの振り幅

もしギア数が72であれば計算上5度の振り幅ですみます。つまり、狭小箇所でもラチェットを効かした締め付けが可能なわけです。私の経験上配管というのは天井内やパイプスペースなど結構狭いところで行うことが多いですから、このギア数一つが少なからず仕事の効率に影響してきます。

ラチェットレンチを選ぶ際にはギア数が多い方が狭小箇所での締め付けがしやすいということを頭に入れておくと良いかと思います。

✅良くない点

単純に考えるとギア数が多いものを選べば良いような気もしますが、ギア数が多いものにはそれなりの欠点もあります。それはギア一つの山が小さくなることによる”滑り”が発生しやすくなることです。つまり、高負荷で使い続けることによりギアが破損して使い物にならなくなるのです。もちろんメーカーによって性能は異なってくると思いますが。

というわけで、今回はラチェットレンチのギア数について少し掘り下げてみました。今後の道具選びの参考にして頂けるとありがたいです。

機能性は最強の複数サイズラチェット

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