VPなのに色が黒い!?新種のパイプか?
いやいや、皮を被ってるんです。これは耐火二層管と同じような類いの被覆付きの塩ビ管なのです。しかもこの被覆、耐火である上に遮音性能があるという優れもので、施工に関しても耐火二層管と同じ考え方ができます。名前を「IRSP」と言い、因幡電工さんの製品です。参考までにリンクさせて頂きます。
最近私も現場で結構見かけることが多いですから、今回はこのIRSPについて基本的な事をまとめたいと思います。
基本的な施工
冒頭にも言った通りIRSPの施工は基本的に耐火二層管と同じです。つまり、継手の飲み込み分を差し引いて皮を切ってあげれば良いのです。が、大きく違う点が2つあります。
①柔らかい
IRSPの皮は言わば保温材のようなものですから、ある程度の厚みはあってもふにゃふにゃです。よって、ハサミやカッターで切ることが出来ます。柔らかいということは、耐火二層管の皮のように「皮、後から入れよう思たけど、のり付けしたら入らんくなった!」ということはほぼありません。むしろ後巻きの皮も用意されているので、全部配管し終わって後から巻くということも可能です。(なんか保温やさんみたいですけどね・・・)
②メジフリーじゃない
最近の耐火二層管は継手が”メジフリー”ですが、昔の継手はメジフリーではなかったので、目地を変なパテみたいので埋めていました。それとは異なりますが、IRSPも専用のテープを使用して継手と管の境目や皮を継ぎ足した部分をふさがなければなりません。
支持金物
皮の厚みは耐火二層管とほとんど同じですから、吊りバンドや立バンドなど耐火二層管用のものを使用することが出来ます。ただ、皮が柔らかいのでかっちりしっくりこない感はあります。それ以外は、これまでに私が使った中では特に問題となった点はありません。
ポイント
今回最も重要な部分です。実際に施工した上でのポイントをお伝えしておきます。
☑︎勾配を正確に見るのが難しい
皮が柔らかいという事は、出荷の段階で既に表面は結構波打っていると思われます。それを現場で運んだり切ったりつないだりするわけですから、水平器を乗せても到底正確には計測出来ません。そこで以下のような対処が必要となります。
- VPのまま配管し皮を後で巻く
- 天井や床など信頼できる基準を使う
- 吊りバンドなどの金物をシビアに取り付ける
その他にもレーザーを使うなども考えられます。状況に応じて最適な方法を選択できると良いかと思います。
☑︎在庫状況に注意
大きい現場で、かなりの数が必要となる場合には、事前にどのくらい在庫が確保出来るかを材料屋に確認しておいた方が安心です。(普通は監督さんの仕事です)直管部分を後巻きするのは余程の狭小箇所でなければ問題ありませんが、継手を後巻き(普通のDV継手に自分で皮を巻くということ)するとなると「保温屋呼べバカヤロー!!」と怒鳴りたくなります。
☑︎専用のハサミを使う
IRSPの皮は材質としては保温材のようなものですから、普通のハサミでも切れますが力がいるだけでなく接着剤や繊維が影響して切れなくなってしまいます。そこで、割と大きめの万能ばさみを用意することをお勧めします。
特に上の製品のように刃に角度が付いていると切りやすいです。このような万能ばさみは安い割に金網の付いた保温材や軽量なども切れるので現場では重宝します。
以上が最近現場でよく見る「IRSP」の簡単なまとめになります。現場で遭遇した際には参考にして頂けるとありがたいです。
コメントを残す