住戸にはなくてはならない給湯器ですが、分かってしまえば結構簡単に設置することができます。
基本的には本体を取付け、配管や電気配線を接続するだです。
とは言え、設置に際しては注意点やポイントととなる点がいくつか存在するのも事実。
そこで今回は給湯器を壁に設置する際の手順と、給水管・給湯管の接続をメインにお伝えしていきます。
※ガス配管や電気配線に関しても触れはしますが、ここではあくまでも本体の設置がメインです。
給湯器の設置位置の確認
まず大切になってくるのが、取付ける位置です。
これは高さ・幅・窓からの離れ・カバーを取付ける位置などのことで、新築ならあらかじめ決まっているでしょうが、改修工事では特に収まりを気にしておくべきでしょう。
なぜなら、この位置をしっかり確認しないと、本体が窓と干渉してしまったり配管や電気配線がカバー内に収まらなかったりするから。
確認しておくべき点を挙げておくと、以下のような点です。
- 壁の材質(強度が得られることを確認)
- 設置箇所に邪魔な物(他の配管や)がないか
- 排気口が窓や吸気口などに近すぎないか
- カバーを取付けるなら配管や電配が収まっているか
マンションの新築工事ならあまり気にする必要もないかもしれませんが、単純に給湯器を交換する場合や設置箇所が全く別の箇所になる場合などは特に気をつけてください。
本体を購入していざ取り付けようとしたら全然ダメだった、なんてことになったら最悪ですからね。
本体の寸法は事前にメーカーホームページなどで手に入りますから、確実にチェックしておいてください。
道具と段取り
さて、設置箇所の確認ができたら、次は取付に使う道具を段取りましょう。
電動工具・手工具ともに割と種類を使うので、しっかりと段取ってくださいね。ざっと挙げると以下です。
- ハンマードリル(ビット含む)
アンカーやノンプラグビスの下穴あけ - インパクトドライバー
ノンプラグビスの取付け - ドライバー
ビスの付け外し - モンキーレンチ
配管接続時の袋ナットの締め込み - 狭小箇所用ドライバー
※① - セットハンマー
アンカーの打ち込み - 配管に必要な工具(管種による)
※② - 脚立など
高所が多いので必要になるかも
※①狭小箇所用ドライバーについて
給湯器本体に配管カバーを取り付けたりフタを外したりする際に、壁や他の配管などの障害物があると普通のドライバーが使えません。
そんな時に役立つのか狭小箇所用の小さなドライバーです。
ほぼ手が入る隙間さえあれば、ビスの付け外しが出来ます。
最初に設置位置を確認した時点で必要そうなら、用意しておくことをおすすめします。
高価なものでは無いですし、そもそも小さくてかさばらないので、1つは持って置いても良いでしょう。
※②配管に必要な工具について
給水・給湯配管の接続に必要な工具は管種によって異なります。
例えば、鉄管ならパイプレンチら必要でしょうし、ポリ管(エルメックス)なら融着器が必要かもしれません。
一般的な住戸なら塩ビ管(HIVP・HTVP)が多いと思います。
単純な本体の交換ならフレキで接続できることも多いので、その辺りは設置する箇所をよく確認しましょう。
給湯器本体の壁への取付手順
ここからはいよいよ壁への取付手順をお伝えしていきます。
今回例に挙げるのは、集合住宅で多くみられるスリムタイプの給湯器。
オーソドックスな形ですが、号数が大きくなっても基本は変わらないので、ここでの手順を押さえておけば大丈夫です。
本体を吊るためのアンカーを打つ
最初に給湯器本体を吊るためのアンカー(M8〜M10のオールアンカー)を打ちます。
本体の寸法や取付位置をよく確認した上で、引っ掛ける箇所にアンカーを打っておくわけです。
打つべき箇所の寸法は取説を見れば必ず載っていますから、必ず確認しましょう。
ザックリしたイメージでは、本体の芯で天端から25㎜くらい上といったところでしょうか。
本体には取付用のビスやプラグが同梱されています。もちろんそれで吊ることも出来なくはないですが、強度が全然違ってくるので、アンカーをおすすめします。
本体を引っ掛ける
次に本体を先程打ったアンカーに引っ掛けて吊ります。
大きいものは2人で吊った方が良いでしょう。
引っ掛ける部分は穴が雪だるま型になっていますから、狭いシャフト内とかでなければそんなに大変ではないと思います。
吊れたら水平垂直を確認し、ナットを締め付けて動かないようにしましょう。
上部をビスで止める
上部の左右2点をノンプラグビスで固定することによって、本体は左右に動かなくなります。
ビスは4㎜×30㎜程度のサイズで、それに合わせて下穴をあけて打ち込んでください。
4㎜のビスなら3.5㎜のキリが良いでしょう。
ビスが太すぎると取付部分の穴に通らないこともあるので、注意してください。
下部をビスで止める
上部をビス止めしたのと同じ要領で、下部もビスで止めます。
本体の下部には配管の接続口などが付いていて、下穴が非常にあけづらくなっています。
なので、ハンマードリルを斜めにするなどしてあける必要が出てくるでしょう。
必要に応じて配管カバーを取付ける
配管カバーは取付けない(露出)場合もありますが、新築の集合住宅ならまず間違いなく取付けるでしょう。
基本的にはメンテナンスで開閉する前蓋以外のベースをビス止めするだけです。
今回の例ですと、上部は本体とビスで固定し、下部を壁にビス止めする形です。
蓋は配管の接続や保温を行った後に閉めることが多いので、その辺に置いといて失くさないように注意してください。
給水管・給湯管の接続
本体が設置出来たら、残すところ配管の接続だけです。
配管と言っても、最終的な接続部分はポリ管やフレキである程度自由が効きますから、そんなにシビアではありません。
今回は塩ビ管のフレキ接続の場合を載せておきますね。
注意していただきたいのは、フレキによる接続が悪い例だということ。
なぜだか分かるでしょうか?
明らかにフレキが長すぎて、ぐねぐね蛇行させてますからね。汗
もちろんこれは修正しましたよ。
なお、給水は接続箇所の手前に必ずバルブを入れてください。
また、追い焚き機能がある給湯器なら往きと還りの接続が2つ増えますが、管径が変わるだけで接続要領は同じです。
ガス配管と電気配線について
給湯器の運転には、給水・給湯以外にガスと電気配線(リモコン含む)を接続する必要があります。
ガスは資格が必要なので、ガス屋さんにお願いするのが通常です。基本的にはホースやフレキで繋ぐ形になるかと思われます。
電気配線で必要なのは、電源とリモコン線です。
新築なら電気屋さんが仕込んでおいてくれますし、交換なら既設があると思いますので、それを利用しましょう。
今回のまとめノート
給湯器は住戸なら必ずあるでしょうから、配管工なら設置は必至です。
とは言え、よほど特殊なものでもなければ取付手順は同じなので、この記事を参考に基本的な手順をマスターしてしまいましょう。
では、良い配管工ライフを!
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