鉄管(炭素鋼鋼管)は具体的にはどう腐食するのか? 1番錆びる箇所は?

鋼管と言えば、腐食対策にはめっぽううるさい配管ですよね。

錆止め塗り・防食テープやペトロラタムテープ巻き・絶縁継手の使用・絶縁ワッシャーやスリーブの使用など、ざっと挙げただけでもめんどくさそうですね。

 

ではもし、それらの処理が不十分だった場合に、実際にはどこがどのように腐食するのでしょうか。

それは築年数の経過した建物の改修工事や、古くはなくても数年経過した建物の露出配管を見てみると分かります。

 

今回は炭素鋼鋼管が実際にどう腐食するのか、実例を交えながらまとめます。

ぜひ施工時の参考にしてください!

 

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炭素鋼鋼管に関わる主な腐食の種類

腐食と言えば単に「錆びる」と思いがちですが、実は奥が深いです。

金属配管全体で言えば、すきま腐食・孔食・迷走電流腐食など多くの種類があるのです。

 

ただ、炭素鋼鋼管に限った話をすれば、該当する内容は限られてきます。

 

全面腐食

金属の表面にほぼ均一に生じる腐食のことで、殆どの腐食(表面に出てくる錆び)がこれに該当します。

鋼材はよくこのような錆び方をしますが、配管はメッキ加工や塗装など何らかの処理をされていますから、あまり見られないと思います。

 

局部腐食

素材自体のひずみや欠陥・表面上のキズ・電位差などの要因により、局部的に腐食が進みます。

広い意味で、孔食異種金属接触腐食などもこれに含まれます。

 

配管表面のキズやネジ部などが錆びるのはこれに該当します。

また、異種金属腐食で多いのが、ステンレスとの接触です。

 

ステンレス製のフランジを絶縁せずにメッキのボルトナットで締めたり、ステンレス製の指示金物にメッキのビスやボルトナットを使ったりするケースです。

ボルトナットやビスがボロボロにに錆びてしまうこともあります。

 

また、ステンレス製のオスアダや暑肉ステンレス鋼管のネジを、白継手やコート継手に直接ねじ込んでしまうと、継手だけ激しく腐食する例もあります。

ステンレスとの異種金属接合になるケースと対処法のまとめ

2017年9月25日

ダントツで腐食しやすいのは「ネジ部」

「鉄管の腐食と言えばねじ込み配管のネジ部」と言われるくらい、ねじ込み配管においてネジ部は腐食しやすいです。

なぜなら、ネジ切りで表面の加工(メッキや防錆塗装)が剥がれている上に、削られて薄くなっているからです。

改修工事では、以下のようなトラブルも多いです。

  • ちょっとした衝撃でメーターシャフト内の給水配管がネジ部から折れてじゃじゃ漏れになる
  • 排水竪管貫通部の斫り時にネジ部から縁が切れてしまう
  • 工事中の振動が伝わり関係ない配管のネジ部が脱落したりピンホールができてしまったりする

 

このようにネジ部は弱いですから、継手をねじ込んだ後には必ずムラなく錆止めを塗布し、ネジ部の表面を露出させたさないことが重要となります。

ネジ部は防錆塗装されているにも関わらず錆びています。
ステンレスのUボルトで直に支持されていますが、全く錆びていません。
※築5年のビルの屋上にて

 

念のため、錆止めをうまく塗るコツを挙げておきます。

  • 管径に合ったハケのサイズを使う
    →実際にハケを使い分けるのは難しいが、細物を太いハケまたは太物を細いハケで塗るのはどちらも大変!
  • シールテープが露出している部分は取り除く
    →シールテープが錆止めをはじきやすく、塗りムラの原因となる
  • ちょっとつけすぎかなと思うくらいの量で塗る
    →余っても他の部分に塗れば良い

これらを意識しておけば、少なくとも“塗れてない箇所”は無くせます。

特に消火栓配管のように保温もせず露出になる場合には注意しましょう。

普段の施工で気をつけること

ネジ部がよく腐食する点についてお伝えしましたが、その他にも腐食対策として確実に押さえておきたい点があります。

基本的な内容ではありますが、今一度まとめておきます。

 

コアが無い弁類へのねじ込み

管端防食継手のようにコアが入っていない弁類を使うことがあるかと思います。

例えば、減圧弁・定流量弁・逆流防止弁・ストレーナー・ボールタップなどですね。

 

これらの弁類に鋼管を直接ねじ込むと、ネジ切りした管端が水流に直接さらされるので、当然のことながら錆びます。

この錆びが原因となり、赤水や詰まりの原因となります

 

原則として異種金属接続用の継手を使用します。

VD配管の隙間

VD管は継手も管も被覆されていて、埋設配管やピット内配管に使用しますよね。

継手にはツバが付いており、ネジ部が隠れるようになっています。

この部分の塞ぎは手順として確実に行う必要があります

具体的にはゴム輪を入れてねじ込み、ブチルテープを詰めて防食テープ巻きなどです。

 

とにかく管とツバとの隙間を埋めなければせっかくの被覆が意味をなさなくなりますから、間違っても忘れることのないようにしたいですね。

 

管の切り口はすぐ錆びる

VBでもDVLPでも、加工の際に切断した切り口は“生身”なので非常に錆びやすいです。

下写真はヤトイで取付けていたDVLPを3日後に外したものです。

もちろんヤトイなので面も取ってなければ錆止めも塗ってませんが、たった3日で下部に錆びが出てきているのが分かります

ネジ部と同様に、切り口にもしっかりと気を使ってあげましょう。 

 

ステンレスの指示金物をメッキのボルトナットやビスで固定しない

給水や冷温水など、配管は保温されることが多いですが、ほとんどの場合指示金物は露出しています。

露出しているということは、それだけ腐食しやすいということですから、異種金属の接触となってしまうことは避けるべきです。

今回のまとめノート

まとまった改修工事をやると、給水・排水のどちらも鋼管が腐食している箇所がありますよね。

中にはちょっとした振動で折れてしまったり、局部的に穴が開いているケースも見受けられます。

 

切替前なのに漏水してしまい、緊急対応に追われた経験のある方も少なくないと思います。

それらを踏まえると、施工時にどうしても雑になってしまいがちな錆止め塗りにも力が入りますし、異種金属接合にならないよう、絶縁処理を徹底しようと思いますよね。

 

もちろん、全く腐食を無くすことはムリですが、最善の施工をしてできる限り品質を保てるようにするのが、配管工としての務めではないでしょうか。

日々の作業の参考にしていただけるとありがたいです。

では、良い配管工ライフを!

 

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