配管工と監督って、切っても切れない関係ですよね。
どちらかしかいない現場というのは成立しません。
これは法律的なことだったり、施工と事務的な作業の棲み分けだったりが絡んでくるわけですが、何はともあれ監督と職人の関係が良好なほど現場もうまく進むのは間違いないでしょう。
それで私もこれまでに何十人もの監督と仕事をしてきましたので、職人から見た監督の良し悪しというのが分かってきました。
そこで今回は、完全に職人目線で、良い監督・悪い監督をまとめます。
現場をスムーズに進めるためのヒントにしてみてください。
職人から見た悪い現場監督
「悪い」と言うと聞こえが悪いかもしれませんが、要するに一緒に仕事をしたくない監督です。
経験が少なければそれだけ動きが遅いのは当たり前なので、どちらかというと人間性的な部分をあげますね。
- 確認が遅い
- 職人を見下している
- 八方美人になろうとする
確認が遅い
現場では監督に確認をお願いすることってかなり多いですよね。
例えば工程関連のことだったり配管ルートの変更だったり。
で、その確認結果を待ってる間というのは、作業が止まってしまいますから、職人としては非常に困るわけです。
まだ「ちょっと今日中には結論出ないです」とか「明日の打ち合わせで答えが出ます」みたいなことを言ってくれるならそれに合わせて動けます。
嫌なのは、すぐ確認しますと言ってから一向に連絡が来ず再度電話をしても全く出ないとか、次の日に「あの件どうなった?」と聞けば「これから確認します・・・」みたいなのです。
現場では監督に確認してもらうべきことが多々ありますから、この点は作業の進み具合を大きく左右します。
職人を見下している
会話をしていて、職人を見下しているような態度の人も良くないですね。
オレがお前らを使ってやってるんだぞみたいな。
こういう人はまず普通にムカつきますし、気持ちよく作業ができるわけがありません。
また、相手によって態度を変える人も同じですね。熟練の親方にはヘコヘコして、若い衆の言うことは無視するみたいな。
もしそんな監督に出会ってしまったら、本人を変えるのは非常に難しいので、上長に訴えるかその後の付き合いを一切やめるかですね。
八方美人になろうとする
人当たりがよくても、八方美人になろうとする人は困ります。
なぜなら、現場ではあっちにもこっちにもいい顔をしようとすれば、結局は両者が損をするなんてことになりかねないからです。
例えば実際にこんなことがありました。
地上15階建てのホテルの新築現場で、中間ピットから上階へのスラブ貫通(集合管による)をどの業者がやるのか?という話になりました。
我々は中間ピットを担当し、他の業者が上階を担当していましたから、その区切りがどこなのかハッキリさせようとしたわけです。
そこで、とある監督にどちらがやるのか確認したところ、私たちには「上階の業者がやるので気にしないでください」と言っておきながら、何とその業者に対しては「私たちに依頼してあるから大丈夫」と言っていたのです。
こいつが最終的にどこで折り合いをつけようとしたのかは分かりませんが、結局上下で地獄待ちになってしまい、全く関係ない別の手がやったみたいです。
現場では時間も資材もスペースも限られていますから、全ての職人がやりたいタイミングで作業ができるとは限りません。
必ず、他業種に待ってもらったり、こちらが待たなければならなかったりするわけです。
全ての人にいい顔をしようとすれば、必ず後々破綻することになります。
この辺りは見極めが難しいところですが、毎回良いことばかり言っている監督はちょっと疑った方がいいでしょう。
職人から見た良い現場監督
現場を進めている時は文句を言ったりケンカをしたりすることすらありますが、最終的には良かったなぁと感じた監督です。
- 仮設材の段取りが早い
- 他職種への根回しがうまい
- 職人のために本気になってくれる
仮設材の段取りが早い
作業をする上で必ず必要になってくるのが仮設材です。
台車・足場関係・高所作業車・照明・養生材などなど。
これらの段取りは監督にやってもらう(お願いする)ことが多いですが、テキパキ動いてくれると本当に助かります。
なぜなら、仮設材の有無は作業の進捗にモロに影響するから。
改修工事では養生材がなきゃ話になりませんし、高所作業は足場が無ければ絶対にできないのです。
1歩先の作業を読んで仮設材を手配しといてくれるような監督は最高ですね。
多職種への根回しがうまい
鳶さんやボード屋さんなど、他職種との絡みは必ず発生します。
例えば、配管がボードを貫通する場合や、配管が足場にぶつかるなどですね。
なのでその辺りの他職種との絡みで監督に相談することは多いのですが、すごい監督だとあらかじめ揉めそうな部分は断りを入れておいてくれたり、現地で職人と話して良好な関係を築いてくれていたりします。
なので実際に作業する時に職人間でのやりとりがスムーズなのです。
「あー配管屋さんね、監督さんから聞いてるよ!先にやって!」みたいな感じです。
職人のために本気になってくれる
やはり最後はこれでしょう。
どれだけ経験が浅くても、どれだけ文句を言おうとも、職人のために本気になってくれる監督は最高です。
明確な基準があるわけではないのですが、なんかこう分かるんですよね。本気の人って。
職人は毎日汗水垂らして、それこそキツくて危険な作業をしてるわけですから、本気で現場を良くしようと思っている人と仕事がしたいのです。
他職種が順番や打ち合わせで決めた内容を破ろうものなら、先陣きって文句を言ってくれたり、逆に漏水や作業の遅れがあった時には頭を下げてくれたり。
毎日深夜まで残業で大変なのに、そういうことができる監督は本当に心から尊敬します。
他の現場で会った時にもついつい「あの時はありがとね」と言いたくなるのです。
今回のまとめノート
監督と職人の関係は現場の進捗を大きく左右します。
さすがに監督を選ぶというのは難しいですが、今回の記事を参考に自分の中で好き嫌いを明確にしてみてください。
そしてこんな監督と働きたいと思う点があれば、それとなく今の監督に伝えてみるのもアリかもしれません。
全ては現場をより安全にスムーズに進めるためになりますから。
では、良い配管工ライフを!
こんにちは!
職人さん目線の監督についての記事非常に参考になります!
八方美人になることが非常に多いので注意します。
これからも参考にさせて頂きます!
ありがとうございます!!
ともんぴさん、コメントをありがとうございます。
お言葉嬉しいです。
今後ともよろしくお願いいたします。