耐火二層管の大口径(200A)の施工についてポイントをまとめる

この記事では?
大口径の耐火二層管(200A)の施工ポイントが分かります。接着です。

 

新築・改修を問わず、耐火二層管の接着をすることは多いですよね。

そのほとんどは太くても150Aですが、規模が大きいオフィスビルやホテルなどでは稀に200Aという大口径を扱うこともあります

 

200Aともなると特有の道具や施工時のポイントがありますから、ここでまとめておきます。

200Aの耐火二層管の接着に必要な道具

耐火二層管の接着は「被覆がある」こと以外は塩ビ管と同様です。

とてもザックリ言えば、「飲み込みの長さ×2の分だけ被覆を短く切断する」だけですね。

 

耐火二層管の一般的な注意点については、以下の記事にまとめてありますので、確認してみてください。

参考:耐火二層管(トミジ管)の配管施工でやってしまいがちな失敗3選

 

というわけで、200Aの耐火二層管に必要な特有の道具として取り上げるのは以下の3つ。

 

  1. 遅乾性の接着剤
  2. レバーブロック+ナイロンスリング
  3. ディスクグラインダー

1つずつ説明していきますね。

 

遅乾性の接着剤

継手とパイプの接続には接着剤を使用しますが、通常使用する「青のり」や「透明のり」は適していません。

なにしろ、塗る面積が広いので、塗っている間に乾いてきますし、非常に挿入しづらいからです。

 

そこで便利なのが、高粘度遅乾性の接着剤。

 

まず接着面に塗る際に高粘度なのでネバネバしていて広範囲になりやすいというメリットがあります。

また、すぐに乾いてしまうことがありませんから、時間をかけて(小口径よりは)満遍なく塗ることができ、挿入時も滑りやすいわけです。

 

ただし、遅乾性である分、挿入後の保持時間を長めに確保しないと抜ける可能性がありますから、その点は十分に注意しましょう。

 

レバーブロック+ナイロンスリング

200Aほどの太物になると、飲み込みは長い(105ミリ)ですし、重たいですし大きいですしまぁとにかく挿入しづらいのです。

なので人間の力では太刀打ちできないことを見越して、レバーブロックとナイロンスリングを用意しましょう。

 

 

この2つだけでも使えますが、一緒にカラビナも用意しておくと、引っ張り方のバリエーションが広がります

レバーブロックのフックやナイロンスリングを入れやすいように、ある程度の大きさで用意した方が良いでしょう。

 

ディスクグラインダー

パイプを切断した際に「面取り」は必須の工程になりますが、200Aともなるとさらにその必要性は増します。

とにかく滑らかに挿入ができるように、引っ掛かりをなくすだけでなく、「45度×5ミリ」くらいの感覚で大幅に面取った方が良いでしょう。

 

その際、手動のメントリーやカッターなどでは1本面を取っただけで1日の作業が終わっってしまいますから、ディスクグラインダーを用意してください。

鉄鋼用の削り刃を用意すれば、金物の面取りとも供用できて便利です。

 

200Aの耐火二層管の施工ポイント・注意点

ではここからは施工時のポイントや注意点について書いていきます。

塩ビ管の基本的な接着に関するもの以外について、大きく以下の3つについてまとめていきます。

 

  1. パイプ(継手)の納期がかかる
  2. VUとVPを明確に
  3. 挿入は人力では難しい

 

なお、通常の塩ビ管の接着手順については、以下の記事を参考にしてみてください。

参考:【塩ビ管の接続方法】のり付け用の継手を使った配管手順を完全解説!

 

パイプ(継手)の納期がかかる

100Aくらいまでの耐火二層管や継手であれば、そこまで納期がかかることはありません。

例えば遅くとも翌日には納品されるはずです。

 

しかし200Aともなると、パイプなら早くても中1日、継手なら中2〜3日かかることもしばしば

なので配管日から逆算して間に合うように、余裕を持った注文をしておくことが大切です。

 

そしてサイズが大きいですから、搬入用の台車や置き場などもいつもより多め(大きめ)に確保しておくべきでしょう。

ちなみに、VPの場合パイプ1本で41kgありますから、搬入時は1人では厳しいでしょう。

 

VUとVPを明確に

150Aまでの継手に関してはVPとVUの区分けというものはありません。(パイプについてはありますが、通常はVPでしょう)

ですが、200Aについては継手についてもVPとVUが明確に分けられており、注文時に指定することが必要になってきます。

 

例えば上図のように、DLならDLーUもしくはDLーDという具合です。

これを怠って意図しない方の継手が来てしまうと、更に納期を要して工期に影響が出ることもありえますから、確実に指定するようにしてください。

 

挿入は人力では難しい

前章でも触れましたが、200Aの接着を全て人力でやるのは不可能と言っても良いでしょう。

短いパイプに“おか”で接着するならいけるかもしれませんが、天井配管となればそうはいきません。

 

ですから、前章でご紹介したレバーブロック+ナイロンスリングを使ったり、当て木をしてハンマーで叩いたり、道具を駆使してください。

特に遅乾性の接着剤を使っていますから、ある程度人力で入れてから落ち着いて道具を段取っても十分に間に合います

 

1番良くないのは、焦ってパイプに直接フックをかけて曲げてしまったり、継手が割れてしまったりすることです。

なにしろ200Aですから、やり直しは大変なので避けたいわけです。

 

接着剤が乾燥するまでの保持やあらゆる状況を想定すると、レバーブロックは最低でも2つ、ナイロンスリングは500ミリ〜1,500ミリが2本ずつくらいあるのが理想でしょう。

 

今回のまとめノート

耐火二層管はメジャーな管種ですが、200Aの太物となるとかなりレア。

ただ、オフィスビルやホテルなどある程度規模の大きな建物の最下階では採用されるケースもあります。

 

さすがに100Aのような感覚で考えていると痛い目を見ますから、この記事で挙げたポイントは最低限押さえておいてください。

では、良い配管工ライフを!

 

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