最近の水道メーターはマンションなんかだとメーターユニットに取り付けられることが多いです。ものにもよりますが、通常メーターユニットの2次側には逆止弁が付いており、部屋内から水が逆流するのを防いでいます。
ではこの逆止弁が壊れて開かなくなってしまうケースとはどんな時でしょうか?もちろん、落とすなどして強い衝撃を加えたり、モルタルがガチガチに詰まったりすれば壊れますが、今回は「水圧テストにより破損する事例」をご紹介します。
※弁の内部が具体的にどうなってしまうかは分かりませんが、ここでは弁が開かずに水が出なくなってしまう事を破損としています。
水圧テストでメーターユニットが壊れる!?
給水(給湯)管は配管を終えると必ず水圧テストを掛けます。どのくらい圧をかけるかによりますが、この時に逆止弁に部屋内側から強い圧力がかかると破損する原因となるのです。(私がメーカーに問い合わせた中では、1.5MPaまではメーカーで確認しているとの事でしたが、メーカーにより異なります)つまり、注意しなければならないのは、部屋内のどこか(流し・洗面・洗濯・トイレなど)から圧をかける場合と、メーターユニットに代用管をセットして圧をかける場合です。
☑️部屋内から
もしかけるべき圧力が1.5MPaを超えるなら、確実に逆止弁に高圧がかかりますから、この方法は採用できません。
☑️メーターユニットから
※奥が1次側で手前の2次側に逆止弁が内蔵されている
水を送る時と圧がかかっている時は弁が開放なので良いですが、注意すべきなのは圧を抜くときです。例えば1.75MPaで代用管から水圧をかけ、終了後にそこから圧を抜こうとすると、戻り水により逆止弁にテスト時と同程度の圧がかかってしまいます。それにより弁が“くってしまい”開かなくなると思われます。
ですから、圧を抜くときには必ず部屋内の蛇口から水を出すように注意しましょう。
対処方法
もし逆止弁が開かなくなってしまった場合の対処法ですが、やる事は簡単です。もう一度テスト時と同じか少し強いくらいの圧力をかけてやれば弁が開くはずです。ちょうど何かの蓋(例えばワインのコルク)がキツく閉まっている様な状態なわけですからね。万が一それでも弁が開かなくなってしまった場合にはメーターユニットを交換することになってしまいます。ちなみに大きい声では言えませんが、交換の際メーカーには監督さんからうまく言ってもらいましょう。
実は滅多にない
ここまで色々と書いてきましたが、実は普通の集合住宅で部屋内の水圧テストを、そこまで大きな圧力で行う事はほとんどありません。(大体が0.75MPa)ただ、現場によっては1.75MPaかけるケースがある事は事実ですから、その時は今回の記事を少しでも思い出して頂けるとありがたいです。
⇒水圧テストで最も注意すべき点は?
⇒手動テストポンプを使う時のポイント
PS
「水圧テストをやる時に必ず確認すべき内容」のチェックシートを作りました。
ぜひ現場でお役立てください!
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