こんな経験はありませんか?
ハンマードリルで躯体に穴を開けていたら、水が吹き出してきて「うわーっ、やっちまった!」
レシプロで鉄管を切ってたら、切り終わった瞬間に刃が跳ねて近くのポリ管を突っついてしまった・・・
新築工事ではまずあり得ないことですが、改修工事ではよくあることです。事実、私も配管工になってから何十回もそんな場面に出くわしています。そうです、“何十回”です。(自分自身と他の人がやった合計)
これは職人としての腕というよりは、やってしまっても仕方のない状況に原因があります。例えば以下です。
- 壁や床下に配管が隠蔽されている
- 躯体やシンダー内に配管が埋まっている
- ものすごく配管が混み合っている中で撤去をしなければならない
この様な状況では、どんなに腕のいい職人でも、絶対に事故を起こさないのは無理な話しです。
というわけで、前置きが長くなりましたが、今回は改修工事で給水管や給湯管を傷付けてしまった時の補修材料をご紹介したいと思います。
色んな現場で流用がきくものですから、いざという時のためにぜひ揃えておくことをお勧めします。
1.傷付けた箇所にそのまま使える圧着ソケット・ストラブ
普通の継手に比べてかなりかさばりますが、施工が簡単で使い勝手が良いのが圧着ソケットやストラブです。どちらも六角がなければ締めることができませんので、それだけはセットで用意しましょう。
また、サイズは場面に合わせて選ぶのが理想です。例えば、部屋内なら20A、外部の親メーター周りなら40A~50Aなどですね。
圧着ソケット
真ん中で割れるソケットのような形になっているもので、配管の傷付いた箇所を挟み込んで圧着します。
良い点としては、本体の範囲内であれば漏れている部分を挟み込むだけで施工が完了すること。そして継手の接続部も挟み込めることです。
逆に良くない点は、写真を見てお分かりの通り、締め付ける部分が外側に付いているため、かさばるということです。配管の周辺が狭いと圧着ソケット自体が入らないのです。
ストラブ
異種配管をつなぐ場合や、排水の仮つなぎなどでよく使用するのがストラブです。六角で締める点は圧着ソケットと同じですが、スリムな形状になっています。
上写真のオーソドックスなタイプ以外にも、真ん中で割れるタイプや、継手の接続部に使えるタイプがあります。
継手の接続部に使えるタイプ
ただ、すべてのタイプを揃えるのは現実的ではありません。そこでお勧めは、真ん中で割れるタイプです。このタイプなら圧着ソケットと同じような使い方もできますし、単純に接続にも使えます。
2.塩ビ管(HIVP)・ポリ管の継手とパイプ
鉄管は硬いのでドリルや斫りで傷付くことは少ないです。一方でHIVPやポリ管は柔らかいのですぐに傷ついてしまいます。
そこでHIVPやポリ管関係の継手とパイプを少量用意しておくと良いでしょう。もし鉄管を傷付けてしまった場合でも圧着ソケットやストラブと組み合わせて修理が可能ですしね。
HIVP関係
塩ビ管はそのまま埋設できるため重宝します。その反面、埋設されている配管を、斫りや穴開けで壊してしまうことが多いです。
継手としては13A、20Aのソケットとエルボが2、3個とパイプが半切り(2m)程度あれば十分だと思います。欲を言えばバルソケがあると、鉄管をやってしまった時に近くの継手から外して、HIVPで修理することもできるので重宝します。
ちなみに継手があっても「HIのり」がないとどうにもなりませんから、忘れずに用意しておきましょう。
ポリ管関係
大規模な改修工事を行う建物は、築何十年と古いことが多いので鉄管が多いです。それでもリノベーションされた部屋や水漏れ修理が行われた部屋は、ポリ管が使用されていることが多いです。
ポリ管は大きく架橋ポリ管とポリプデン管に分かれます。
ポリブデン管(オンダパーツ)
架橋ポリ管(オンダパーツ)
ポリ管は引っ張ったり曲げたり自由がききますから、ソケットを用意しておけば良いでしょう。樹脂製のタイプなら安価です。
架橋ポリ管用ソケット
3.古い住戸の給湯管に多い銅管関係
古い建物の給湯管は被覆付きの銅管が多いです。銅管は元々手で曲げられるほど柔らかいですし、埋設されていることも多いですから、よく事故にあいます。継手やハンダ付けの道具を用意しておくと良いです。
ハンダ付けの道具
銅管をハンダ付けするのに必要な道具は、以下の4つです。
これらにプラスして余裕があれば、リーマーと磨き用タワシも用意しておきましょう。
銅管継手
他の継手と同様に、ソケットとエルボが数個あれば良いかと思います。サイズは追い炊きを含めると10A~20Aくらいでしょう。
合わせてパイプも1mくらいでもあると、より良いです。
今回のまとめノート
改修工事では、斫り・穴開け・開口などにより給水管・給湯管を傷付けてしまう可能性があります。件数が多い多いほど、その可能性は高くなります。
ですから、いざという時のために補修材や継手を揃えておきましょう。今回ご紹介したのは以下です。
- 圧着ソケットとストラブ
- HIVPやポリ管の継手
- 銅管の継手やハンダ付け
どれも使わなかったとしても次の現場へ持っていけますし、そんなにかさばるものでもありませんから、改修工事の際にぜひ参考にしていただけるとありがたいです。
では、良い配管工ライフを!
こんばんは!自分がいつも使うのは補修バンドという砲金のボルトを締めるものです。確か圧着ソケットより安価だと聞いたことがあります。定かではありませんけど。。塩ビ、鉄管、ポリ管まで使えるので15と20は持ちあるってます。あとはLAを使いますね!また記事楽しみにしてます!
マリオさん、こんばんは。いつもありがとうございます!
確かに細ものなら補修バンドがありましたね!LAも使うことがありますね。
六角もいらないですし、対応としてはそちらの方が楽かもしれませんね。
勉強になります。
また色々とご意見・ご指摘よろしくお願いします!
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