住居内ダクトの勾配を確保せよ!

マンションなど住居内のダクトにはなぜ勾配が必要なのでしょうか?ここ最近、専門外とは言えダクトの配管をする事が多いのですが、排気にしろ吸気にしろ勾配を確保しなければならない事が面倒だなあと感じています。しかし実はこの勾配はとても重要であり、おろそかにすると大事になるケースもあると分かったのです。

勾配が必要な理由

勾配を付けなければならない理由は簡単です。それは「水が流れるようにするため」です。ダクトなのに水!?と思うかもしれませんが、ダクトの中に水が流れる事はあり得ます。そのほとんどは結露によるものですが、場合によっては激しい風雨による吹き込みもあるかもしれません。

そんな水がもしうまく流れないとなると、すぐにどうこうなってしまう事はなくても、溜まった水が地震などのタイミングで一気に漏れ出したり、換気扇や吸気口などから水が垂れてきたり可能性だってあるのです。

施工時の注意点

勾配の確保に際しては、基本的な考え方としては排水と同じです。ただし個人的にはうっすら勾配が付いている程度で良いと思いますし、現場によってはゾロ(水平)で施工する事もありますから事前確認は必須です。以下に最低限押さえておきたい点をまとめました。

☑特に注意すべきは?

1番やってはならないのは、浴室換気乾燥機の排気など特に湿気を多く含む配管で、水が溜まるような箇所を作ってしまう事です。以下の絵は極端な例ですが、吊バンドの位置や継手の接続時に意識しておかないと、すごく微妙に以下のような勾配関係になってしまうこともあります。

ダクト 水が溜まるポイント

☑勾配の計測

ダクトの勾配を測る時には、「はぜ」を気にする必要があります。以下の写真は厚さが1.6mmの肉厚のスパイラルなのでかなり出っ張っていますが、0.5mmの薄肉のスパイラルでも同じことです。

スパイラル はぜ

はぜの出っ張りは均一とは限らないですから、数カ所で測ったりはぜにかからないような小さな水平器で測る事をお勧めします。

☑ビスを打つ場合

継手の接続にビスを使用するかは現場によりますが、もしビスを打つなら真下は避けましょう。水が流れる場合は真下を通りますしビス穴から水が漏れる可能性があるからです。以下の絵は正面から見た際の理想的なビス位置(3点の場合)です。

ダクトのビス打ち個所

まとめ

住居内ダクトの勾配は、付けない現場も多いものの軽視できない事です。ダクトからの水漏れで天井内が水浸しになった事例も聞いた事があるくらいです。特に結露が予想される系統では必要になってくると思いますから、頭の片隅に入れといて頂けるとありがたいです。
スパイラルダクトの配管

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