衛生器具の器具付けにおいては、給水・給湯の接続といえばフレキ・ヘリューズ管・なまし管・ホースなどですよね。
その際には、ほぼ例外なく13Aの平パッキンを使用して、袋ナットをモンキーなどで締付けることで施工が完了します。
この作業だけ抜き取ってみれば、素人でも施工できるくらい簡単な事ですが、実際の現場ではこの部分から漏水する事が少なくありません。
そこで今回は、その漏水原因を私の経験も踏まえてまとめてみます。
パッキンが当たる面が平らでない
フレキでもヘリューズ管でも、平パッキンが当たる面は必ず平らでなければなりません(当然、止水栓や分岐水栓側も)。
ヘリューズ管やホースの場合には、よほど変な負荷をかけなければ曲がったりしませんので、まず心配はないでしょう。
注意すべきは自分でフレキを加工する場合。
しっかりと施工しないとパッキン面に凹凸が出てしまう事もあり得ますから、以下の記事を参考に平らな面を形成しましょう。
参考:フレキを作る時のポイント
既存のパッキンが中途半端に残っている
配管更新のために、一旦器具を外して再度取付けるようなケースでの話になります。
使われているパッキンがゴムパッキンであればそこまで意識しなくても大丈夫ですが、シートパッキンの場合はフレキ側か止水栓側にがっちり貼りついてしまう事があるのです。
古いパッキンは基本的には再使用はせず、カッターなどで綺麗に取り除いてから新しいパッキンを使います。
しかしながら、器具を外す時に急いでいて剥がしていなかったり、器具付けの際もよく確認せずに新しいパッキンをダブルで付けてしまう事があるということ。(下写真参照)
この時、古いパッキンが中途半端に残っている状態では、100%漏れます。
古いシートパッキンは汚くなるとぱっと見付いていないようにも見えますので、古いパッキンを捨てると言う事を意識しておくと良いでしょう。
パッキンのよじれや当たりが悪い
施工時にパッキンは問題なく入れたし、袋ナットもスムーズに締められたし、モンキーでしっかりと締めたから絶対に大丈夫!
と思っていても、通水するとじんわりと漏れる事があります。
なぜなら、止水栓のねじ面とフレキやヘリューズ管の面が多少ずれていたり、角度が異なっていたりする可能性があるから。
そうなるとパッキンがよじれたり当たりが悪くなってしまう事がありますので、漏れた時にはまずその面のずれから直すべきです。
以下のようにパッキンがよじれて漏れるケースがありました。
袋ナットの締め忘れ(手締め)
これに関しては、経験年数や配管に知識量などは全く関係ありません。
どんなに仕事が出来る人でも、配管工人生の中で1回も締め忘れをした事がないと言う人はいないと思います。
冷静な時には「そんな事絶対しませんよ」と思っていても、焦っていたり、ちょっと他の人に話しかけられたりして忘れてしまうのです。
一通り器具付けが終わった後に、念のため袋ナットを手で触ってみるなどして、確認を怠らないようにしましょう。
袋ナット部分からの漏れは、漏水事故と呼ぶほどのものではなく、被害もそこまで大きくなる事はありません。
ただ、それでも手締めでちょっと締めた状態で通水してしまいトイレが水浸しになるなどの可能性もありますから、最低限締め忘れだけはないようにしましょうね。
今回のまとめノート
フレキやへリューズ管を使った器具との接続は主流であり、今後も無くなることはないでしょう。
上記4つのケースを頭に入れておけば、接続部からの漏水は圧倒的に少なくなると思いますし、万が一漏水したとしても原因の察しがつくでしょう。
施工の参考にして頂けるとありがたいです。
では、良い配管工ライフを!
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