まずはココをチェック!配管の施工図面で確認すべきポイントを整理

どんな現場にも必ず存在し、なければ配管が成り立たないものがあります。

非常に重要なものですが、配管工自身が用意することは稀です。それは・・・

 

「図面」

もう少し細かく言えば、施工図面ですね。配管する時にルートや寸法を確認するために使っている、おなじみのアレです。

 

これがなきゃハッキリ言ってどうにもなりませんよね。

施工図面なしに配管できる人は、よっぽどのバカか配管の神様のどちらかです。笑

 

というわけで、今回はそんな配管の施工図面について、確認すべきポイントを整理します。

※町場では本当に図面がないこともしばしばですので、野町場を対象にしていると思ってください。

 

最低限必要な情報が揃っているか

図面をもらった時に最初に確認すべきは、最低限必要な情報が揃っているかです。

ごく当たり前のことにはなりますが、項目として例をあげると以下のような内容。

 

  • 作業対象の配管
  • 寸法(通り芯や間仕切り芯を基準とした配管の長さ)
  • レベル(配管の高さ)
  • 通りや間仕切りなどの基準

 

この辺りが載っていなければハッキリ言ってお話になりません。汗

なぜなら、いちいち自分で基準を探して寸法を追ったり、それを確認するために何度も監督と連絡を取ったりと、無駄な時間がかかりすぎるから

 

1つや2つレベルが載ってないくらいなら良いですが、パッと見ていくつも抜けがあるようなら、もう1度必要事項を記入してもらうように依頼(監督さんに)しましょう。

 

平面図と断面図の整合性が取れているか

シャフト内の竪管や天井高があって複数の配管がひしめき合っているような場合、平面図だけで施工するのはかなり困難ですよね。

そこで必要になるのが「断面図」

 

それで、断面図を見た時に注意すべきなのが、平面図との整合性です。

具体的には、配管ルート・寸法・レベルなどで、例えばレベルが平面図ではFL表記になっているのに断面図ではSL表記になっている、なんてこともしばしば。

 

私もこれまでに、断面図だけ見て配管していたら他の配管にぶつかってしまった(平面図が正しかった)、という経験が何度かあります。

図面が悪いといえばそれまでですが、結局は直すことになりますから、最初に確認しておくべきでしょう。

 

配管ルートを実際に現場で確認!

そこそこ規模の大きな現場でありがちなのが、現場を全く見たことの無い人が図面を描いているケースです。

または、出来上がった図面を持って、1度も現場を確認していないケース。

 

この場合に何がマズいかというと、図面だけ見ていると問題なさそうな配管ルートが、実際の現場では様々な障害のせいで、その通りに配管できないことが多いのです。

障害とは、梁・鉄骨・間仕切りの下地・他の配管・設備機器・足場の無い箇所など。

 

特に排水配管や通気配管は勾配の関係がありますから、途中で障害に気づいて最初からやり直しということもあり得ます。

少し前に、7メートルを超す高さで、100Aの耐火二層管の天井配管をやっていた時にこんなことがありました。

 

下(しも)から長いこと配管していき、やっと上階への立上りに近づいた時、最後の大梁に開いているはずの鉄骨スリーブが無く、高所作業車の上で青ざめました・・・

結果的には何とか迂回ルートで接続ができたのですが、もしそれができなければ最初からやり直しです。

 

全てを完璧に確認することは難しいですが、最初にざっくり配管ルートを現地で確認し、明らかに通らなそうな箇所や足場が無い箇所などは潰しておきましょう

 

古い図面をすぐに捨てない

最後に、図面の内容というよりは、古い図面に関する注意点をお伝えしておきます。

それは、「古い図面をすぐに捨てない」ということ。

 

なぜなら、図面は自分が配管した内容を“承認されたものだと証明する”ものだからです。

例えば、現場でよくあるトラブルとして、施工完了した配管が他のダクトや設備機器にぶつかる、ということがあります。

 

その時に、「こっちは図面通りに配管した!」と言っても、知らないところで図面を変更されていることがあるのです。

その際に自分が施工した図面を残していなければ何の証拠もありませんから、泣き寝入りするしかありません。

 

逆に施工した図面が残っていれば、間違った配管はやっていないわけですから、追加工事にするなり材料を持ってもらうなりする対応が可能です。

なので、職人として自分の身を守る意味でも、古い図面は極力捨てないようにするのが理想ですね。

 

職人の立場として監督を悪く言うつもりはありませんが、しれっと図面を変更して「いや〜、図面はこうなってますけど」みたいなことを言ってくる人もいますから。

 

今回のまとめノート

配管において、図面はどんな現場でも必須です。

大きい現場ともなれば、図面だけでとんでもないボリュームになって管理するのも一苦労ですよね。

 

ただ、図面は配管するためにもらうものですから、監督に依頼する時に箇所や用途をしっかりと伝えるのはもちろん、もらったらまず自分のほしい情報があるかを確認しましょう

特に今回お伝えしたポイントは最低限ですから、頭に入れておいてください。

 

では、良い配管工ライフを!

 

 

PS

図面上で長さを測る時によく使うのが「三角スケール」ですよね。

でもたまに図面が対応してない縮尺だったりしませんか?

 

それを解決できそうな、ちょっと面白いスケールがあったのでご紹介しておきますね。

折りたたみができる8面の縮尺スケールです。


※ 画像クリックで商品ページへ飛びます

 

三角スケールと比較すると強度は劣りますが、そんなに高いものではありませんから、たくさんの図面を扱う方は持っておいても良いかと思います。

 

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2 件のコメント

  • こんばんは!
    鉛のカールプラグが生産終了で泣いているのですが樹脂のカールプラグでオススメはありますか?(^^)

    • マリオさん、いつもありがとうございます!

      そうなんですよね。
      私も鉛はお気に入りだったのですが、手に入りにくくなってしまったので在庫をチマチマ使っています・・・

      樹脂製ですと、よく使うのは、「スタープラグ」か「エビモンゴ」です。
      スタープラグは形状がシンプルで使いやすいかなぁと思っています。

      参考になれば幸いです。

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