塩ビ管の配管において、竪管や横主管などの一部を補修するにはどうすればよいでしょうか?補修したい部分の近くに継手があればソケットなどを使用してそのまま配管することも可能ですが、曲がりなどが無いいわゆる「ぶん伸ばし配管」やシャフト内の竪管は行って来いがきかない、つまり地獄配管になりますから特殊な継手が必要になってきます。
補修用の継手LES(やりとりソケット)
補修の際に具体的に使用する継手は、「LES」とか「やりとりソケット」と呼ばれる継手です。
この継手は、一方は普通ののり付けが出来るようになっており、もう一方はゴムに挿し込む形式になっています。挿し込みに関しては、ゴム部と管に滑剤を塗布することでスムーズに挿し込むことが出来ます。挿し込み側の飲込みは全て飲込んでいる必要はないため、この部分を調整することによって地獄配管でも補修が可能となるのです。
具体的な配管手順
では具体的な配管手順ですが、今回は以下のように竪管の一部に問題があり補修したい場合を例に取りたいと思います。(継手などを含まない簡単な例です)
- 問題個所を把握し撤去する個所を墨出し(A~B)(①)
- 管を撤去し上下にソケットをのり付けする
- 下側のソケットにLESを乗せて「寸法」部分を計測し、ソケットとLESの飲込みを加算する(②)
※この時更に10mm~20mm短くした方が後の配管が楽です。 - 手順3の管をLESに奥まで挿入し上側のソケットにのり付けする(③A)
斜めから挿し込む形になるので手順3の調整が活きてきます - 上下の配管を少しあおりながらLESと下のソケットにのりを塗り、LESの飲込みを抜きながらソケットに挿入する(③B)
もし2人で配管出来る場合には、③Aと③Bを一気に行ってもかまいません。一人は上のソケットに挿入したパイプを抜けないように押さえるわけです。ちなみに、もっと配管を楽に出来るように短くしたらどうなのか?と思う方もいると思いますが、LESは最低でも管径以上は飲込んでいる必要がありますから、その範囲内であれば調整は可能です。
以上がLESを使用した配管の補修方法になります。なお、耐火二層管についても同様の配管が可能です(LESから抜いた部分の被覆補修は必要)。ぜひ施工の参考にして頂けるとありがたいです。
コメントを残す