鉛管と塩ビ管をつなぐ継手「MYジョイント」の使い方【改修工事】

鉛管は新築工事ではまず見ることはなくなりましたが、改修工事ではまだまだ目にすることは多いです。

排水の天井配管で、上階への立ち上がりが全て鉛管だったりします。

 

スケルトンにして全く新規の配管であれば特に気にすることはありませが、立ち上がりの鉛管部分に繋ぎ込みとなるとちょっと面倒ですよね。

そんな時に重宝する継手が、鉛管と塩ビ管を接続できる「MYジョイント」

 

今回はそのMYジョイントの使い方を解説します。

MYジョイントとは

 

MYジョイントは、鉛管を塩ビ管に変換でき、原理としては銅管のフレア接合のような物です。

写真のように、ナットタイプ(左)とフランジタイプ(右)の2つのタイプがあります。

 

この2つのタイプ、どちらが良い悪いというよりは、施工性の問題です。

ナットタイプならユニオンを接続するようにナットを締付けるだけですが、太物になればそれだけ大きなパイレンなどが必要になります。

 

一方、フランジタイプは13㎜程度のボルドを締付けるだけなので狭小箇所に向いていますが、4本を均等に締付けなければならない煩わしさはあります。

ですので、施工箇所の状況に応じて選択すべきでしょう。

 

塩ビ管の部分には、通常のDV継手やMD継手を接続することが可能です。

MYジョイントの施工手順と注意点

では実際にMYジョイントを使って、鉛管と塩ビ管を接続する手順をお伝えしていきます。

ナットタイプとフランジタイプのどちらもやることはほぼ変わらないので、分けずに説明しますね。

大まかな手順は以下。
※鉛管は真っ直ぐに切断してバリを取っておいてください。

 

  1. 接続部をベンドベンなどを利用して広げる
  2. MYジョイントに広げた接続部を差し込む
  3. 袋ナットを締付ける、またはボルトを均一に締め付ける
    ※状況に応じてシール材を使用します。

 

手順の中でポイントとなる部分や注意点を書いていきますね。

 

鉛管を広げる作業が全て

この接続方法の全てを左右するのは、手順1の接続部を広げる作業

なぜなら、この作業は面倒で時間がかかる上に技術を要し、接続口が金物に密着しないと簡単に漏れてしまうからです。

 

その際に使うのが、以下のような鉛管工具です。

 

鉛管の中に挿入してグリグリやったり叩いたりして、管口を広げるわけですね。

もしくは玄翁やプライヤーなどを使っても良いのですが、あまり強くグイグイやりすぎるとすぐに割れるので気をつけてください。

ここは優しく少しずつ均一に、根気強く広げていくしか無いです。

 

場合によってコーキングを使う

本来は鉛の柔らかい性質を利用して、金物に密着させることで止水します。

ただ、元々鉛管の損傷や歪みが激しい場合や、どうしてもうまく密着せずに漏水してしまう場合には、金物側にコーキングを使用します。

 

つまり、金物と鉛管が密着すべき部分にあらかじめコーキングを塗り、それをシール材がわりにするということですね。

先の配管を進めてしまうと自由が効かなくなることも多いので、個人的には必ず使用しても良いのではないかと思っています。

私自身、最初にコーキング無しでやった時には漏らしましたので。汗

 

やりがちなミス

もう1つ注意したいのは、「押さえ側の金物を接続口を広げる前に通しておく」こと。

これはバカみたいな話なのですが、狭小箇所での作業や焦っている時など、ついついやってしまいがちです。

 

当たり前ですが、接続口を広げた後では絶対に金物は入りません。

これを忘れると、せっかく時間をかけて丁寧に広げたのに、それを戻すか切るかして金物を入れてまた広げ直すという、超悲惨なことになります

私も2、3回はやってしまったことがあり、その時の絶望感はハンパないので、くれぐれも注意してください。

 

ひとまずはこれらの点を注意しておけば、漏水や二度手間になってしまうことは無いはず。

実際に施工する際には、もし初めての場合はいきなりやらずに、出来れば熟練者のやり方を1度見てからやってみることをおすすめします。

今回のまとめノート

今回は鉛管と塩ビ管を接続することができる、MYジョイントの使い方をまとめました。

古い建物では、未だに鉛管で施行されている配管が多いです。

 

理想はそれらを全て撤去して更新することですが、工事の状況によってはそうは行かないこともあるのです。

もしそのケースに出くわした際には、ぜひ参考にして頂ければと思います。

では、良い配管工ライフを!

 

Twitterでもコアな情報発信しています。フォローしてもらえると泣いて喜びます!

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です