浴室換気乾燥機の取り付け方法(一般的なタイプの手順とポイント)

マンションや都営住宅などの新築工事で、必ずと言って良いほど取り付けるのが「浴室換気乾燥機」です。

いわゆる“バスかん”と呼ばれるものですが、1部屋に1台で割とまとまった時間を要するため、効率的に取り付けていくことが求められます。

 

とは言え、機種によって多少の違いはあれど、押さえておくべきポイントはさほど変わりません。

今回はそんな浴室換気乾燥機の取り付けについて、オーソドックスな機種を例に解説していきます。

 

浴室換気乾燥機を取り付ける場所と前提条件

浴室換気乾燥機を取り付ける場所がユニットバスであるのは当たり前ですが、取り付けの位置は現場によってまちまちです。

ただ、通常は洗い場側の天井に点検口がありますから、浴槽側の天井中央付近に取り付けることになります

 

そして、ユニットバスや浴室換気乾燥機は設計段階で取り付けるものが決まっていますから、前提条件として取り付けに必要な処理は終わっていることとします。

具体的には以下のようなこと。

 

  • 浴室換気乾燥機が取り付けられる部分の天井開口
  • 天井開口部の下地処理(ビスを効かせるため)
  • 排気を行うためのダクト配管

 

つまり、このページでは浴室換気乾燥機をユニットバスの天井に取り付け、ダクトとの接続をするところまでにフォーカスしてお伝えしていくということです。

今回の場合はこんな感じ。

左側の長方形の開口が取り付け箇所で、開口からダクトが配管されていることが分かりますね。

ダクトが2本あるのは「副吸込み」有り、つまりもう1箇所の換気もできる機種だということです(例えばトイレなど)。

 

基本的な作業スタイル(足場)

取り付けの作業は、天井裏とユニットバス内に分かれます。

いずれの作業においても、洗い場・浴槽の床や蛇口類などの養生を徹底してください(通常はユニットバス屋さんが養生していると思いますが)。

 

天井裏の作業では脚立を使用し、点検口から頭を出してやるスタイルになるでしょう。

躯体面とユニットバスの天井間の距離(天井裏スペース)が狭いと、結構作業が大変です。汗

 

脚立は大きすぎると入らなかったり昇りにくかったりするので、4尺がちょうど良くておすすめです。

浴室換気乾燥機の取り付け手順

さて、実際に取り付け手順をお伝えしていくわけですが、今回取り付けるのが、こんな感じの機種。

具体的な機種名はあげませんが、はっきり言ってどんな機種も大差無いです。

左側にビス2本でパネルが設置されていますが、これは副吸込みの位置を調整するもので、副吸込みの数や部屋の間取りによって取り付け位置が決まります。

ではここから、順を追って説明していきますね。

 

全ネジの取り付けについて。

天井に打ったアンカー(またはインサート)に、全ねじをねじ込んで押さえのナットを入れておきましょう。

長さは天井から吊り込む位置(挟み込みのナットがくる位置)までの距離を測って算出します。

 

ベースの吊り込みと取り付け

浴室換気乾燥機の中には、本体をそのまま吊り込むのではなく、本体を取り付けるベースを設置するケースもあります。

今回の機種はそのベースがありますので、そこから解説しますね。

 

四角い枠に吊り用の金物を4箇所ビス止めしたのが、今回のベースです。

開口部に引っ掛かるとこんな感じ。

 

防振用のゴムが付いている部分に全ねじを通し、四角いベース部が天井にピッタリついて動かなくなるくらいまでナット(下部)で吊り上げます。

 

防振ゴムが付いていますから、ナットは完全に締め付けるのではなく、「少しゴムが潰れて指では回せない程度」にしておきましょう。

その分、下部のナットはダブルにしてしっかりと締め付けることで、緩みを防止します。

 

次に、ベースをユニットバスの天井にビスで固定します。

ビスを打つ場所は決まっているので、それにしたがって打てばOK。

 

ただし、上を向いて打つ形になりますから、インパクトの先端がズレて天井面を傷つけることの無いよう、真下に構えて慎重に打ちましょう

この際に切粉が出るので、出来るだけ掃除してください。

 

これでベースの取り付けは完了です。

矩(かね)が大事

本体を直接取り付ける場合もそうなのですが、ビスを打つ前に矩(直角・平行のこと)を見ることがとにかく大事です。

ユニットバスの壁からの距離をスケールで測りながら、位置を調整してください。

 

排気口・吸気口の設置

排気口・吸気口は、本体に直接取り付けるタイプもありますし、今回のようにベースにあらかじめセットしておくタイプもあります。

 

いずれにしても、ほとんどが所定の穴にツメを引っ掛けるだけです。

 

この引っ掛ける穴がベースに開いているか本体に開いているかの違いです。

 

本体の取り付け

本体をベースの中に入れ込むように持ち上げて、天井面にビスで固定していきます。

ベースがある場合は既に矩が出ていますが、直接本体を取り付けるタイプならここでしっかりと矩を確認してください

 

先ほど取り付けた排気口・吸気口が本体に密着していることを確認してからビスを打ちます。

1人で持ち上げてビスを打つのは大変そうな気がしますが、ほとんどの場合、仮にぶら下げておけるようになっていますから、それをうまく利用してください

 

ビスを打った箇所を天井裏から見ると、こんな感じになっています。

 

なお、吹き出し口の方向は決まっていますから、洗い場・浴槽の位置関係をよく確認し、向きを間違えないようにしましょう。

 

ダクトとの結び

排気口・吸気口とダクトを接続します。

接続には、フレキシブルダクト・ブチルテープ・アルミテープを使います。

 

フレキシブルダクトは自在に曲げて伸ばして配管できるため、とても楽に接続することができます。

手順としては以下のような感じです。

 

  1. 継手側と排気口、給気口の飲み込みのキワ部分にブチルテープを巻く
  2. フレキを飲み込みまで挿し込む
  3. 接続部を隠すようにアルミテープを2周ほど巻き、指でよく密着させる

 

現場によってはビスを打つように言われることもありますが、この手順だけでもそう簡単には外れません。

ちなみに、都営住宅などでは実管で接続することもありますから、その点は頭に入れておいてください。

 

カバーの取り付け

ほとんどの機種には、最後に取り付けるカバーが付属しています。

カバーに関しては特に難解なものは無く、引っ掛けるだけとか、ビスで止めるにしても2点だけとか、そんなレベルです。

 

とにかく最終的に見えるものになりますから、割ったり汚したりしないよう注意してください。

 

リモコンの結線と取り付け

浴室換気乾燥機はユニットバスの入り口付近(外側)にリモコンを取り付けるのが一般的です。

リモコンは現場によっては電気屋さんや計装屋さんが全てやってくれるケースもあります。

 

ここではすごく細かくは書きませんが、取り付ける位置さえ分かっていればそんなに難しくはありません。

付属のリモコン線を本体に接続し、壁の中に仕込んだボックスに通線しておけば良いのです。

 

上の写真はリモコンの取り付け位置に仕込まれたボックスで、壁の中をリモコン線が通っています。

天井裏では浴室換気乾燥機にリモコン線が接続されているわけです。

 

通線やボックスの仕込みは自分でやらないことが多いですが、覚えておいても損はないでしょう。

効率化するためのポイント

浴室換気乾燥機の取り付け自体は、メーカー渾身の取説がありますから、初めてでも時間をかければ可能です。

ただ、実際の現場では工期に追われていることが多いですし、1度に何十台と取り付けることもありますから、とにかく効率的な作業が求められます

 

そこで、作業をより効率化するポイントをご紹介します。

 

天井のアンカーは先に打っておく

先に説明したように、天井からの吊りは全ねじ(3分)を使いますから、アンカーやインサートが必要になってきます。

もし、インサートが無いまたはズレているならアンカーを打つことになるのですが、これは出来るだけユニットバスが設置される前にやっておきましょう。

 

なぜなら、ユニットバス設置後は粉塵養生をしなければなりませんし、天井裏のスペースが狭くて非常に作業しずらい可能性があるからです。

先にアンカーを打っておけば、取り付け時にハンマードリルを持ち歩かなくてもいいですし、音出し作業をしなくて良いというメリットもありますね。

 

可能な限りユニットバスの直後に取り付ける

一般的なマンションや都営住宅などなら、躯体が打ち上がった後の施工順序は、大まかに以下のようになっています。

 

  • 竪管を立てる
  • 転がし配管をする
  • 階壁などの区画壁
  • 区画貫通や壁に近い箇所の配管
  • ユニットバス設置
  • 間仕切り・造作
  • 壁・天井ボード
  • クロス・床仕上げ
  • 器具付け

 

この中で、浴室換気乾燥機を取り付けるタイミングは、ユニットバス設置〜間仕切り・造作の部分です。

で、理想はユニットバスが設置されたら間髪入れずに取り付けること。

 

なぜなら、間仕切りが無ければユニットバスの外側からフレキを接続したり、人数がいれば2人で協力して取り付けたりできるからです。

工期の無い現場では軽量屋さんとカチ合うこともありますが、この辺りは譲らずに攻めた方が良いと思います。

 

複数台・複数人なら作業分担する

特に新築現場では、1台取り付けて終わりということはまずありません。

何せフロアごとに工程が進んでいきますから、数台〜数十台を一気に取り付けることも多いもの。

 

なので人数がいる時は同じ作業をまとめて、作業分担した方がはるかに効率的です。

例えば今回ご紹介した機種を3人で10台取り付けるならば、私なら以下のように分担します。

 

  • 3人で各部屋に間配りする
  • 1人梱包バラシ・1人ベース組み立て・1人吊り金物(全ねじ、ナット、ワッシャー)段取り
  • 1人吊り棒ねじ込みと金物間配り・1人追っかけベース取り付け・1人追っかけで本体取り付け
  • 先行している作業の人から終わったらダクトの結び

 

これはあくまでも一例なので、現場の状況や人数に合わせて色々と考えてみてください。

今回のまとめノート

浴室換気乾燥機は、最近のユニットバスには必ず取り付けると言っても良いでしょう。

ですから配管工をやっていれば、取り付ける機会が出てくると思います。

 

基本的な流れはこのページの内容で網羅できているはずですから、ぜひ参考にしていただければありがたいです。

では、良い配管工ライフを!

 

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4 件のコメント

  • こんばんは!
    つい先日1級配管技能士を受けてきたのですが、塩ビでチーズを付けなければ行けない所をエルボにしてしまい、教官に伝えたら漏れなきゃOKだから炙って外して再開しな!と言われて外して再開しました、そこ以外は完璧に作れたのですが一度挿した継手、パイプなので不安です。水圧テストはその日にかけるのですかね?聞いても分からないとか多分今日とか曖昧なことを言われました。。何回も練習してただけに、悔しいです(><)
    と、愚痴らせて頂きました(笑)

    • マリオさん、いつもコメントをありがとうございます。
      1級配管技能士、受験されたのですね!

      そんなことがあったのですか。それは大変でしたね・・・
      正直なところ、私の知人もたくさん受験していますが、マリオさんのような事例は聞いたことがありません。

      そして水圧テストをいつどのようにかけるのかも、よく分からないのです。
      何せ、10年以上の経験があり腕が良い仲間の職人が受けた時も、絶対の自信があったにも関わらず落ちました。
      その一方で銅管のハンダ付けで塩ビが焦げたと言っていた人が合格していたり。。。

      実技に関しては評価基準に謎が多いですね。
      マリオさんの場合、教官がOKだと言ったならばその点は問題ないと思います。

      合格発表までは時間が空きますが、こればかりは信じて待つしかないですね。
      たくさん練習したなら大丈夫ですって!

      • こちらこそ返信ありがとうございます(^^)
        色々と調べましたが審査基準はやはりよくわからないですね。。地域毎で違いもあったりしそうですし(><)
        ありがとうございます励みになります!

        ps 毎日間違えたところの夢を見ます。やはり何となく分かっていても図面をちまちま見ることは大事という事を今一度教えて貰った気がします(笑)

        • 地域によっても違いがあるのですね。
          うまくいかなかったり、失敗したと思ったりした時が、成長のチャンスなのかもしれませんね。

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