ステンレス管は衛生配管や消火配管などあらゆる場面で使用され、取り扱う頻度はかなり多いのではないでしょうか。
今回はそんなステンレス管の接続方法について、薄肉と厚肉に分けて全10種類をご紹介します。
※私がよく現場で行っているものです。
※溶接については記載していません。
薄肉ステンレス鋼管(13~60A程度)の接続方法
薄肉のステンレス配管は新築・改修によらず非常に需要が多いです。軽量で耐食性があり、給水・給湯の両方に使えるのも多く採用されるポイントでしょう。
継手の種類としてここでは以下の5つをご紹介します。
- ナイス
- Z-lok
- モルコ
- アバカス
- BKジョイント
それぞれの特徴とメリット・デメリットをご紹介していきます。
ナイスジョイント
1番よく使う、というかSUS管と言ったらほぼこれではないでしょうか。
専用の拡管機を使用して管を膨らまし、袋ナットを締め込む接続方法です。拡管機は写真以外にもハンディタイプのものや、置き型のものなどがあります。
拡管機のアタッチメント交換が面倒ですが、拡管が失敗することはまずありません。
パッキンがよじれたり切れたりでもしない限りは漏れることもありませんし、部分的なやりかえもできるため施工性が非常に良いです。
パイプレンチでの締込みの際に、管が回って方向が狂ってしまうのと継手に付いているゲージやパッキンが落ちてしまいやすいのが難点ですね。
参考:ナイスジョイントの施工
Z-lok
こちらもナイスジョイントと同様に、拡管機を使用し袋ナットを締め込みますが、機械の使い方と、管の膨らみ方が異なります。フレア接合のように管先が膨らみます。
拡管機のアタッチメント交換はナイスジョイント以上に面倒で、おそらくこれに勝る機械はそう無いと思います。
1回の拡管時間も結構長く、止まったと思ったらまた動き出すような特徴的な動作。
仕組み的にはとても信頼性が高く、継手のゲージやパッキンが落ちることもほとんどありません。
モルコ
専用の機械を使用して接続します。最近あまり見なくなったように思います。
プレス機の使い方さえ間違えなければ自動的にやってくれますから、自分んで締付ける必要はありません。
首が曲がるとはいえ、プレス機に大きさがありますので、狭小箇所での施工には向いていません。
アバカス
他の継手とは少し異なり、特有の機械は使用しません。継手に管を差し込み、パイプレンチで締めつけます。
継手
拡管の必要が無いため、管を切断し面を取るだけで加工がとても簡単です。
管を継手に挿しこみ、口元を締付けます。管が供回りしてしまうことがあるので、場合によってはパイプレンチで管を押さえる必要があるかもしれません。
BKジョイント
ステンレス配管のBENKANさんがメーカーであるBKジョイントは、仕組みとしてはナイスジョイントに似ています。
拡管機の形式やアタッチメントの交換はナイスジョイントよりも簡単だと感じます。
継手のパッキンがOリングなので、完全に締め付けてもクルクルと回る性質があります。
参考:【SUS管】薄肉ステンレス配管「BKジョイント」の施工方法とポイントを整理
厚肉ステンレス鋼管の接続方法
厚肉のステンレス管は、薄肉に比較するとかなり使用頻度は少ないかもしれませんね。管自体にも重さがあるため、運搬時や配管時に気をつけましょう。
ご紹介するのは以下の5つです。
- ねじ込み
- MD
- グロージョイント
- ハウジング継手
- フランジ
ねじ込み
鉄管と同様に、管にねじを切り専用のシール材を塗布してパイプレンチで締めこみます。鉄管のねじ込みと特に変わりはありません。
旋盤を使用してねじを切る際にステンレス管用のチェーザを使う必要があります。
MD
鉄管の場合と施工要領は変わりませんが、異種金属接合にならないようにクッションパッキンを使う必要があります。
グロージョイント
加工管になりますが、施工はとても簡単です。片方の管にもう一方の管を差し込み少し回してからクサビを打ち込むだけです。
ハウジング
こちらも基本的には加工管になりますが、機械を使用してグルービングと言われる独特の溝を作ることで、現場でも加工可能です。
インパクト(インパクトレンチ)を使ってナットを締付けるだけなので、配管はしやすいです。
グルービング加工を現場で行う場合、古い機械だと非常にシビアな操作を要求されることがあります。
フランジ
こちらも加工管になりますが、接続はフランジをボルトナットで締め付けて行います。
大口径の加工管に多く採用されています。
今回のまとめノート
ステンレス配管は新築・改修によらず現場で広く採用されています。
今回は薄肉から5種類・厚肉から5種類の計10種類の接続方法についてまとめました。
配管工ならステンレス管は必ず施工すると思いますので、ぜひ押さえておいてくださいね。
では、良い配管工ライフを!
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