ビス(ネジ)が効かなくなった時の対処方法【補強と代替案6選】

配管作業において、ビス(ネジ)で何かを止めるというのはよくある事です。

特に器具付けでは、まったくビス止めをしないという事はまずありませんし、このビス止めこそが鍵になるのです。

 

なぜなら、ビス止めは何かを固定するためですから、そう簡単に外れてしまうようでは使い物にならないから。

つまり必ずビスを効かせる必要があるのですが、実際の現場ではビスが効かない(効かなくなる)事が多々あります。

 

そこで今回は、ビスが効かない時の対処についてまとめます。

ビスとネジについて

ビスとネジは厳密には異なるものですが、ここでは同じと捉えていただいて構いません。この後はビスと表現します。

ビスをそこに打たなければならないかを考える

ビスが効く面というのは決まっていて、コンクリート・木・鉄板・ブロックなどです(ボード面は効きません)。

そして効かなくなる原因とは、ビスの径より穴が大きくなってしまうこと。

 

それを踏まえた上で、まずは「ビスを同じ位置に打たなければならないか」を考えてみてください。

例えば少し位置をずらしたり、固定穴を90度回転させたりしてみるわけです。
ビス穴の位置を90度回転させるイメージ場合によっては取り付け位置をビスが効く箇所までずらしてしまうのも選択肢の1つです。

少し大きいビスを使う

ビスが効かなくなってしまった原因が「穴が大きくなってしまったこと」なら、ビスを一回り大きくするという手段も考えられます。

例えば、5㎜の穴に4㎜のビスでは“スカスカ”なのは当然ですよね。なのでそこに6㎜のビスを使おうという単純な考え方です。

 

ただしこの方法の難しいところは、数あるビス径の中から効くであろうものを選定しなければならないこと。

特に、新たに買うわけでは無いバラバラのビスの中から、適当なモノを探すのには熟練の職人でも簡単ではありません。

 

また、ビスが太くなるということは、以下のような点にも気をつけなければなりません。

 

  • 頭の大きさも大きくなる
    隠れなくなる、カバーなどの部品が付かなくなる、といったリスク
  • 取付物の方の穴も広げなければならない
  • 材質によっては割れたりヒビが入ったりするリスクが高くなる

 

これらの点を踏まえた上で、あくまでも簡単に済ませる対応であるという点は、分かっておいてください。

ビス穴に何かをかませる

これが1番オーソドックスな方法かもしれません。

ノンプラグビス(俗称ビスコン)などには、あらかじめ効かなくなった時に穴に入れて使うプラ板みたいなものが付属している事があります。以下のような感じ。

ノンプラグビスについてくるオマケのイメージ

 

これを広がってしまったビス穴に充填することで、ビスの空回りを防ぐというわけです。
※上記の製品は「WAKIのビスピタ」とうものになります。

もちろん、わざわざ専用の“詰め物”を買う必要はなくて、ビスが空回りしなければ何でも良いです。

 

よくやるのは、割り箸のかけらみたいな木片を突っ込んで効かせる方法。

ですが、木片は腐ってしまう可能性がありますから、できるだけご紹介したような樹脂製のモノを使いましょう

アンカー類を使う

石膏ボード面はそもそもビスが効きませんので、ボードアンカーを使うことが前提となります。

コンクリート面に関しても、何度もビスを抜き挿しする可能性がある場合や、穴が大きすぎる場合にカールプラグを利用します。

 

カールプラグは種類がたくさんありますが、製品のパッケージや取説に対応するビスの種類や下穴径が記載してありますから、それに従った施工をするのが基本です。

ひと昔前は鉛製のプラグもあったのですが、最近では樹脂製が主流になりました。

 

穴が大きくなりすぎてしまった場合でも、カールプラグの下穴径より大きくなる事はまずありえませんので、割と使える手段です。

ビス以外の固定を検討する

取り外す可能性がほとんどないものや、軽量のものは、ビスで止める必要はないかもしれません。

つまり両面テープやボンドを使用するわけです。

 

この方法の欠点は、外しにくくなってしまう点と、外した箇所が汚くなってしまう(場合によっては壊れる)点

ですので、それが許容される場合にのみ採用しましょう。

 

最近は両面テープでも多用途で強力なものがたくさん出ていますから、万が一の時のために1つは持っておいてもよいかもしれません。

コーキングを使う

これは最終手段とも言える方法です。

たまに器具を外そうとして、壁や床に接する箇所にびっちりコーキングが回っていたり、ビス穴にがっつりコーキングが詰まっていたりすると、ハズレ感が半端じゃないですよね。

 

コーキングは、打ったばかりの時は不安でも、乾くと想像以上の強度を発揮するもの。

割と穴が大きくてビスがスコスコだったとしても、コーキングを詰めてビスを入れておけば外れる事はないでしょう。(と言うよりなかなか抜けなくなります)

 

ただし、繰り返しになりますが、コーキングは正規の手段ではありません

ですから、監督がオーケーを出しても、施主からみたらイメージが悪いですし、外すのに相当苦労しますから、出来る限り使わない方が良いでしょう。

 

もちろん、水の侵入を防ぐ意味でのコーキングは問題ありませんよ。

使うならクリアやホワイトが目立たなくて良いでしょう。

今回のまとめノート

ビスが効かなくなる、というのは現場では結構あることです。

実際の作業時には、すぐに材料や道具が揃わないこともあるため選択肢が限られますが、「その時に最良の選択」を監督や場合によってはお客さんも含めて検討するべきでしょう。

 

場合にょっては後日再対応という事も考えられますが、面倒でも最善をつくすことで、忘れたころにクレームが来るような事態は避けられます。

では、良い配管工ライフを!

 

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