どんな現場でも、監督とのコミュニケーションは必ず発生しますよね。
小さな町場でも監督はいますし、サブコンがいる野丁場なら1日の作業の中で何度も監督とやりとりするでしょう。
つまり、監督とのやりとりが現場の流れを大きく左右するということ。
だって考えてみてください。
躯体やコンクリート打ち、内装仕上げなどの工程もはっきりせず、職人同士がその場の口約束で作業を進めて行ったらどうなるか?
もうグチャグチャになるのは目に見えてますよね。
そこで今回は、そんな現場の要(かなめ)となる監督とのコミュニケーションについて、私のこれまでの経験を踏まえつつうまく円滑に進む方法(考え方)をご紹介します。
監督はロボットではない、上から目線はNG
まず大前提として、最初にお伝えしておきたいことがあります。
それは、「目線を同じにする」ということ。
実際の現場で監督と職人との会話を聞いていると、上から目線の人が多いことに驚きます。
もちろん職人の平均年齢は高く、逆に現場で動く監督は若手(20代〜30代くらい)が多いため、職人の方が経験や知識が豊富なのは事実です。
しかし、あからさまに「〇〇確認しとけよ!」「そんなことも知らねえのかよ!」みたいな態度をされて、気持ちよく言うことを聞ける人がいるでしょうか。
普通に考えれば嫌ですし、陰で散々文句を言われて後回しにされるでしょう。
そりゃ現場では毎日忙しいですし、確認してくれないと作業が進められず遊んでしまうこともありますから、強く言いたくなる気持ちも分かります。
毎日のように残業しているような状況で、なかなか質問の答えが返って来なかったら腹が立ちますよね。
だから要件やこちらの意図を正確にしっかりと伝えるためにも、以下のような点を押さえておくと良いです。
- 相手を人として尊重し、対等な目線で喋る
- いつまでに確認して欲しいかを明確に伝え、厳しい場合には一旦連絡をもらうようにする
- 自分が欲しい回答を得られた時には、しっかりと感謝の気持ちを伝える
- 作業に支障がないレベルで雑談をする(緊張をほぐす)
ただし、確認の期限を何度も忘れたり人の話を気持ち半分で聞いているような監督は、しっかりと注意しましょう。
こちらがせっかく頑張って伝えているのにナメた態度をとっているなら、逆にそこはビシッと言ってあげるべき。
人から対価を得ている仕事であり、竣工に向けて1つの巨大なプロジェクトを成し遂げようとしている仲間である以上、きちんとメリハリはつけてください。
2倍で要求し、0.5倍で期待しておく
よくこんな格言を聞くことがあります。
「100点が取りたいなら120点を目指す。100点を目指すと80点しか取れない。」
これって本当にその通りだなぁと感じていて、人間てどうしても途中でサボってしまったり他人に邪魔されたりして、最初から最後まで100%でやり通すのってかなり難しいんですよね。
これは人間ならほぼ例外は無いわけで、つまり相手にお願いしたことに対して100%満足できる結果を求めるのはちょっと自己中かなということ。
ましてや、通常は1人の監督が数人〜数十人の職人を相手にしているわけですから、それだけ意識は分散しますよね。
なので、要求に対して満足のいく結果が欲しいなら、まずはダメもとで1.5倍〜2倍で要求をし、それでいて期待値は0.5倍くらいで思っておくと良いです。
例えば、後工程が迫っている中での配管作業で、自分が配管する時間が1日欲しいとします。
そしたら監督には2日は欲しいと伝えておくわけですね。
そうすれば、もし要求の半分の時間しか確保できなかったとしても、当初必要だった1日は確保できます。
心の中では1日あれば終わることは分かっていても、トラブルがあった場合や全体的な工程がタイトな場合を想定して、余裕を見た日数を打診しているのです。
自分が心の中で思っているだけですから、別に他の誰かが損をすることはありません。
「2倍の要求→0.5倍で期待」を心がけていれば、よほど突拍子もない回答ではない限り想定内で収まるため、腹が立つこともグッと減りますよ。
いずれにしても、監督への確認事項に対しては期待値を低めにしておくのが得策でしょう。
これは監督の能力が総じて低いというわけではなく、人間としての処理能力の限界や設計的な収まり(物理的な)の問題がほとんどなので、それとコミュニケーションとは切り離して考えましょうね、ということです。
話しかけてもらいやすい人間になる
最後はコミュニケーションの基本とも言える内容をお伝えします。
ちょっと思い返してみてほしいのですが、あなたが「話しやすい人」「話しかけたくなる人」ってどんな人でしょうか?
様々な意見があるかとは思いますが、概ね以下のような感じかと思います。
- 物腰が柔らか
- 喋り方に棘がない
- こちらの話を真剣に聞いてくれる
- いつも笑顔で明るい
- ポジティブな内容が多い
- 目を見て話してくれる
- 適度なリアクションがある
- 話していて楽しいと感じる
ざっと挙げただけですが、こんな人なら私だったらずっと話していたいと思うでしょう(元々人と会話するのが好きな性格なのもありますが…笑)。
で、何が言いたいのかというと、「人は苦手な相手とはまともに話せないし、心からその人のために頑張ろうとは思わない」ということ。
つまり監督から苦手意識を持たれるような話し方や態度をとっていたら、間違いなくあなたのために全力で動こうとしてくれることは無いわけです。
もちろん、「なんで監督に気を遣わなきゃなんねんだ!」とか「実際に仕事が出来ないんだから腹が立つのはしょうがないだろ!」などの思いもあるかもしれません。
ですが、それを露骨に感情に任せて表に出すのではなく、できるだけ落ち着いて逆に分からないことがないか聞いてあげるくらいの寛容さが必要です。
危険な作業や過酷な環境での作業もありますから、ある程度の厳しさはあって当然ですが、“人を動かす”には相手の立場で考えたり良い部分を見たり、時に褒めたりすることが大切。
常に眉間にシワを寄せてピリピリしながら作業するのではなく(私は結構そのタイプww)、配管を楽しみながら時に雑談も交えたりしながら作業する方が、結果的には良いものが出来上がると思います。
話しかけてもらいやすい人になれば、監督も変に力まずいつも以上のパフォーマンスを発揮してくれるでしょう。
そのためにもまずは、出来るだけ口角を上げてみる(笑顔でいる)ところから意識してみてください。
私もよく「怒ってるの?」と言われるので、絶賛練習中です。笑
今回のまとめノート
もしあなたが「現場の監督が思うように動いてくれない・・・」と感じているのなら、罵倒したり職人仲間に愚痴る前に自身を振り返ってみてください。
監督も立場は違えど、あなたと同じ1人の人間ですから、苦手な人とはまともに話せませんし嫌いな人のために頑張ろうとは思えないのです。
逆にコミュニケーションが良好ならば、できる限りのことはしたいと思いますし、こちらの意図や要望もしっかりと伝わるもの。
ぜひこのページの内容を参考に、日々の監督とのやりとりを振り返ってみてください。
では、良い配管工ライフを!
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