ハンマードリルと言えば、現場ではめちゃくちゃ出番の多い電動工具の1つですよね。
配管工としては、無くては仕事にならないと言っても良いくらいです。
今回はそんなハンマードリルの種類や用途について解説していきます。
基礎的な部分からになるので、そんなこと分かってるよ!という方は読み飛ばしてくださいね。
ハンマードリルの基本的な機能
ハンマードリルは、その名の通りハンマーとドリル、つまり叩く動作と回転しながら穴をあける動作を同時にこなすことができる電動工具です。
この動作により、主にコンクリート面に穴をあけたり削り落としたりする作業に重宝します。
充電式とコード式の2種類ありますので、それぞれの特徴をあげておきます。
コード式
文字通り、電源に接続して使用するタイプです。
※HIKOKIより
コード式のメリット
- 電源さえあれば使い続けられる
さすがに長時間回しっぱなしは、破損の原因になるので限度がありますが - パワーがあり安定している
家庭用電源ではブレーカーが落ちてしまう可能性があります - 本体が充電式に比べて安い
コード式のデメリット
- 電源がなければ使えない
発電機で作業することもありますね - スイッチを離しても惰性で回る
キリがくってしまった時に本体が回るので危険
ドリルのキリが「くってしまう」とは、穴あけ中コンクリートなどにキリが引っ掛かり回らなくなってしまうこと。キリが回らなければ本体が回ってしまうので、コードが絡まったり手を捻挫や打撲する恐れがあるのです。
充電式
充電式の電池で動作するタイプです。
※MAXより
充電式のメリット
- 電源が無くても使える
電池の充電は必要(家庭用電源で充分に可能) - スイッチを離すと回転が止まるので安全性が高い
キリがくってしまった時に本体が回らない - 集塵機を取付けられる機種では粉塵がほとんど出ない
粉塵が隙間に入ると機械にも良くない
充電式のデメリット
- 電池の減りと共にパワーが弱くなる
もしくは急に動かなくなる - 電池を充電できなければ、電池切れで終了
長時間作業する際は複数個の電池が必須 - 本体価格が高い
ビットの取付けについて
ビットは、ハンマードリル本体の先端部分に取付けて使用する刃の総称です。
ハンマードリルのビットは、差し込み部分(シャンクという)の形状が3種類に分かれます。
どの形状が良い悪いということではなく、注意しなければならないのは、各機種に合わせたビットを選択すること。
例えば、六角シャンク対応の機種にSDSプラスのビットは取付けられません。これはメーカーによらず共通です。
本体にもビットにも、どのシャンク対応かの記載がありますから、必ず確認するようにしてください。
個人的な経験則ですが、通常よく使用するハンマードリルはSDSプラスシャンク、斫り機は六角シャンクのイメージが強いですね。
次の章からは、実際にハンマードリルを使って行う作業について説明していきますね。
ハンマードリルの使い方 〜キリやホルソーで穴をあける
まずハンマードリルの最たる作業といえば、キリやホルソーを取付けての穴あけでしょう。
キリというのは、コンクリートや木材に穴をあけるために、本体に取付けるドリルの俗称です。
様々な径があり、用途に合わせて選択します。
ハンマードリル特有の強く打撃する動作により、コンクリートのような硬い材質にも穴をあけることが可能です。
Panasonicさんの動画で分かりやすいものがありましたので、載せておきますね。
実際の作業にあたっては以下の点を確実に押さえておきましょう。
- 用途に合ったキリを使用(コンクリート用・木用・ALC用など)
- コンクリートは粉塵がすごいので、養生や保護具の着用を徹底
- 振動や騒音が出るので必要に応じて周知
- 使用直後のキリは高温なので火傷や溶けやすいものへの接触に注意
- 割れやすい材質には「回転のみ」の機能を使用
ホルソーを使った穴あけ
ホルソー(ホールソー)とは、その名の通り様々な穴をあけるためのビットのこと。
先にご紹介した3種のシャンク形状で、穴あけする材質や径に合わせたホルソーを選択します。
穴あけに関しては、以下の記事に詳しくまとめてありますので、ぜひ確認してみてください。
→配管での床・壁への穴あけを極める![コンクリート・ボード・木・金属]
ハンマードリルの使い方 〜アンカーを打つ
配管作業で支持金物の取付けに多用するのがアンカーです。
天井に吊りバンドを取付けたり、壁面に鋼材を取付けてUバンドで固定したりするわけですね。
アンカーはコンクリート面に穴をあけて施工するため、ハンマードリルが欠かせません。
よく使用するのは、3分用のショートアンカー(GTまたはCTアンカー)・オールアンカー・QCアンカーあたりでしょうかね。
なので、キリの太さとしては、10.5㎜と12.5㎜は無きゃ仕事になりません。笑
※10.5㎜のキリ 写真クリックでAmazonのページに飛びます
各アンカーの施工要領については、箱にも記載がありますし、箱が無かったとしてもネットで「〇〇アンカー 施工方法」と調べると分かりますよ。
例として、ショートアンカーの施工方法を載せておきますね。
※サンコーテクノ株式会社のカタログより抜粋
基本的には穴さえしっかりとあけることができれば、その後の手順はどれもさほど難しくはありません。
なのでまずは全章でお伝えしたポイントを参考に、しっかりと規定の穴をあけてください。
もし鉄筋などにぶつかって穴が浅くなってしまった場合は、くれぐれもそのまま使わずにズラしてあけ直すようにしてください。アンカーの強度が得られませんから。
それから使用するアンカーによっては、専用のキリがありますので、それを使えば作業効率が上がるケースもあります。
※ショートアンカー用の穴あけキリと打込み棒が一体となったもの 写真クリックでAmazonのページに飛びます
※オールアンカーを打込めるビット 写真クリックでAmazonのページに飛びます
ハンマードリルの使い方 〜斫る(はつる)
ハンマードリルは斫りを行うこともできます。
もちろん本格的に斫るなら、斫り機(電動ハンマー)の方を使用するべきですが、簡単なものなら大丈夫です。
そもそも斫りとは、すごく簡単に言えば、コンクリートをぶっ壊すこと。笑
そして配管作業に付随して発生する斫りは、大きく2種類あります。
- 貫通部の斫り:新規に穴をあけたり管が貫通している箇所を斫って撤去したりする
- 溝斫り:配管を埋設するための通り道(溝)を作る
※外構工事に伴うものは除きます。
それで、どちらも基本的には斫り機を使用しますから詳細は割愛させていただきます。
ここでは、穴あけやアンカー打ちに使っているハンマードリルで斫れる(斫った方が良い)場面を紹介しておきますね。
- モルタル埋めされている比較的柔らかい箇所
- ブロック壁
- 邪魔になるちょっとした出っ張り
- ドリルで穴をあけて崩せる箇所
基本的には比較的柔らかい面や、ちょっとした出っ張りなどが対象となります。
機種によっては打撃(ハンマー)のみの設定がありますから、それによって意外にしっかりと斫ることもできます。
※HIKOKIより
当然ですが、打撃のみの設定では、斫り用のビットを取付けて行ってくださいね。
※SDSプラス用の斫りビット 写真クリックでAmazonのページに飛びます
まとめ
ハンマードリルは配管工(職人)にとっては非常に身近な電動工具の1つです。
これを使いこなせない限りは、まずもって一流の配管工とは言えないですし、最高のパフォーマンスは発揮できないでしょう。
ぜひ今回の記事を参考にしていただき、作業を効率化してくださいね。
では、良い配管工ライフを!
コメントを残す