配管ルートが1番分かる図面と言えば何でしょうか?
立面図や平面図、系統図など現場では様々な種類の図面を見る機会がありますが、最終的に配管ルートがイメージできる図面はアイソメトリック図いわゆる『アイソメ』でしょう。
アイソメは配管が立体的に見えるため、平面図や立面図では分かりにくい配管のレベルや交差部分が一目で判断出来て現場ではかなり有用。
今回はこのアイソメについて基本となる事柄をまとめてみたいと思います。(バルブの描き方がどうなどと言う話ではなく、アイソメを見やすく描くための基本になります)
これを意識すればアイソメは見やすくなる
実際の現場でのアイソメは、監督から描いたものをもらうというよりは自分でフリーハンドで描くことが圧倒的に多いです。
つまり頭の中で配管を立体化する想像力とそれを紙に描く作図力が必要になるのですが、今回は「見やすく描く」ポイントに的を絞ります。
① 平行な配管の向きを合わせる
ほとんどの配管は前後・上下・左右90度に曲がりながら展開していきますから、同じ向き(平行)の管が存在するものです。
この時、以下の絵のように平行なはずの向きが少しずれるだけで、途端にアイソメが見にくくなってしまいます。
※平行なはずの2本の立上り配管の向きがずれると途端に方向が分からなくなる
フリーハンドなら尚更ですし、45度継手などが入るとますます分からなくなりますから、まずは向きを合わせることに注意しましょう。
② 交差する配管の前後関係をはっきりさせる
複数の配管が交差する場合には、それらの前後関係を表現しないとかなり分かりづらくなります。
例えば以下の絵のように交差を表現することで、前後関係がはっきりし配管の通りがイメージしやすくなります。
※竪管から出た枝配管が竪管の後ろを通っていることが分かる
③ 45度継手は表現しにくい
配管のほとんどはエルボでもチーズでも90度で曲がります。とは言え、現場では45度エルボやYを使用する機会も割と多いもの。
ただ、45度をアイソメで表現するのは簡単なようで結構難しいです。加えて、分岐が多い場合やひねりが加わっている場合など無理に、表現しようとするとゴチャゴチャになってしまう可能性があります。
角度を無理に表現しようとするのではなく、文字で書いてしまうのが手っ取り早いです。
※45度による通りの変更と曲がりがぱっと見で区別出来ない
どうしてもうまく描けない時は?
アイソメは立体図ですから、立体図を描くための「斜眼(斜方眼)紙」を使ってみると良いです。
斜眼紙は以下のように斜めの線が等間隔で入っているため、この線を利用して立体を簡単に描くことが出来ます。
この斜眼紙は、わざわざ購入しなくてもインターネット上で無料でダウンロード出来るサイトもあるようですので、興味のある方は確認してみてください。
ちなみに、アイソメを綺麗に描けるに越したことはないのですが、目的は綺麗な図を描くことではなく、あくまでも配管ルートを確認したり説明したりすることですから、時間を掛け過ぎずに必要最低限のものをさっと描けるようにすることが望ましいですね。
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