配管の施工をやりやすくするコツ[基本だけど忘れがちなポイント5選]

長年配管工を続けていると、「配管をスムーズに進めるために大切なこと」が少しずつ分かってきます。

継手ごとの施工手順や道具の使い方はもちろんですが、それ以外に配管をやりやすくするためのコツってあるなぁと感じるのです。

 

これはすごく基本的な内容が多いのですが、結構忘れがちというか疎かにしている人もいるような気がしています。

そこで今回は、基本だけど忘れがちな「配管をやりやすくするコツ」を5つお伝えします。

 

作業前に必ず確認してみてください。

順番を守る(守ってもらう)

どんな現場でも配管だけやって終了、ということはまずあり得ないでしょう。

必ず他業種の職人がいるはずです。例えば、保温屋さん、大工さん、塗装屋さん、クロス屋さん、斫り屋さんなど、たくさんの職人がいるわけです。

 

そんな状況ですから、まず大事にしたいのは「順番を守る」ということ。

これは工程をしっかりするということでもありますし、職人同士での意思疎通が取れているということでもあります。

 

もし順番を守らないと、例えば以下のようなことが発生します。

  • 改修工事で配管しようと思ったら開口がされていない
  • テストが終わる前に継手まで保温されてしまった
  • デッドスペースの配管をやる前にボードを貼られてしまった
  • 完全に仕上がる前に器具を付けてしまいバラすことになった
  • 防火区画貫通で先に配管を通してしまいボードが貼れずにバラしになる

 

パッと思いついただけなのでまだまだ他にもありますが、とにかく先工程・後工程を考え順番を守らないと、確実に面倒なことになります

なので、どんな現場でも「順番」は必ず守るようにしてくださいね。

壊れている道具を使わない

配管をやる上では、100%確実に道具を使います。

その種類は、手工具・電動工具によらず多種多様ですが、徹底したいのは「壊れている(調子の悪い)工具を使わない」こと

 

なぜなら、怪我のリスクが高まるだけでなく、施工の失敗や直しで余計な時間がかかることが目に見えているからです。

特に、代用が利かない道具に関しては、最悪は作業にならないケースもあり得ますから、注意が必要です。

 

例えば、鋼管を加工するのにバンドソーの刃がなまっていたら切断に超時間がかかりますし、カッターの刃が錆びてボロボロなら養生材を切ることすらままなりません。

壊れている(調子の悪い)道具は間違いなく施工スピードを落としますから、その点は肝に銘じましょう。

 

ちなみに、ちょっと壊れかけの道具も、慣れてくると使い方のコツが分かってきちゃうのが職人だったりしますが、それもほどほどにしましょうね。笑

1度間違えたら終了というような材料の注文はしない

材料の段取りは不可欠ですが、本当に完璧に揃えられるのは、作業内容が「蛇口の交換のみ」くらいなものです。

そのくらい、どの現場でも材料不足というのは、少なからず発生しますよね。

 

材料不足は、配管が止まってしまう最大の理由と言っても過言ではありません

なので、材料を拾って注文する際は、完全にキッチリの数量ではなく「少し余裕を持った数量」にするのが基本です。

 

余ったらもったいないという気もしますが、それよりも材料が不足して“人が遊ぶ”状態の方がコストはかかります。

特に、余っても他現場で確実に使えそうなものや、配管ルートの変更に対応するためのものなどは入れておいた方が良いでしょう。

 

また、材料は「足りないと分かった時点ですぐに注文する」のが基本です

よく、後でまとめてなどと言ったり、すぐに注文するのを面倒がったりする人がいますが、そんな時に限って忘れることになりますので。

仮設材・養生材をしっかり段取っておく

配管をするにあたって必要なものとして、材料や道具以外に非常に重要なのが「仮設材・養生材」です。

なぜなら、ものによっては段取らなければ配管することが不可能だったり、大幅なタイムロスになったりするから。

 

例をあげると以下のようなものがあります。

  • 台車
  • 伸び馬
  • BSM、マイティーステップ、セト
  • 足場
  • ローリングタワー
  • アップスター
  • カラーコーン
  • トラバー
  • ブルーシート
  • ポリフィルム
  • プラベニ
  • テープ類(養生テープ・ガムテープ・マスキングテープなど)

他にもたくさんありますが、この辺にしときますね。

 

高所作業をするのに足場がなきゃどうしようもありませんし、ホコリが出る作業でもしっかりと養生して取りかかれば、気にすることなく作業に打ち込めますよね。

段取るタイミングについては、改修工事なら現場調査やテスト施工の際にピックアップしておくのが良いかと思います。

 

新築なら、ここはもうすぐ作業できそうだなぁ、というタイミングですかね。

養生材は使い回しできるものが多いので、少し多めに用意しておくのが吉です。

分からないことは「分かる人」に聞く

どれだけ準備万端で配管を始めても、作業を進めるうちに何かしらの不明点が出てくるものです。

例えば、図面に寸法や管径が記載してなかったり、最近会社で買った道具の使い方がよく分からなかったり。

 

そんな時、とにかく自分で何とかしようと思うのは最も愚かです。

なぜなら、配管をやる上での施工方法や道具の使い方、図面上の数字などは既に答えが分かっていることであり、それ自体について考えることは無駄だからです。

 

これ、実際めっちゃ当たり前のことなのですが、できずにもったいない時間の使い方をしている人がいるのです

理由は、妙なプライドがあって聞けなかったり、仕事は見て覚えろ的な大昔の考え方が染み付いていたりすること。

 

私の同僚にも、いつも作業が遅いなぁと思ったら、大体が考えるべきじゃないこと(考えても絶対に答えが出ないこと)で悩んじゃってるんですよね。

「分かる人」がいる内容に関しては、出来る限り早く確認してクリアにしてしまうのが効率的です。

今回のまとめノート

配管というのは、現場は違えど作業の流れはほとんど同じです。

なので、どうすれば施工がやりやすくなるかというポイントは決まっています

 

今回はそんなポイントとして、基本だけれど忘れがちな5つの内容をお伝えしました。

おさらいすると以下の5つ。

 

  1. 順番を守る(守ってもらう)
  2. 壊れている道具を使わない
  3. 1度間違えたら終了というような材料の注文はしない
  4. 仮設材・養生材をしっかり段取っておく
  5. 分からないことは「分かる人」に聞く

 

この内容を参考に、いま一度ご自身の作業環境を見直してみてください。

では、良い配管工ライフを!

 

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