2ステップで完了!フィブロックによる塩ビ管の区画貫通処理

区画貫通処理と聞くと何やら難しいですが、フィブロックを使えば塩ビ管の区画貫通処理は驚くほど簡単です。この区画とは「防火区画」のことで、火災時の延焼拡大を最小限にするために、建物の内部をいくつかに分けるというものです。

この防火区画の壁や床を塩ビ管が貫通する場合には、穴を塞ぐだけでなく炎や煙をシャットアウトするための処理が必要であり、それを可能にしてくれるのがフィブロックというわけです。もちろん耐火二層管や耐火VPの場合には、それだけで区画貫通処理は必要ありませんので、今回は塩ビ管が生身で貫通するケースということになります。

区画貫通処理は法律で決められていることなので、どう頑張っても逃れることはできませんから、今回の記事を参考に確実かつ簡単に処理して頂ければと思います。

1. フィブロックとは?

フィブロックは積水化学工業さんの製品で、火災が発生した際に5〜40倍に膨らんで炎や煙の侵入を防ぐことが出来ます。施工は驚くほど簡単で、電気配線用や空調用など種類がたくさんありますので、実際に注文時には「塩ビ管用(床 or 壁)」と言った方が良いかもしれません。

フィブロック区画貫通用テープ

ちなみにこのフィブロック、国から認定されている商品なので仕方ないですがメチャクチャ高いです。ですが区画貫通処理がこれだけで済む(穴埋めは必要)と思えばコストパフォーマンスは良いと思います。

2. 施工方法2ステップ

では先ほど簡単と言っていた施工方法についてご紹介します。2ステップとは以下になります。

  1. フィブロックを管を巻ける長さで切る
  2. 仕上がり面から少し出るようにして巻く

以上です。実に簡単ですね!それぞれもう少し細かくポイントを見ていきましょう。

2.1 長さの測定と切断

長さはとても簡単に測る方法があります。フィブロックはある程度厚みがあり柔らかい材質ですので、爪などで簡単に跡を付けることができます。この性質を利用して、表側(貼り付かない方)をくるっと1周巻いて爪などで跡を付けて切れば簡単です。切断は普通のハサミやカッターを使えば問題ありません。

切る長さはもちろん外径を測って計算してもいいのですが、現場で実際に計算をするのは結構めんどくさいものです。よほど暗算が得意な人がいれば計算してもらった方が楽かもしれません。

また、地面で巻きつけながら切ることもできます。こちらはあらかじめ巻きつける位置が正確に分かっている場合はいいのですが、現地で配管しながらとなると以外に切りにくいのと狭小箇所では切らずに巻くこと自体厳しいケースもあります。

ちなみに、フィブロックは比較的粘着力が弱いので、同じ長さで切って重ねておいたり、軽量材のようなツルツルしたところにちょっと貼り付けておいても大丈夫です。ただし、粘着面同士がくっつくと綺麗に剥がすのは困難になりますから気を付けましょう。

2.2 位置決めと巻きつけ

1番のポイントは仕上がり面(壁面やスラブ面)から“少し出す”という点なのですが、フィブロック自体に、この部分を出して!という風に色分けがされていますのでとても分かりやすいです。(冒頭の製品写真の赤い部分)

ただ、これが結構シビアでして、壁面から半分くらい出てしまったり壁の中に入ってしまってはダメなのです。そこで、もし貫通する部分の配管が短ければ、壁や床までの寸法を正確に測って地面で切って巻いてしまった方が楽ですし、余長もほとんど出ません。逆に貫通する配管が長い場合には、壁や床までの寸法を正確に測るのは難しいので、次の図のように一旦配管を通してしまった後に、例えば管端を継手面に当てた状態で印をつけるなどし、その後ズラして巻けば良いわけです。

巻きつける時にはとにかくまっすぐ巻くことを意識しましょう。最後に重なる部分は粘着面同士をくっつけてあげるとより剥がれにくくなります。

3. ポイントプラスα

ここでは更に、特定のケースでプラスαとして、押さえておいた方が良いポイントをお伝えしておきたいと思います。

3.1 耐火パテを使う場合

【2017/11/8 追記】ーーーーーーーーーーーー↓

区画貫通部の埋戻し方法については、まず以下のページをご参照下さい。

セキスイさんの認定・評定一蘭(外部リンク)

実際の現場で何を使って埋戻しするかについては、事前にしっかりと監督さんに確認をしましょう。

【2017/11/8 追記】ーーーーーーーーーーーー↑

壁貫通(ボード面)部は微妙に空いた隙間を耐火パテで埋めるよう指示されることがほとんどです。この時にスラブ面とは異なりパテを壁とツライチ(壁面と同じ位置)で仕上げることはできませんから、少し盛り上がることになります。つまりフィブロックが規定の長さしか出ていないとパテに埋まってしまう可能性があるということです。

そうなるとフィブロックが巻いてあるのかが分からなくなってしまいますから、予め耐火パテで処理することが分かっている場合には、上の図のように少しだけ長めに出してあげると良いでしょう。

フィブロックが埋まったってちゃんとやってるんだからいいじゃないか!と思う方もいるかもしれませんが、監督さんは”施工写真”を撮らなければなりませんし、検査する人からすれば埋まっていたら分かりませんので。

3.2 穴開けの径に注意

ボード面だと貫通部の穴開けを自分でやることがほとんどです。その際に、“管が通るギリギリ径”で開けてしまうと後から苦労することになります。それはフィブロックを巻くと通らなくなるからです(汗)フィブロックはそれだけで結構厚みがありますから、それを考慮して若干余裕を持った径で開けましょう

逆に穴が大きすぎても埋めるのが大変になりますから、貫通する管の外形プラス10㎜くらいが理想かと思います。

4. まとめ

ということで、今回は塩ビ管の防火区画貫通処理としてフィブロックについてお伝えしました。処理自体は地味ですが、いざという時に人の命を守る大切なものですから、必ず漏れなく施工しなければなりません。貫通させた後から処理するのは結構な手間ですから、今回の記事を参考に忘れることなくスムーズに処理して頂けるとありがたいです。

スポンサーリンク

3 件のコメント

    • 木村さん、ご指摘ありがとうございます!
      確かにリンクの資料では埋め戻し方法が「シーリング剤」などになっていますね。
      実際に私の経験した現場では、フィブロック+耐火パテを使う事は多いです。
      とは言え、生身の塩ビ管(VP)が区画貫通(ボード面)することは稀ですから、ほとんどはACドレンパイプですが。その辺りはもっと具体的に書かなくてはですね(汗)
      もちろん耐火パテを使うのはボード面の場合だけですが、消防検査などでも指摘はなく、逆に埋め忘れ個所を埋めるように言われるくらいです。。。
      いずれにしても、あたかも耐火パテが正解のような誤解を招く可能性があるので、記事には追記をします。
      ありがとうございました。

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です