便器の排水を接続する際に大変便利なのが「アキレスジョイント」ですが、ここ最近ステンレス製のアキレスを施工する機会がありましたので、ご紹介したいと思います。ステンレス製のアキレスはゴム製のものに比べると施工の機会は少ないものの、最近では都営住宅などに採用されるようになっているため、頭に入れておいても良いかと思います。
※ゴム製のアキレス
※ステンレス製のアキレス
種類と接続配管
現状(2016/3時点)では、長さが4種類でそれぞれ240㎜、343㎜、400㎜、500㎜となっています。長さが異なるだけでそれぞれの形状に違いはありませんが、240㎜のものは曲げ角度が最大30度までとなっています。その他は90度です。
配管側はMD継手専用となっていますので、SAやVSTのような袋を締め込むタイプの継手とする必要があります。
出典:ダイドレ株式会社 VST-B
施工方法
素材がステンレスですのでそれなりに硬いですが、ある程度の角度なら手で曲げる事も出来ます。但し、先端部分は柔らかいので、綺麗に90度で曲げたり、出来るだけ先端に近い部分で曲げたりする場合には以下の専用治具がないとうまくいきません。
ポイントとしては、MD継手側(挿しこみ側)をある程度しっかりと固定した上で、治具を使ってジワジワと曲げる事です。ちなみに挿しこみ側はMD継手の飲込みを確保できる範囲内であれば切断することが出来るため、その範囲で便器取り付け位置の調整が可能となっています。
それ以外は、便器に付属するパッキンを使用し、滑材を塗布することですっぽりとハマりますので、一度やってしまえば特に難しく感じることはないでしょう。もちろんMD継手側の袋はパイプレンチなどでしっかりと締めつけましょう(傷が付いた場合は防錆処理を忘れずに)。私の経験上、いくら手締めで思いっきり締めても、角度によってじわりと漏れてきます。
☑ゴム製アキレスのバンド締付け
余談になりますが、最初の写真にもあります、ゴム製アキレスのバンドを締め付ける際のコツをご紹介します。それは「ソケットを使って締め付ける」です。マイナスや小さいモンキーを使って締め付ける事も出来ますが、ソケットを使うと断然締め付けやすく、かつしっかりと締め付けることが可能です。
ナット部分の大きさは8㎜になりますから、挿し替えドライバーに挿して使用できるようなビットや、板ラチェットのセットを持っておくと便利かと思います。特に板ラチェットのセットは狭小個所でも使用できるため、器具付けでは何かと出番があるので、持っておいて損はないと思います。
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