その腰に付いてるのは本当に安全帯ですか!?

あなたが付けている安全帯は、いざという時本当に身を守れますか?

毎日腰道具と一緒にぶら下げている安全帯ですが、よく見てみるとボロボロかもしれません。そんな状態のものがいざという時どうなるかというのは、とても簡単に想像できます。

もちろん、現場によっては毎日の服装チェックの一環で安全帯の動作を確認したり、第三者による定期的なチェックが行われたりすると思います。ただ、それらのチェックは流れ作業的なものが多く、決して十分とは言えません。

私たち職人の命守ってくれる安全帯ですから、1ヶ月に1度くらいは、自分で念入りにチェックしてあげるべきです。

このページでは、そんな安全帯のチェックを行う際に、どのようなポイントがあるかをまとめています。実際にショックアブソーバーが作動したところを撮影した、貴重な写真もありますので確認してみてください。

※対象としているのは「胴ベルト型安全帯」です。

1.安全帯には使用期限がある?

毎日装着している安全帯とはいえ、配管工の場合は、鳶工さんのように頻繁にどこかに引っ掛けて外してということはないと思います。つまり、高所作業としての配管がなければ、単にベルトにぶら下がっているだけということですね。

ではもしほとんど掛け外しがなければ、そのままずっと使い続けられるかというと、決してそんなことはありません。単にぶら下げているだけでも、様々なものにぶつかったり、鋭利なものに触れたり、過酷な気候に晒されたりと、毎日劣化していきます

ということは、安全帯には明確な使用期限が定められているのか? といえば、答えはNOです。それでも各メーカーは23年での交換を推奨していますから、どれだけ劣化するかが分かりますね。ましてや強い衝撃が加わったり、ロープに刃物が触れたりすればもっと寿命は縮まりますから、やはり定期的なチェックは必須だということです。

2.自分の安全帯をチェック

毎日の服装点検のような簡単なチェックではなく、よりしっかりと自分でチェックを行うには、どのような点を確認すれば良いのでしょうか。それは各部位に分けて、ポイントを押さえた確認をすることです。それぞれ説明していきたいと思います。

2-1 ロープ

ロープは最も重要な部分です。もし高所から落下してしまった場合には、このロープに全体重が掛かることになります。ロープ部を確認する際は、とにかく亀裂が入っていたり擦れたりして弱くなっている箇所がないかを、重点的に確認します。

2-2 ショックアブソーバー

この部分はベルトのような形状のものが折りたたまれていて、強い荷重が加わった時にこの部分がほどけることで、その衝撃を和らげる作用があります。確認する際には、折りたたまれている部分にほつれなどがないか注意しましょう。もしショックアブソーバーが正常に動作しないと、落下時の衝撃が腹部に一気にかかり、内臓を損傷する恐れがあります。

ちなみにこのショックアブソーバーは、一度でも強い荷重が加わると、それ以降は機能しなくなります。つまり交換です。もし思いたる場合は念入りに確認しましょう。それから、ショックアブソーバーがない単にロープだけの安全帯は、大手の現場ではまず使用できません。

2-3 ベルト装着部・巻取り

装着部とは、ベルトを通す箇所のことです。この部分に不備があると、本体やロープがしっかりしていても何の意味もありません。なぜなら、落下時に安全帯がベルトから取れてしまったら、安全帯だけ残して自分は真っ逆さまだからです。

この部分は意外と盲点になりがちなので、忘れることなくしっかりと確認したいです。

また、巻き取りの機能が付いているタイプについては、正常に動作し違和感がないかを確認しておきましょう。何かが引っかかっていていればロープの劣化が早まってしまうでしょうし、巻き取りが動作しなくなったら、かなり危険なサインだと思った方が良いでしょう。

2-4 フック

一番よく動かすのが、このフックの部分です。掛け外しはもちろん、毎日の服装チェックでも隣の人とフックを掛け合って、指差呼称することがあると思います。

頻繁に触っているぶん異常に気付きやすいという反面、確認をおろそかにしがちでもあります。とはいえ、よほどの歪みやサビでもない限り、普通に掛け外しができ、ロックがかかれば問題ないでしょう。

3.ショックアブソーバー作動!

実際に安全帯のショックアブソーバーが作動した時の写真を掲載します。こちらは、割と新しいタイプの安全帯で、コンパクトな本体の中にショックアブソーバーが内蔵されています。

見てわかる通り、本体が割れてベルトの部分が伸びていますから、元に戻すことは不可能です。よく考えれば、樹脂製の本体が割れるほど強い荷重が加わったということですね。

まとめ

安全帯はベルトにぶら下げてはいるものの、高所作業がない限りは使いません。むしろまったく手を触れない日すらあるかもしれません。しかしながら、ぶら下げているだけでも、日々確実に劣化は進んできます。”いざという時”つまり高所から落下する時は、一生やってこないかもしれませんし、明日やってくるかもしれません。

その日が来ないに越したことはありませんが、もし安全帯が壊れていたら、その日が人生最悪の日(最後の日)になるかもしれません。定期的に数分のチェックを行うことでそれが防げるとすれば、こんなに素晴らしいことはありません。ぜひ今すぐご自身の安全帯をチェックしてみてください。

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2 件のコメント

  • お疲れ様です!
    つい最近自分の不注意で天井配管やってるときに立ち馬から落ちてぶら下がりました泣
    なんとか腹圧をかけたので臓器は問題なかったのですがやはり腰を支点に振り子みたいな感じになりましたね・・・今はフルハーネスにしました(笑)

    • マリオさん、いつもありがとうございます。
      それは危なかったですね(汗)大事に至らなくて何よりです。
      やっぱり安全性を追求するならフルハーネス型ですよね!

      私はあんなことになっても相変わらず胴ベルト型です・・・
      何しろ改修工事と新築工事が半々くらいなので、安全帯を外さなければならないことも多いのです。
      とにもかくにも、日々の点検は大事ですね!

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