マンションや団地などの集合住宅での工事において、階高を把握する事は結構重要です。理由としては以下のような点からです。
- 各階の枝の取り出しレベルを間違えて天井内に配管が収まらなくなってしまったり、他の障害物と干渉してしまうような惨事を防ぐ
- 階高を正確に把握する事で、竪管を先行で加工しておくようなケースで余計な手間を省く
上記以外にも、階高の違いが図面に反映されていない可能性もあります。(どんな現場でも図面は疑ってかかるべきですけど・・・)
階高とスラブ厚
そもそも「階高」と言えばスラブ(下階)からスラブ(上階)までの高さですが、同時にスラブ面から天井面までの高さも分かりますから、スラブ厚も把握できることになります。
このスラブ厚も、管種によっては貫通部に防食テープを巻く際の目安になったり、斫りをする時にどのくらいで抜けるか分かったりと、知っておくと何かと便利です。
階高を把握する方法
ではどのように階高を把握するかです。新築の場合は最初から決まっていますので、図面を見るなり監督に確認するなりすれば良いかと思います。ただ、図面や監督の言う事を信用しきるのではなく、自分で確認する癖をつける事が大事です。そうすると階高がちょっと変わった時などに違和感を感じて気付けるようになります。
一方、改修工事はいくつか注意が必要です。まず改修するとという時点で、建物自体がかなり古いと思われますから、躯体の制度は少し怪しいかもしれません。シャフト内の壁にタバコやゴミが詰まっていたり斫ったらウエスや木片が出てくるなんてことはザラですしね・・・しかも建築時の図面が手に入るなんてことはほぼありません。まずは躯体の制度に注意しつつ次のような方法が簡単です。
- シャフト内のダメ穴や斫って貫通した箇所からスケールを入れて測る
- 基準点(上下階で同じ位置)を見つけて測る
階段の踊り場、ベランダの床など
基本的には上記の2点で対応できますが、それでも厳しそうならシャフトのスラブに細い穴を1本開けてスラブ厚を測り、そこから計算する方法もあります。丸棒でスラブ厚を知る方法の詳細については以下の記事にヒントがありますので確認してみてください。
というわけで、今回は階高を知るというテーマでまとめました。階高が重要であることがなかなか伝わりにくかったかもしれませんが、階高の重要性というのは間違って初めて気づくことが多いです。「あれ、下の階まで大丈夫だったのに、なんでこの階はダクトに排水がぶつかるんだ?」とか「なんでこの階から給水の取り出し位置が違うんだ?」などとなってから、階高が違うんだー!(焦)みたいなことが結構あります。そんな失敗をする前に少しでも気づくきっかけになってくれればありがたいです。
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