みなさんの周りに「いつもミスばかりしている人」っていませんか?
何かおかしな施工があった時に「またお前か!」とか、「何度同じこと間違えるんだバカヤロー!」と親方や先輩に怒鳴られている人です。
あるいは、普通じゃ考えられないようなミス(メーターを開けたまま給水管を切断してしまうとか)をして、現場を出禁になってしまう人もいます。
逆に、淡々と作業し、全くミスなく配管を仕上げる人がいるのも事実です。後から配管を見てもスマートで抜けがありません。一瞬あれっ? と思うような箇所でもちゃんとした理由や根拠がある施工をしているのです。
このミスをする人としない人の特徴(仕事に対する姿勢)は、ほぼ真反対と言っても良いです。つまり、ミスをしない人がやっていることを、ミスばかりの人はできていないだけなのです。
というわけで今回は、ミスをしない人がやっている5つの習慣をご紹介します。私もミスは少ない方だと自負していますので、いつも心がけていることや、尊敬できる職人さんにヒヤリングした内容を元にしています。
1.余計なことを考えない
1番シンプルで絶大な効果があるのが、余計なことを考えない、つまりは「集中」です。スポーツ選手や囲碁将棋のプロ、名だたる企業の経営者などはとにかく高い集中力の持ち主です。
加工中、「あー、そういえば材料頼まなきゃ」とか「あそこの配管ルート大丈夫かなぁ」などと考えながらやっていると、寸法を100㎜間違えたり芯引きを忘れたりするわけですね。
仕事の内容ならまだ仕方ないとしても、「週末彼女とどこ行こうかなぁ」などと考えたり、スマホをいじっちゃうアホがいるのも事実です。
雑念を排除し目の前のことに集中することで間違いなくミスは減ります。
また、危険作業も多い配管工にとって集中することは本当に大事なので、本を1冊でも読んでみる事をお勧めします。それだけではぼんやりとしている”集中する”ということが具体的に分かります。
コレなんかすごい役に立ちました。
2.計算ができる
どのような仕事でも数学的な視点が求められます。何やら難しそうですが、これは寸法の計算をするとかの話ではなく、作業のパフォーマンス(時間やお金)に関する考え方です。
例えば、経験を積んでくると「新しい便器の取付けは梱包バラし~掃除までは1時間くらいだな」とか、「細物の鉄管を10ピース切ってネジを立てるなら30分くらいか」などと予想できます。
また、経営者目線とまでは言いませんが、材料・道具・人工・やり直しになった場合の損失などを常に考えています。
道具を乱雑に扱って壊せば修理や場合によっては買換えになってしまいますし、その道具が使えないことで作業にならないこともあります。漏水を起せば、やり直しに新たな材料を使いますし、その分時間や人工もかかるわけです。
ムダになる(損をする)時間やお金が具体的にイメージ(計算)できるからこそ、適度な緊張感を持って作業でき、ミスを減らすことにつながるのです。
3.常に効率化を意識する
効率化というと抽象的ですが、「ミスをしないための仕組みづくり」と言った方が分かりやすいかもしれません。配管では具体的に以下のような内容です。
【寸法取り・加工】
- スケールで測る時に100㎜切ったら気を付ける
- 寸法を足し引きする場合は少なくとも2回は計算する(小さな電卓を使うのも手)
- アイソメへの寸法記入はわかりやすく書く
- ネジを立てたら継手をねじ込んだ際にもう1度寸法を測る(ねじ込み配管)
- まとめて加工したパイプは付番して順序を分かりやすくしておく
- 不足材を確認するタイミングを設ける
【配管時】
- 締込みやのり付け後のマーキングを徹底する
- できるだけ歯抜けの配管はしない
- 「ヤトイ」の明記を徹底する
- 他人に引き継ぐ際はどこが未了かを確実に伝える
- 照明や足場など作業しやすい環境を作る
- 写真のためだけのテストはNG
他にも多々ありますが、とにかくミスをしない人は“ただやる”だけではなくて必ず上記のような内容を意識しています。
4.失敗から学べる
どんなに凄腕の配管工でも、全くミスをしたことがない人はいません。人間ですから必ず何かしらの失敗談があるはずです。
ただ、その後の行動でミスを繰り返す人になるかミスをしない人になるかが違ってきます。
ミスを繰り返す人
怒られた腹いせにヤケ酒を飲んで翌朝超酒臭かったり、「コイツもしかして本当のアホか?」と思うくらい数分前に注意したことを忘れたりします。
人間は嫌な思い出ほどよく憶えていると言われ、できるだけ良い思い出を思い描くことがポジティブシンキングの基本とされていますが、ある意味嫌な思い出を忘れるプロかもしれません。
「コレは前に失敗した時と同じだからちょっと気をつけよう」という考えが浮かばないということです。
ミスをしない人(しなくなった人)
エジソンやフォードなどの偉人は、誰よりも失敗の数が多かったから成功したというのは有名な話です。さらにすごいと思うのは、「失敗ではなく“このやり方ではできないことを確かめただけ”だ」という考え方です。
つまり、同じ失敗は2度と繰り返さないのです。配管は発明ではないので少しニュアンスが違うかもしれませんが、同じ失敗を繰り返さないという点においては、ミスをしない人共通だと思います。
失敗したら原因を特定し、その状況を頭に焼き付けておく(失敗したことを憶えておくのではなく同じ場面で注意できるようにする)のです。
5.素直な姿勢を忘れない
職人というのは面白いもので、配管工としての経験を積むほど“頑固”になっていく気がしませんか? 自分のお気に入りの道具や配管手順が確立されていって、他の人の意見が受け入れられなくなっていくわけです。素直な気持ちを忘れていってしまうんですよね。
ただ、ここでもミスをしない人というのはひと味違います。どんなにぺーぺーの言うことでも、その方が正しいと思ったり画期的な意見だと思えば、積極的に取り入れます。なに生意気言ってんだ! とはならないのです。
相手が誰であろうと対等に接し、作業環境を良くすることや間違いが起こりにくい手順作りのために注力します。
どれだけ経験を積み腕が上がっても素直でいることは、配管手順のレパートリーやトラブルシューティングの方法などの知識が自然と増えていきますから、それだけミスが減るのは当然です。
ちなみに、「素直≠イエスマン」ですので、何でもハイハイ受け入れるのはやめましょう(笑)
今回のまとめノート
みなさんの周りにも、ミスをしない速くて綺麗な配管をする人がいると思います。ただ、人間ですから今までに100%全くミスがなかったわけではありません。
日頃の作業に対する心がけや、同じミスを繰り返さない工夫により「ミスをしない人」になっていったはずです。
その具体例として今回は5つの習慣をご紹介しました。
- 余計なことを考えない
- 計算ができる
- 常に効率化を意識する
- 失敗から学べる
- 素直な姿勢を忘れない
もし、ミスが多いと思っている、またはよく指摘される人は、ぜひ日々の作業で意識してみてください。
では、良い配管工ライフを!
いつも勉強させてもらってます。
ありがとうございます。
今度お時間あるときに
銅管のハンダ付けの
ポイント等をまとめた
記事を書いてはいただけないでしょうか?
ベビーマリオさん、コメントをありがとうございます!
銅管のはんだ付けですね。
はんだ付けは火気作業ですし、漏れると面倒ですよね。
近々まとめさせていただきます!
よろしくお願いします。
ありがとうございます。
お忙しいでしょうから
おてすきの際にでも
お願いいたします。