ホースを使う時に押さえておくべきポイントと使い方のコツまとめ

配管時にホースを使う作業というと、何が思いつくでしょうか?

特によく使うのはテストの時だと思います。満水テストで水を注いだり、水圧テストで使うための水を確保したりするわけですね。

それ以外にも、フラッシングや洗い物・モルタル練りの取水時などにも使います。そう考えると割と出番があるものだと思います。

このホース、何の気なしに使っていますが、実は事故を引き起こす可能性があるって想像できるでしょうか??

事実、私もこれまでに何度か遭遇してきました。そして事前にポイントを押さえておけば、そんな事故は絶対に起きなかったなと感じました

そこで今回は、ホースに関しての種類や接続方法から使用時のポイント・注意点に至るまでまとめてみたいと思います。

この記事を読んで頂くことで、ホースがらみのつまらない事故は無くなりますから、ぜひ最後まで確認してください。

1.ホースの種類と接続

ホースは、注文する際や他の人に借りる場合でも、種類を意識することはほとんどないと思います。でも実は、つくりや径により結構な種類があります。また、それに伴う「接続金物」も合うサイズを選ばなければなりません。順を追ってまとめていきます。

つくりと内径

学校の校庭で見かけたり、マンションで管理人さんがゴミ置き場を洗っているような、ごく一般的なガーデンホース(なぜか青か緑)は、現場で使うにはあまり適していません。

写真のように中に網目状の糸が入っているブレードホースが丈夫でおススメです。現在では主流となっている製品です。

各メーカー、種類はたくさんありますが、できるだけ使用圧力が高いものの方がいいです。

また、重要な要素として、内径があります。

実は内径は私の知る限り、6㎜~50㎜までものすごい種類があります。が、ホームセンターなどで買えるものは限られていますから、そこまで神経質になる必要はありません。関係してくるのが蛇口やホース同士での接続ですが、よく売られている主流の15であれば問題ないです。

蛇口との接続

世間一般でホースと言えば、蛇口に挿して使えないと困りますよね。蛇口の口の径が16.5㎜ですから、ちょっと広げて入れ込める太さが15㎜です。

蛇口はスパウトの部分がツルツルしていますので、ただ挿し込んだだけでは抜けやすいです。特に接続元を開けっ放しにして、末端に付けた蛇口で調整する場合(満水テストの時に便利)は、接続元に結構な圧がかかります。

なので、ホースバンドを使ってしっかりと固定してあげましょう。もしホースバンドがすぐに用意できなければ、番線でもOKです。

接続用の金物を使用した接続

距離が長い時やどうしても二股に分けたい時などに、ホース同士を接続できる金物が便利です。

金物にもホース挿し込み口の径や形状によって種類がたくさんありますが、主に使うのは2種類です。

① フレキなどの接続に便利な13A雄ねじタイプ(ホースニップル)

フレキと蛇口を接続して末端で止水する、部屋内配管の末端からフレキ→ホースと伸ばしてフラッシングをするなどの使い方が有効です。

② ホース同士の接続ができるタイプ(ホースジョイント)

両側にホースが挿し込めるため、ホース同士を繋げることができます。距離が必要な時に便利です。接続は両方にホースバンドを付けておくのが無難です。

2.便利な使い方やコツ

実際にビニールホースを使うに当たって、ちょっとした便利な使い方やか片付け時のポイントがあります。

サイホン(サイフォン)作用を利用した注水

もし現場で満水テストをしようとした時に、ホースから水を取ることができず、大きなバケツを使うとすると、注水時に有効な方法があります。

それがサイホン作用を利用することです。ホースの中を水で満たした状態で以下のようにセットすると、自然に水が吸われて流れていくのです。

大きなバケツを傾けて直接注ぐのは厳しいですから、たまに使える方法です。

残り水を吐き出す

ホースを使った後には、少なからずホースの中に水が残ります。この残り水は持ち運びの時に重い上に、溢れると厄介なので抜いてしまった方が良いです。

かなり原始的な方法ではありますが、片方から口で空気を入れてあげることで、逆側から水を出します。結構な肺活量が必要ではあるものの、30mくらいの長さなら難なく出すことができます。

3.使用時に注意しておくべき点

最後に、今回1番お伝えしたい注意点についてまとめておきます。押さえておくことで、つまらない事故を防げます。

折れ・亀裂・穴開きがないかを確認する

本格的に水を出す前に、まずホースの中が満たされる程度の水を出してみて、途中で折れたり穴が開いて水が吹き出したりしていないかを確認しましょう。ホース同士を接続している場合にはその辺りもしっかり確認しましょう。

ここをしっかりやらないと、見えないところが水浸しになってしまうなど、事故につながる可能性があります。

ハイウォッシャーにつなぐ時は特に注意

ある程度階数のある現場になると、各階にハイウォッシャーからの取水口が用意されていることも多いです。ここからホースで取水する場合は要注意です。なぜならハイウォッシャーの水圧はとても高圧だからです(ハイウォッシャーに接続されているのは高圧用ゴムホース)。具体的には以下の2点です。

① 接続口が絶対に外れないようにする

普通の蛇口よりも圧がかかる分、抜けやすくなりますから、ホースバンドを使うか無ければ番線で確実に抜け防止を施しましょう。万が一抜けると一瞬にして辺りは水浸しです。

左はブレードホースと番線・右は高圧用ゴムホース

② ハイウォッシャー側を開けたままホースの末端で止水しない

末端に蛇口やボールバルブを付けて操作(接続元は常に開いておいて)できれば便利だなと思うことがあります。しかし、それだけは100%絶対にNGです。ホースが破裂します

私はこれをやってしまい、ホースバンドが吹っ飛んで、飛んできた六角部分が手に当たり、くっきりと六角形の内出血が起こりました。

高所作業車などで踏まれないように

昔学校で使っているホースの途中を踏んづけて、水を止めるイタズラをしませんでした??

ビニールホースは柔らかいので、人が踏んでも水が止まります。ということは、高所作業車なんかに踏まれた日には完全に止水されるばかりか、そのままキャタピラタイプで旋回でもされたら、切れることだってあり得ます

もしハイウォッシャーに繋いだ状態で高所作業車などに踏まれっぱなしになれば、その後の悲惨な状況は簡単に想像できますね。

ですから、安全通路は迂回させたり延長コードを養生するマットを乗せたりして、踏ませない(もちろん自分も踏まない)処置が必要です。

今回のまとめノート

ホースは配管時、特にテスト時に出番が多いです。いつも何気なく使っているかもしれませんが、実は事故を引き起こす可能性のあるものであることが、お分りいただけたかと思います。

ただ、今回例に挙げたような事故というのは、事前にポイントを押さえて注意していれば、絶対に起こりません。

今後もビニールホースをまったく使わなくなるということはありませんから、ぜひこの記事の内容を頭の片隅に入れておいてください。

では、良い配管工ライフを!

Twitterでもコアな情報発信しています。フォローしてもらえると泣いて喜びます!

 

2 件のコメント

  • 地方のガス屋です。
    いつも大変勉強になります。
    これからも楽しみにしています。
    厚かましいお願いですが今度、ガス器具設置やガス配管について書いて下さい!

    • タンクさん、コメントをありがとうございます。
      とても嬉しいです!
      ガス屋さんなんですね!
      正直なところ、ガスに関しては配管という配管をしたことがありません(汗)
      もし今後機会がありましたら、まとめつつ勉強つつ記事にしたいと思います。
      よろしくお願いいたします。

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です