配管に図面は欠かせません。中でも平面図は、ルートを確認し全体像をつかむために必須の図面です。
そんな平図面ですが、職人である私たちは描けなくてもいいのでしょうか?
そもそもは監督がCADで描いて印刷してきてくれるものでしょうか?
いえいえ、時には現場を見ながらルートを決めて紙や段ボールなどに手描きし、またある時はスラブに墨として描くなど、実際の現場では自分で描くことも多いです。(もちろん簡易的なものですが)
そこで今回は、給排水の平面図を描く時にエルボやバルブなどの基本記号以外に、使えると図面が見やすくなる記号を8つご紹介します。
基本記号にについては、以下のページの「2.継手の記号」を参考にしてください。
どれも簡単なので、明日からぜひ配管に取り入れて見てください。
継手関係
エルボやチーズ以外によく使う継手として、今回取り上げるのは以下の3つです。
- レジューサー(給排水共通)
- LT、TY(排水)
- LL(排水)
レジューサー(給排水共通)
口径が細く(太く)なるときに使うのがレジューサーです。継手の種類によっては、インクリーザーと呼ばれます。
エルボやチーズに次いで、使うことの多い継手です。
LT・TY(排水)
排水配管での枝の合流では、緩やかに曲がるLTやTYを使う方が多いです。
LTやTYは記号で描くとチーズと似ていますので、違いがわかるように明確に分けた方が良いですよ。具体的には以下のように描きます。
LTとTYという呼び方について
本題とはそれますが、LTとTYという呼び方の違いについて少し触れておきます。
簡潔に言いますと、LTはDV継手(耐火二層管を含む)での名称、TYはMD継手での名称です。どちらも「大曲がりY」と呼ばれることもあり、とてもややこしいですが、形は同じです。
よほど頭の固い職人さんでもなければ、どちらの呼び方でも意味は通じるはずですので、そこまで敏感になる必要はありません。
LL(排水)
LLもLTやTYと並んで使うことの多い継手です。LLは大きく曲がるので、普通のエルボ(DL)と区別して以下のように描きます。
ただ、LLは立上り(立下がり)を表現するのが苦手です。それでも立上り(立下がり)で使うことが多いですから、そこは割り切って文字で「LL」と書いてしまった方が良いかと思います。
給水配管末端の水栓
給水配管の末端には何かしらの水栓が付くことは確実です。水栓が付く位置を描いておくことで、そこが末端だということが明確になります。
正確に描くと、給水栓・混合栓・給湯栓は下図のようになります。
ただ、この記号をきっちりと描くのはちょっと面倒なので、私の仲間内では単純に〇(まる)で簡略化してしまいます。
この点は仲間内で共通の認識ができていれば問題ありません。
排水のCO
排水配管と言えば、主に雑排水と汚水です。これらの配管には一定の箇所にCO(掃除口)が付きます。
COは床下(天井配管の分岐部)や床上に付きますから、その2パターンを描いてあげると良いです。
床上CO
記号では以下のように描きます。
記号にこだわる必要はない
ここまで記号を説明してきましたが、末端については極論を言ってしまえば、文字で書くのが1番間違いがありません。例えば、「CO」「水栓」などですね。
ただ、記号と文字のどちらが描くのが簡単で早いかというと、やはり記号です。(COはいい勝負ですね・・・)
しかも、水栓が横に10こ並ぶようなケースで、すべてに「水栓水栓水栓・・・・」と書いてあったらちょっとウザいですしね。
特に配管が入り組んでいたり、絶対に間違って欲しくない場合には文字が有効かと思います。
とにかく重要なのは、後から見返してすぐに理解できることと、他の人が見ても内容が伝わることですから、その辺りは自分が分かりやすいと思った方で良いです。
今回のまとめノート
平面図は配管に欠かせない図面です。現場では瞬時にルートを判断してパッと紙に描いたり、配管ルートとして地墨を出したりと、自分で描くことも多いもの。
今回はそんな平面図をより見やすくするために、覚えたい記号として以下をご紹介しました。
- 継手関係としてレジューサー・LT・TY・LL
- 給水・給湯配管末端の水栓
- 排水のCO
継手関係は基本とも言える内容ですし、その他も特に難しくはありませんから、ぜひ今後の配管に取り入れてくださいね。
では、良い配管工ライフを!
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