ねじ込み継手の回りしろを確保せよ!

ねじ込み配管で1番大変な事は何でしょうか?色々と意見は分かれるかと思いますが、個人的には「ねじ込まなきゃならない事」だと思います。

はっ?ねじ込み配管なんだから当たり前だろ!!と言われてしまいそうですが、これは大変重要な事で、どんなに配管場所が狭くてもどんなに配管が重たくてもねじ込まなければなりません。裏を返せば、ねじ込みスペースの確保が出来ていなければ、ねじ込み配管は不可能という事になります。特に見落としがちなのが継手の回りしろの確保で、これは以前「”きわ”の配管はルート選定に注意」の記事内でも触れました。

今回はこの点を少し掘り下げてみたいと思います。

回りしろとは?

ねじ込み配管は管や継手がクルクルと何回転もしますから、回るためのスペースが必要になります。人間が脇をぎゅっと締めて回るよりも腕を広げて回る方が大きなスペースがいるように、配管についても管よりは継手、白ガス管用継手よりもスケ4(耐圧の鋼管)の継手と言うように、それぞれ必要な回りしろは異なってきます。

中でも注意しなければならないのは、「継手の1番長い箇所を把握する」ということです。これは本当に“当たり前”の事なのですが、勘違いするケースが結構多いです。

継手の長辺※チーズを上から見た図 最長なのは緑の矢印(オレンジを最長とするとぶつかる)

正確には、私達職人が見落とすと言うよりは、図面で考慮されていないものを私達が信じて配管してしまい、何だよ継手回らないじゃん!という事の方が多いです。

継手が回せなかったら

最初から回りしろがない事に気が付いて対策を考えていれば良いのですが、実際にはねじ込もうとしたら継手がぶつかったという場合が多いです。ではそんな時にどうするかと言うと、私がこれまでに行った方法を簡単な順に3つご紹介します。

①強引にねじ込む

本当に少し壁に継手が擦ってしまう場合や、支持を外せば少しあおれるような場合には、ある程度強引にねじ込んでしまった方が良いです。ただ、限度がありますから自分で判断できない時は親方や監督に指示を仰ぎましょう。

②斫りや開口を行う

ちょっとやそっとのレベルではなく回りしろが足りない場合には、潔く斫りや開口をしてしまった方が結果的に時間やコストの削減になる事が多いです。注意しなければならないのは、必ず復旧が必要になるため、まず配管を終わらせたい場合に採用すると良いかと思います。

③ルートを変更する

斫りや開口も出来ない時はルートを変更するしかありません。ルート変更となると時間も手間もかかりますからやる気が半減してしまうかもしれませんが、当初のルートを考えた人も悪気があったわけではないでしょうから、その辺は自分の配管工人生の肥やしにしましょう。

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