蛇口や洗面台など器具周りで、みどり色の汚れみたいなものが付着している現象を見たことはありませんか?
特に、蛇口の水がでる部分や止水栓に多く見られます。以下の写真は洗面器の吐水部分。
この付着しているみどり色の物体は緑青(ろくしょう)といい、銅の酸化によりできる青みどり色の錆(サビ)です。
大仏さんや自由の女神がみどり色なのもこの緑青によるもの。
それで、緑青が出ていることが何を示しているかと言いますと、「蛇口が劣化している、または水漏れが発生している可能性がある」ということなのです。
今回は、この緑青という“みどり色のサイン”を発見した時に、どうすれば良いのかについて簡単にまとめます。
このページを読んで、ぜひご自宅の水周りもチェックしてみてください。
なぜ蛇口や止水栓に緑青が出現するのか
普通サビと聞くと何色を思い浮かべるでしょうか? 私ならまず茶色が出てきます。他の色だったとしても、茶系ではないでしょうか。
ところがこの緑青はサビにも関わらず、みどり色なんです。実はこの色には、蛇口の素材が関係しています。
蛇口は真鍮(しんちゅう)別名、黄銅(おうどう・こうどう)からできています。そして真鍮は銅と亜鉛の合金(ほとんどが銅)なのです。
銅はもともとサビにくい金属ですが、全くサビないわけではありません。
具体的には、サビと言えば真っ先に思いつく「鉄」と同じようなサビ方もしますが、表面に塩が結晶を作るような特殊なサビ方もするのです。
この特殊なサビ方による表面上のサビが緑青です。
冒頭でもお伝えした通り、大仏や自由の女神がみどり色をしているのはこの緑青によるもの。
もともと緑青には表面に皮膜を作り内部の腐食を防ぐ効果や抗菌力があるため、これによって本体を腐食から守っているわけですね。
緑青を見つけた時の対処方法
冒頭で緑青が水漏れのサインという話しをしました。蛇口や止水栓はメッキ加工されていますから、それだけでサビることはありません。
しかしながら、内部はメッキ加工されていませんし水が通りますから、少しずつ酸化していくのは事実。
そして蛇口のつなぎ目やハンドルとの境目に緑青が出るということは、そこに水が滲み出てきており、そのまま長い年月が経っているということです。
つまりは、微量ですが漏れているのです。
“サイン”を発見したら実具体的にどうすればいいのか
まずは、発見した時点で漏れているかを確認(漏れが止まっていることもある)してみましょう。
手で触るかトイレットペーパーで拭いて濡れるか確認すると分かりやすいです。
もし漏れているなら、その部分のパッキンや本体を交換した方が無難です。蛇口のパッキン交換に関しては、以下の記事にまとめていますので、確認をお願いします。
参考:【水漏れ対応】蛇口のパッキン交換で実に押さえたい基本の3つとは?
漏れが止まっていたとしても、漏れていたのは事実なので、もしかすると地震や物が強く接触してしまったタイミングで大きく漏れてくる可能性はあります。
ただ、いきなりボキッと折れて水が吹き出したりするわけではありませんから、そこまで深刻に考える必要はないでしょう。
どちらかと言えば“見た目の悪さ”の方が大きいと思いますので、漏れていなければキレイに拭き取ってあげてください。
ほとんどの場合、雑巾で少し強くこすれば簡単に落ちますので。
しつこい緑青が落ちなければ?
もし、しつこい緑青が雑巾でこすっても落ちない場合はどうすればいいの? というケースもあるかもしれません。
そんな時は、いくつか方法がありますので試してみましょう。
基本的には歯ブラシや少し硬めのスポンジを使ってこすることでかなり綺麗になりますが、長年蓄積された頑固なものになると完全には落とせないかもしれません。
見た目的にもどうしても納得がいかなければ、潔く蛇口や止水栓を交換しましょう。
日頃からこまめにお手入れしていれば、そこまで頑固な緑青が付くのは防ぐことができますよ。
今回のまとめノート
蛇口に付着している緑青は、漏れのサインであることが多いです。発見したらまず触って漏れているかを確認しましょう。
漏れていなければ拭き取ってあげればキレイになります。漏れていたら、パッキン(あるいは本体)を交換した方が無難です。
大惨事になるような漏れ方はないと思いますが、見た目も良くないですし、微量な漏れが地震などで大きな漏れになる可能性もありますから、できれば修理をしてあげると良いですよ。
自宅の蛇口や止水栓に“みどり色のサイン”が出ていないか確認してみてくださいね。
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