一昔前まで「水道水」はごく当たり前のようにそのまま飲んでいましたよね。
私がサッカー部でバリバリだった中学生の頃、ヤカンに入れた水道水や、蛇口を上側に向けて出てくる水を、そのままゴクゴク飲んでいた記憶があります。
ちょうどペットポトルの天然水が出てきたのもその頃だったと思います。当時は正直
「飲み水をお金出して買う!? もったいない・・・」
と感じていました。
ですが今やそれも当たり前のこととなり、水道水をそのまま飲むとのはちょっと気がひけるようになりましたよね。
そんな水道水は、もちろん“飲める水”であることには間違い無いのですが、間違ってもそのまま飲んではダメなケース(タイミング)というのがあるのです。
今回はそのケースを4つお伝えしますので、もし該当する場合には気をつけてくださいね。
水道水は赤ちゃんのミルク用には使えない
育児では常識かもしれませんが、水道水をそのまま調乳に使うことはできません。
私にも1歳の娘がおりまして(2019年3月現在)、飲んでいた時期にはミルクを作る水にかなり気を使いました(妻のおかげです)ので、最初にお伝えさせていただきます。
簡単に言いますと、水道水には微量の不純物が含まれているため、調乳には適していないということですね。
水道水に含まれるもの
蛇口をひねると出てくる水は、ダムや川から取水した水を、ろ過や消毒などいくつもの工程でキレイな水(飲める水)にしたもの。公害が問題となっていた昔とは違い、水道水の安全性が確保されているわけです。
とは言え、水道水には微量の不純物(水ではないもの)も含まれています。ご存知のミネラルもありますし、最も重要なのは消毒に使われる「塩素」ですね。
よく「水道水はカルキ臭がする」と言われることがありますが、カルキ=塩素だと思っていただいて差し支えありません。
塩素は水を消毒するために使用され、蛇口をひねって出てくる水にも「含まれていなければならない量」が法律で決まっているのです。つまり絶対に入っているということ。
また、塩素は水に含まれる有機物と反応して、「トリハロメタン」という発がん性が疑われる物質を生成します。含まれてしまうのは必然なので、法律により厳しい基準値が設けられています。
調乳に使う水
水道水には不純物が含まれていますから、そのまま調乳に使うのには適していません。
以下の水を使いましょう。
調乳に適している水とは?
- 赤ちゃん用の純水
何も含まれない水なので、安心して調乳できます。開封後は冷蔵庫で保管し、できるだけ早く使い切らなければなりませんから、500mlがオススメです。
→ベビーのじかん 赤ちゃんの純水 500ml×24本 - 10分以上沸騰させた水
少なくとも10分以上沸騰させることで、トリハロメタンを除去できます。毎回はちょっと大変かと思います。 - 高性能のろ過機能を備えたウォーターサーバー
浄水器でも良いのですが、ウォーターサーバーはお湯が出るので、格段に使い勝手が良いです。ボトル交換式ではないタイプがオススメです。
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そもそも水道水をそのまま使おうとは考えないと思いますが、私もつい最近までよく調乳していた手前、お伝えさせていただきました。
長期間家を空けていた後の水道水
長期間家を空けていて水道を使わなかったり、水道メーターを閉めていた場合には、再び使い始める時に注意が必要です。
長期旅行や出張で水道を使わなかったら?
「死に水」という言葉や「水が腐る」ということを聞いたことがあるでしょうか。
死に水とは、行き止まりになっている給水管部分に、流れることなく溜まり続けてしまう水のことです。
通常はこのような配管は禁止されているので、手抜き業者にでも施工されない限りはあり得ません。
ですが、長期間使わなければ給水管全体がイラストの状態と同じことになってしまうのです。
また、水自体が腐ることはないのですが、水に含まれている不純物が腐敗することはあります。
つまり、死に水と化した腐った水が給水管の中に満たされていることになるわけですね。
引っ越ししたての時
賃貸物件に引っ越した時というのは、ほとんどの場合クリーニング済みですから、さすがに水が出ないということはありません。
ただ、蛇口から出てくる水が正常とは限らないということ。漏水しているかもしれませんし、メーターの開閉によって錆が混入しているかもしれません。
いずれのケースでも、まずは水を1分くらい流しっぱなしにして、濁りや臭いがないかをよく確認しましょう。
周辺で道路工事があった後
ここ最近、我が家のある地区一帯で、道路に埋設されている水道管やガス管(メインとなる配管)関連の工事を行っています。
その影響で、水道水に明らかな不純物が混じることがあるのです。
サビなのか泥なのかは分かりませんが、バスタブにお湯を溜めたことで発覚しました。
お湯を溜めたから気づいたようなものの、キッチンや洗面所の蛇口から水を出しただけでは分からないレベル。
しかもサビや泥などの不純物なら、ろ過力のある浄水器を通さない限りは、煮沸でも取り除くことはできません。
もしこの水を調乳に使ってしまったらと思うと、ゾッとしますね。
家の周辺で大きな工事をやっている場合には、少し気にしてみてください。
大規模修繕工事(集合住宅)により給水・給湯管の更新を行なっている
集合住宅の修繕工事では、古い配管を新しくするわけですから、最終的に水はキレイになります。
ただし、工事の状況によって気をつけた方が良いポイントがありますので、それぞれまとめておきます。
共用部のみの工事の場合
共用部とは、親メーター(建物全体のメーター)から各戸のメーターまでの配管です。
工事の過程で、どうしても砂・泥・ホコリ・管の切粉などが入り込みます。原則として、配管後にはフラッシングという管内のゴミを取り除くための通水を行わなければなりませんが、どうしても出来ないまたは不十分なことも。
なので、工事が終わり使い始める前に、1分間くらいよく流して確認しましょう。
専有部も更新(または専有部のみ更新)する場合
専有部は各戸のメーターから、それぞれ器具(洗面器や便器など)末端までの配管です。共用部と合わせて更新する場合には完全に配管が更新されることになります。
逆に専有部のみの更新ということもあり得ますが、その場合、バルブの開閉によりサビが混じることが多いので特に注意しましょう。
こちらも工事が終わってから、十分に水を流した後に使い始めましょう。
ライニング工事(更生工事)
ライニングはちょっと特殊な工事で、配管自体は更新せずに、管の中を掃除して新たなライニング(滑らかで腐食しないコーティング)を形成するもの。
もちろん水はキレイになりますが、配管を更新しないので、漏水のリスクや外面の劣化は無くせません。
工事費用を抑えられ工期も短くて済むため、配管を更新せずにライニング工事を選択するケースも。
配管を更新しないので、ライニング工事によって漏水が発生したり、劣化した配管が脱落しまったりすることもあり得ますから、工事完了後にはしばらく様子を見ながら使った方が無難です。
受水槽(高架水槽)の清掃
集合住宅では一旦大きな水槽(受水槽)に水を溜めてから各戸へ給水する方法が、広く採用されています。
この受水槽は定期的な清掃が義務付けられており、その際は完全に水を抜いて内部を清掃するのです。
清掃には変な薬品を使うわけではないですし、一旦全て水を抜いてから新しい水を貯めますが、清掃後は念のため数日の間、汚れや臭いがないか注意しておきましょう。
海外の特殊事例
テレビで観たのですが、どこかの国でキッチンの蛇口をひねり、出てきた水にマッチの火を近づけると、火がついて燃えながら水が流れる事例がありました。
水道管にガスが混入したことが原因らしいのですが、日本ではちょっと考えられないことですね。
今回のまとめノート
最近は水道水をそのまま飲む機会はめっきり減りましたね。それでも、全く飲まないということはありませんし、東京都では水道水をペットボトルで販売しているくらい。
現に水道水は“普通なら”そのまま飲んでも何の問題もないキレイな水であり、この点は日本が世界に誇れることです。
しかしながら、水道水を間違ってもそのまま飲むべきではないケース(タイミング)があります。
そんなケースを今回は4つお伝えしました。
どれも人生の中で数回は経験するであろうケースですから、頭の片隅に入れておいてください。
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