配管て本当に楽しいですよね!
私もブログの説明のプロフィールにも書いた通り、プラモデルが趣味でもともと作ることや組み立てることが好きなものですから、毎日配管していて心底楽しいと感じています。
そんな配管について、2018年の総まとめとして、発見・トラブル・気づいたことなど、まとめてみたいと思います。
この記事が、あなたの2019年の配管工ライフに、少しでも良い影響を与えられることを願っています。
では行きましょう!
配管まとめ 〜発見
まずは発見、と言うか再認識したことから。
始点と終点を必ずチェック!
どんな現場でも、やる配管には必ず「始点と終点」がありますよね。つまり、ここから配管を初めて最終的にあそこまで伸ばす、というようなこと。
例えば、PSの竪管で1階のバルブ(始点)を3階のバルブ(終点)まで伸ばすとか、竪管から分岐(始点)した天井配管を特定のスリーブを使って上階に貫通(終点)させるなどです。
配管をやろうと思った時、まず最初にこの始点〜終点までのルートは必ずチェックし、イメージができてないダメだということ。
ある程度経験は必要ですが、途中に障害物があって配管が通らないとか、そもそもスリーブがないなどの可能性もありますから。
それらを配管中に気がつくのと、最初に潰しておけるのとでは、最終的にかかる時間も労力もかなり変わってきますよね。
これからやる配管が「どこから初めてどこまで伸ばすのか」は必ず最初に確認するべきだということです。
必要な時間は“やり易さ”次第
よく親方や監督さんに、「この部分の配管ならどれくらいで終わる?」って聞かれることがありますよね。
それが、配管を行う現地で細かく説明される内容かもしれませんし、詰所で図面を広げて説明されることかもしれません。
配管がどのくらいで終わるかの判断は、現場を進めていく上で非常に重要で、それには当然の事ながら「お金」が関わってくるからですね。
で、細かい話は置いておいて、何れにしてもどのくらいで配管が終わるかを判断する時に、必ず考慮しなければならないことがあります。
それが、配管の“やり易さ”です。
例えば、PSの竪管に口が取ってある箇所から、1本壁貫通させて部屋内へ配管を出すとします。
この時に、普通に人が入って手が届く位置で身動きも取れるのと、ものすごく高所に口があって脚立も立てられないほどゴチャゴチャしているのとでは、必要な工数は全く違ってくるということ。
つまり、単純に配管のボリュームや管種によって判断するのはダメで、必ず配管のやり易さを含めて必要な時間を判断しましょう。
しっかりと「ここは狭いし足場も悪いので〇〇日かかる」などと根拠があれば、反論されたり金銭的なトラブルは回避できるはずです。
間違っても、図面のボリュームだけを見て「このくらいでできます!」てのはナシにしましょう。
配管まとめ 〜トラブル
2018年に実際に現場で起こったトラブルで、特に大きかったものを3つご紹介します。
親方が配管に頭を挟まれ死にかける
大規模な新築現場で満水テストをしている最中に起こった事故です。管種はDVLP + MD(200A)
テストが後手になってしまい水を注ぐ口が無かったために、竪管の間にあるタイコを外して水を注ぐことに。
タイコを外すと上の部分は宙ぶらりんになるため、当然の事ながら上階に支持があることを監督に確認した上でテストを開始。
親方が水がどのくらい溜まったかを確認しようとタイコを外した箇所から下を覗き込んだところ、宙ぶらりんになっていた竪管が落下して頭部を挟まれた!
親方は死に物狂いでのしかかってくる配管をどかして何とか脱出したが、ヘルメットは割れ頭部からも出血・・・
以下原因。
- 実際には上階の竪管が全く支持されていなかった。
- 監督さんが現場の配管を全く把握していなかった。
- 自分の目で見て支持がされていることを確認しなかった。
- 応援という立場で入った現場だったため、状況がよくつかめていなかった。
上階分を含めて200kgは優に超える配管が落ちてきたにも関わらず、奇跡的に助かったのは本当に幸運でした。
考えられるリスクは極力排除するために、まさかそこは大丈夫だろうという箇所でも“自分の目で”確認を徹底することが大事ですね。
満水テストで水が溢れて水浸し
こちらも満水テストでの事故(漏水関係)。5階の竪管にある満水継手に満水治具をセットして、天井配管のテストを実施。
満水テスト自体は無事に終了し、満水治具を回収したかったため、水を抜こうとした。
監督には事前に水を抜いて良いかを確認の上で満水治具のコックをひねって下階へ水を流したところ、同系統5階の床レベルの配管から水が溢れてしまい水浸しに。
以下原因。
- 下階の配管を別業者が担当しており、たまたま下階も満水テストをかけた後だった(水を抜いていない状態)。
- 監督さんが現場の状況を把握できていない(監督間で連絡が取れていない)状態。
- 水を抜く時に万が一の自体に備えて複数人で行っていなかった。
満水テストは本当に事故が多いので、やる時にはそこまで必要ないだろ! と思う以上に確認を怠らない方が良いですね。
圧のかかっている消火栓配管を切って水浸し
大規模新築工事で起こった漏水事故ですが、新築らしくない内容です。
私たちがやっていた配管が、すでに配管済みの消火栓配管にぶつかることが分かったのですが、消火栓配管のルートを変更するしかすべがなく残業中で担当者がいなかったため、私たちの方で消火栓配管を一部切断することに。
これも当然のことながら事前に監督さんに確認を取って、管内に水が入っていないと言われたため管を切断したところ、実際には圧のかかった水が充満しており猛烈に水が吹いて水浸し!
以下原因。
- 監督さんが切断する配管を違う系統だと勘違いしていた。
- 本当に水が入っていないかを念の為水抜きや送水口などで確認しなかった。
職人や監督さんを含めて総勢10人以上で水かいやウエスで拭く作業を行い、奇跡的に下階への水の侵入や電気系統への影響がなかったため、送風機で乾かしてことなきを得ました。
配管まとめ 〜新たな気づき
ここでは、2018年1年を振り返ってみて、「これめっちゃ感じるわ〜」と思うことを2点共有させてください。
言行一致していないやつはクズ!
配管工というか、人間としてみたいな内容にはなるのですが、ハッキリ言って「言行一致していないやつは本当にクズ!」です。
いきなりキツい言葉で申し訳ないのですが、ちょっと考えてみてほしいんですよね。
例えば、「明日18:00から〇〇で飲もう!」と言っておいて来ないとか、「3階の器具付け終わりました!」と言われたから見に行ったら何もついてないとか・・・
これってマジでヤバくないですか!?
言行一致していないやつってのはそんな人です。「いや、そんな極端な例を出されても」と思うかもしれませんが、自分が言行一致しているかをよく振り返ってみた方が良いです。
「明日は〇時に集合」「今日は〇時に作業を終わろう」と言っておいて、平気で時間を過ぎてませんか? 後輩に「そういう大事なことはメンバーみんなに共有しろ!」とか言いながら、自分は全然メンバーに教えてあげないってことありませんか?
日々の作業での些細なことの積み重ねが、どんどん人間としての信用を無くしていきます。
現場だけに限らず、普段から言行一致を心がけて、信用を積み重ねていきましょう。
現場の配管は目新しいものが出る気配がない
ここ数年よく思うのが、「もっと簡単に施工できて画期的な配管方法が出てこないかな!?」ということ。
もちろん、ねじ込み配管やのり付けなど昔ながらの配管は手堅く信頼性も高いですし、だからこそ広く普及しているのだとは思います。
ただ、なんというか、すごくシビアなネジ調整とか、めっちゃ力のいる太物ののり付けとか、900㎜のパイレンにヤトイまで付けて回すねじ込みとか、正直もっと楽にならないかなぁと感じます。
そりゃ難しくて大変なことをこなしてこそ“職人”なのかもしれませんが、その考え方はもう古くて、もっと効率的で革新的な技術が出てきても良いはず。
そうじゃなければ、建築業界で週休2日なんてあり得ないし、新たな人材は定着しないし、傲慢社長が若い子や年輩の人をまるで奴隷のように使う絵図はなくならない気がするのです。
ちょっと話が飛躍してしまいましたが、なんかこうもっとすごい配管出てきたらいいなぁと、特に感じたのが2018年でした。
もちろん、「これめっちゃ楽だけど超漏れる・・・」では困りますけどね。笑
まとめ
今回は、2018年を振り返り、発見(再確認したこと)や実際に現場で起こったトラブルについてまとめました。
長々と書いてきましたが、結論として言いたいことは以下。
- 監督さんも人間なので、現場を全て完璧に把握しているわけではない。
- 実際に自分の目で見た情報が最も信頼性が高い。
- 言行一致している人間が信頼される
結局のところ、自分の腕や目を信頼し、周囲にも信頼される配管工になるぞ! と意を新たにした最高の1年でした。(無理やりまとめた感がすごい)
では、2019年も良い配管工ライフを!
本年もよろしくお願いいたします。
陰ながら楽しみにしています。
ベビーマリオさん、コメントをありがとうございます!
嬉しいです!
本年は何とか記事も書けそうなので、見ていただけたらありがたいです。
では、本年もよろしくお願いします!
はじめまして。
設備の現場監督になって2ヶ月の新米です。
施工する際、職人さんがどういう考えでしているか。
そのためには、監督として何をしなければならないのか等
非常に参考になりました。
ありがとうございます!
ともんぴさん、初めまして。
こちらこそありがとうございます。
コメント嬉しいです!
監督さんと職人の考え方に多少の隔たりがあるのは事実ですが、監督さんと職人とのコミュニケーションが現場を大きく左右するのもまた事実です。
私もこれまでに、「この人とはぜひまた仕事をしたい!」と思う監督さんから、「こいつはクズだ!」と思う監督さんまで色々会ってきました。
好き嫌いもあるかもしれませんが、結局のところ「一生懸命さ」が見える監督さんが私は好きです。
ともんぴさんのこれからの活躍を願っています!