いざという時に役立つ『トイレつまり』の分類を知ろう

トイレのつまりは誰しも人生で1度は経験のあるのではないでしょうか?

実はトイレのつまりは、それが引き金となり場合によっては“とんでもない大ごと”になります。具体的には、家中が汚い水で水浸しになる、下階(集合住宅の場合)に汚い水が伝ってしまい、損害賠償請求されるなどです。

いざトイレが詰まってしまった時には、冷静・迅速に解決して、これら最悪の事態は絶対に避けたいところです。

そこで今回は、そんな時の状況の把握や判断材料とすべき「つまりの分類」を詳しく見ていきたいと思います。

1.まずはトイレの構造と配管について押さえておきましょう

トイレの排水部分は結構太い(配管サイズは75㎜)ので、そう簡単にはつまりません。さらに、集合住宅になれば各戸の配管がメイン管(竪管)に合流し、メイン管のサイズは100㎜以上です。

そして便器自体は材質が陶器や樹脂で、表面は滑らかですから、便が蓄積されふさがってしまうようなこともまずありません

しかしながら、様々な原因により、配管や便器自体がつまりやすくなってしまうことがあります。例えば以下のようなケースです。

配管

  • 管と継手の微妙な段差に汚れが蓄積していく
  • 勾配が適切に確保できておらず、その箇所に汚れが溜まっていく
  • とにかく配管(建物)が古く、管が鋳鉄や鉛管だ
  • 外部の桝(ます)がつまっている

便器

  • かなりの年数使っており、ごく微量ずつ汚れ(尿石など)が蓄積された
  • キズやヒビなどにより汚れが落ちにくくなっている
  • 長期間使わずに水が完全に乾いてしまった箇所にゴミや汚れがこびりついた
  • タンクの中に節水になればと思い、ペットボトルなどを入れている

このような原因でトイレがつまりやすくなる、ということは頭の隅に入れておき、毎日トイレにいった時にちょっと気にしてみると良いかと思います。

それから、便器は各メーカーがよく流れてつまりにくいものを、日々研究していますから、どんどんつまりにくくなっていることは確実でしょう。

2.トイレつまりの分類

まず、つまりは大きく2種類に分かれます。便器自体のつまりと配管のつまりです。

便器自体のつまり

流したものが、接続されている配管にたどり着くまでに止まってしまっている状態です。便器自体のつまりであれば、ほとんどの場合、自力でなんとかすることができます。

最近の便器はつまりにくくなってきているとはいえ、「絶対につまらない便器」というものはありえません。なぜなら、便器は口が大きく配管より大きなものが余裕で入ってしまうからです。

極端な例を挙げれば、バスタオルや雑誌なども入ってしまいます。もちろん物理的に流れるわけがありませんので、つまることになります。

配管のつまり

便器が接続されている排水管が、なんらかの理由によりつまってしまう状態です。理由としては、トイレの構造と配管の部分でもお伝えしたように、継手や逆勾配の箇所に汚れが蓄積しまうことが考えられます。

便器を普通に流れたものも、配管部分でつまってしまうこともありえます。(上図①)

その他にも、古い建物で配管が鋳鉄管だと、地震や工事などの振動で内部にサビがつまることもあります。この場合、管の太さは関係なく、100㎜以上のメイン管(竪管)でもつまる可能性があります。(上図②)

スラブ貫通部の斫りが招いたとんでもない事態

ここ最近では築年数の古い集合住宅でも、リノベーションによって内装はすごくオシャレになりますが、配管はボロボロということもありますので注意が必要です。

日頃から流れが悪いと感じたり、同じ建物の他の部屋でつまった事例があったりする場合には、配管がつまる可能性があることを頭に入れておいた方が良いでしょう。

3.配管のつまりは箇所によっては大惨事に!

便器自体のつまりなら、その便器のみの問題ですから、他の影響を受けることはありません。これがもし配管のつまりとなると、箇所によっては大惨事になります。以下の図を見てください。

つまっている箇所が便器に近い場合は良いのですが、もしメイン管(竪管)がつまったら、それより上階にあるすべての部屋の影響を受けてしまうのです。上階で流されたものがすべて、配管がつまっている直近の階のトイレから溢れてきます・・・考えただけでもゾッとしますね。

しかも溢れた汚い水が下の階に伝ってしまうと、ことはさらに重大になります

集合住宅では特に注意が必要ですが、戸建でも2階建て以上で各階にトイレがあれば同じことです。

とは言え、ここまでの大惨事はめったに起こりません。私もこれまでの配管工人生の中で、遭遇したのはたった1回です。

ですから、念のためこのような最悪のケースもあるということを頭に入れておいていただき、万が一の時にはすぐに連絡できる管理会社の番号などを確認しておくことをお勧めします。

今回のまとめノート

トイレのつまりは、誰しもが人生で1度は経験すると思います。いざその現場に出くわした際に、冷静で迅速に対処するために、基本的な構造やつまりの分類については最低限おさえておいた方が良いかと思います。

もし配管のつまりが発覚した場合に、緊急で連絡できる管理会社やカスタマーサービス等を確認しておくことも忘れないようにしたいですね。

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