都営住宅の排水配管はここがキモ!ということで、どういった点に注意して施工していれば余計な是正事項が出ずに済むかをまとめたいと思います。極端な言い方かもしれませんが、都営住宅には“教科書”的なものが存在しますから、それに従った施工をすれば絶対に是正事項は出ません。(必要な資料は監督さんが用意してくれます)
⇒例えば東京都機械設備工事標準仕様書 – 東京都財務局 (外部リンク)
しかし実際の現場では1人で施工するわけではないですし、他業種との絡みもありそう上手くいかないことが多いですから、ポイントを押さえておく必要があるのです。
※今回は衛生配管ですので、ドレン配管は含みません
全体的に重要なこと
まず最初に排水配管全般で確実に押さえるべき事項です。
- 勾配の確保
- 支持
- サビ止め
- マーキング
これらはすごく当たり前の事なのですが、少しのズレも許されないと思った方が良いです。例えば50Aの配管勾配が少しでも1/50を下回れば是正になりますし、吊りピッチが少しでもオーバーしていたら追加するように言われてしまいます。
また、サビにはかなり気を使っておいた方が良いと思います。全ネジの切り口やMDの塗装が剥がれた箇所などは忘れがちです。そしてマーキングは飲み込みとボルトナットに対するものです。
では次項から配管場所ごとに特有のポイントを挙げていきます。
ピット内配管
基本的に配管を吊るのはピット内のみです。吊るということは当然吊りバンドを使いますから、吊りピッチは重要ですし最終的に次のような状態になっていなければなりません。
☑️吊りタンから全ネジが5㎜程度出ている(長すぎても短すぎてもダメ)
☑️ボルトナットがしっかり締まっている(マーキングすることもある)
また、ピット内はスペースが限られていますから配管同士が近接することも多いのですが、決してせってはなりません。紙一枚分でも隙間が空いていればオッケーです。
竪管
竪管はDVLPとMD継手による配管となります。マーキング、貫通部の穴埋めと防水処理などはもちろん重要なのですが、何といっても支持を忘れてはなりません。床はアングル➕Uボルト、COS-T(満水継手)のある階はL型または門型アングル➕Uボルトでの支持が必要となります。
最大の注意点は竪管は隠蔽されるため、造作が終わり隠蔽されてしまった後からでは、この支持の施工は絶対に出来ないということです。なので、竪管が上階に立ち上がったらまず支持をすることを考えた方が良いと思います。
ちなみに、竪管には必ず点検口が付くのですが、検査の際には必ず覗かれますし、COS-Tの蓋も外したりしますから、忘れていたらほぼ見つかると思った方が良いでしょう。
転がし配管
各部屋の転がし配管も基本的には勾配やマーキングに注意が必要です。特有のポイントとしては、施工云々と言うよりは他との取り合いに気を付けることです。例えば以下のような点です。
- 給水のポリ管は上下どちらを通るのか
- 間仕切りや床との干渉はないか
- 流しの排水が流し台の後ろに収まっているか
- ユニットバス排水との接続は問題なさそうか
- 器具の位置と合っているか(洗面台・洗濯パン)
これらのことをクリアしていればまず他業種の職人さんとのトラブルや急な直しが発生することはありません。検査でも後は支持さえしっかり出来ていれば大丈夫です。
以上が都営住宅の排水配管のポイントになります。検査官によっては支持の検査に命をかけているような人もいますし、ざっとしか見ない人もいますが、何れにしても手を抜かず真面目に施工しいれば問題ないレベルです。施工時の参考にして頂けるとありがたいです。
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