排水管のテストと言えば、単純な通水テストと「満水テスト」ですよね。
大手の新築工事では必ずやるテストですから、排水配管に携わるならば内容は確実に押さえておくべきでしょう。
そこで今回は、満水テストの概要とやり方をまとめます。
満水テスト(満水試験)とは?
満水テスト(満水試験とも呼ばれる)は、その名の通り配管を水で満たして一定時間置くことで漏水がないかを確認するものです。
飲み込み不足や接着し忘れを初めとして、施工不良による漏水箇所はほぼ見つけることができる、信頼性の高いテストです。
通水試験では水を流さない通気配管にも水が入りますから、そちらの漏れも確認できます。
改修工事や規模の小さい新築現場ではほとんどは行いませんが、ある程度の規模の建物になってくると、排水管のテストと言えば満水テストになります。
どのような点がポイントとなるか?
満水テストの方法を分かりやすく言えば、「配管に水を入れる」だけです。
しかし、一歩間違えると大惨事になる可能性もありますから、ポイントとなる点を整理しておきます。
テスト前には必ず監督にこれからテストをやる旨を伝え、他の職人さんにも周知しましょう。
また、テスト対象の系統を全て目で見て確認し、未接続箇所や止水すべき箇所を確認しておいてください。
止水(水が流れないようにする)段取り
水を溜めるということは、下の末端や竪管の途中で何らかの止水をする必要があります。
手段としては、キャップ・CO・満水ジグ・風船など色々です。
基本的には監督にお願いして用意してもらうことが多いですが、満水ジグや風船は使い回すことができるので、高価ですが持っておいても良いかもしれません。
風船は空気を入れて使いますから、必ず空気入れとセットで考えてください。
取水の段取り
水を入れるための段取りになり、その他には表示や区画も必要になってきます。
水は基本的にはホースで直接注ぐことになりますが、もしホースが無ければ(注ぎ口まで伸ばせなければ)バケツを使わざるを得ません。
一般的な蛇口から取水する場合には、ビニールホースの先にホースたけのことフレキなどを利用して蛇口を付けておくと調整が効くので便利です。
また、ハイウォッシャーから取水する場合には、ビニールホース(ブレードホースを含む)先に取り付けた蛇口で止水しようとすると、水圧で破裂する恐れがあるので絶対にやめましょう。
この場合、高圧ゴムホースの先端にVBニップルとボールバルブをねじ込んで使うことで、安全に扱うことができますよ。
それから、ビニールホースを蛇口やはいウォッシャーの出口に接続する場合、接続口はホースバンド(または番線など)で確実に締めておきましょう。
そしてもう1つ、テストをかけている系統の止水箇所や注水口付近には、不用意に他人が近づかないよう表示と区画を徹底してください。
ちなみに、ホース先端の止水は、以下の3つを使えば簡単に作成できます。参考までに。
注水の間
実際に水を入れる際には、基本的に注水口にへばりついていなければなりません。
なぜなら、満水になったかどうかの確認は目視で行うしかないから。
加えて、テスト対象の配管から急激な漏水がないかを確認する人が1人以上必要です。(注水し始めは止水箇所の確認をする)
それから、もし注水口がその系統で1番低い位置出なければ、その口で見張っている人も必要になります。
更に、ハイウォッシャーから取水する場合は、ハイウォッシャーのバルブを操作する係も必要です(ホース先で止水できない場合)。
この係はホースが台車や高所作業車などに踏まれることも想定し、いつでもバルブを閉じれるよう集中していなければならなりませんので、結構疲れます。
結果的に、ある程度の規模であれば、それなりの人数と時間を取られるテストという事になります。
満水後の確認
満水になったら、監督を呼んで写真を撮ってもらいます(満水直後と一定時間経過後)。
満水保持時間中は、漏水がないか系統の全ての配管をチェックします。
保持時間を経過し水位の低下がなければ、水を抜い て終了です。
全ての継手を目視しても、どうしても気になる場合は1日水を入れっぱなしにしておけば、さすがに漏れている箇所からは水が滴るでしょう。
今回のまとめノート
満水テストは、配管の太さや長さによっては1日に3人がかりで1系統しかテスト出来ないこともあります。
それでも、確認できるのはその時しかありませんし、水の出る量を増やすことは出来ませんので、この確認が最後の砦くらいの気持ちで入念に確認しましょう。
以上となりますので、テスト時の参考にして頂ければと思います。
では、良い配管工ライフを!
PS
現場での満水テスト時に、確実にチェックしておきたいポイントに関するチェクシートを作成しました。
満水テストでは結構事故が起こるので、ぜひ参考にしてみてください。
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