後から出来ない支持

配管をする時の支持金物は、本来は先に取付けるかと思いますが、実際の現場ではそうもいかないケースが出てきます。例えばその時に材料や道具がなかったり、支持方法が確定していなかったりする場合です。そんな時に注意しなければならないのは、「絶対に後からでは出来ない支持がある」ということです。どんな支持でしょうか?(対象としては基本的な衛生配管の支持です)

100㎜のスペースに110㎜は入らない

当たり前のことですが、もし配管と躯体が100㎜離れているとしたらその間には100㎜以下のものしか入りませんよね。ということはハンマードリルが入らなければ配管の裏にアンカーは打てませんし、打てた(打ってあった)としてもターボ羽子板や全ネジをねじ込むのは無理です。

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距離があれば斜めに打ったり全ネジを曲げて“逃げ”をつくってあげることも出来るかもしれませんが、距離が近ければそれも不可能です。つまり、絶対に後から出来ない支持とは、配管の真後ろ(真上)にアンカーを打って全ネジやターボ羽子板をねじ込んでする支持のことです。

ということは?後から出来ない支持は必ず先にやっておく!これしかありません。ちなみに具体例としては、竪管のターボ羽子板➕立てバンドによる支持や吊りしろがギリギリの天井配管を吊りバンドで支持するケースなどです。

代替策

いくら必ず先にやっておくとは言っても、忘れてしまうことはあります。人間ですからね。なのでそんな時の代替策をいくつか挙げてみたいと思います。

  1. ねじ込みT字足を使う
    ねじ込みT字足
    ある程度細物の配管ならねじ込みT字足を使用出来ます。ビスは多少斜めでも利きます。ターボを先に通しておくことを忘れないようにしましょう。
  2. レベルバンドを使う
    レベルバンド
    スペースがあれば太物でも固定可能です。
  3. ブラケット(L型アングル)を使う
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    強度面で1番確実ですが、取付スペースとブラケットや作り物のアングルが必要です。強度が必要なければ①や②で良いかと思います。
  4. ハンマードリルのL型アタッチメント
    インパクト用のL型アタッチメントを使ったことがある方は多いかと思いますが、ハンマードリルにも同様のものがあります。だだ、メーカーが限られるのと使い勝手に関してはなんとも言い難いです(汗)
    これを使えば狭いスペースでもある程度はアンカーを打つことができます。ただ、あくまでもアンカーを打てるというだけで、それが支持が出来るということにはならないので注意が必要です。
  5. スペースがあれば長ナットを使う
    アンカーは打ったけどターボをねじ込んどくの忘れた(涙)なんて時はロングナットに全ネジとターボを突き付けまでねじ込んでおいて、アンカーと配管の間に入れたらロングナットを緩めながらアンカーにねじ込んでいくという手も可能です。
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ということで、今回は後から出来ない支持についてまとめてみました。実際の現場では、忘れた!と思った時に代替案をパッと考えて余計な時間を掛けないように出来るのが理想です。配管支持の機会は多いと思おますから、参考にして頂けると嬉しいです。

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4 件のコメント

  • 最近この世界に入ったので、参考にさせて頂いています(^^)初心者にもとても分かりやすいので、これからもよろしくお願いいたします。

    • レンチさん、コメントありがとうございます!
      私もまだまだ日々勉強中です。
      何かあれば気軽にコメントをよろしくお願いします。

  • 初めまして。新米リフォーム営業の者ですが、設備施工に関してとても色々なことが書かれていて勉強になりました。できる作業・できない作業の判断が自分では難しいことが多く専門の方の見解は目から鱗が落ちることばかりです。
    これからも記事読ませていただきたいと思います。

    • いずみさん、コメントありがとうございます!大変嬉しいです!
      自分は基本的には衛生設備がメインなので書けることも限られてしまいますが、これからも出来るだけ分かりやすくまとめていきたいと思います。
      よろしくお願いします。

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